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講義ノートコピー

大学には、講義ノートというものが非公式で売られていた。大学の真向かいで。

講義ノートというのは、講義に出てノートを全て取って、そのノートを店に売るという単純なもの。
真面目な学生さんの経済的支援も兼ねているようで、1講義あたり10,000円〜17,000円で買い取られていた。
販売は600円〜1,200円ほど。

合コンばっかりしていた僕はこの講義ノートに大変お世話になり、3回生には卒業単位を取り終えることができていた。合コンばっかりしてたのに。

講義ノートを販売している店は儲かるんだろうな〜なんて考えていて思い付く。

「これ、コピーして安く売ったらいいんちゃう?」

しかし、講義ノート本体は薄い青色で印刷されており、当時のコピー機では、コピーすると読めなくなるようになっていた。一番濃くしてギリ読める程度。

そのため、講義ノートを書く人から借りることを考えた。
講義ノート説明会なんてものがあって、講義ノートの書き方や条件などが説明される。
そこに参加している人の一覧が説明会の出席確認に記載されていたので写メ。
あとは合コンで築き上げたコミュニティで個人を特定。
その講義に参加し、交渉した。

条件は
①講義ノート用のノートを5,000円でコピーさせて欲しい。
②もちろんその後、講義ノート販売店に持って行ってくれていい。
③みんなには内緒にしてて。
これだけ。

結構な数の人に断られたけど、10人ぐらいはOKしてくれた。

ノートを借り、家に帰って父親のコピー機でひたすらコピー。各50部。
友達と一緒にやったので、僕がコピー担当、友達が製本担当だった。

そして、講義ノート販売店の半額で売った。
もちろん売れた。
全部で30万円ぐらいにはなったと思う。
これを年に2回繰り返せるんだからチョロいもんだ。

と、思ってたら3回目の時に講義ノート販売店に呼び出され、大学の教授のところに連れて行かれ、説教された。非公式のはずなのに。

これにより3回生の冬に講義ノートコピーは終わってしまった。
儲かったお金はマンガ買うのに使ったと思う。たぶん。

大人になって思ったことは、おとん、インク代こんなに高いと思ってなかった。ごめん。

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