見出し画像

3年目の夫婦喧嘩

今日で入籍してからちょうど3年が経つ。

コロナ禍の真っ只中かつ社会人として週5で働いていたということもあってか、この3年間は本当にあっという間に過ぎていった。とは言っても、海外留学を決心し、様々な可能性を探った上でなんとか2人ともドイツの大学の合格を取り付け、日本での正社員としての暮らしをかなぐり捨てて、そして今は何故かタスマニア島でワーホリをしているのだから、客観的に見ると大きく人生が変わった3年間だったのかも知れない。

自分で言うのもなんだが、夫婦仲は割と良い方ではないかと思う。
大学の同級生で、付き合ってからはもう7年以上が経つわけで、かなり気心の知れた仲である。性格は違うが、方向性は近い。そもそもこの頭のおかしい人生プランを一緒に実行しているのだから、根本的な価値観は近いのかも知れない。また、海外生活における困難を共に切り抜けることで、ワンチームとしての連帯感も生まれてきた。

それが、最近になって珍しくデカめの喧嘩をしてしまった。争点は、なんてことはない、早朝家を出る時間について。

事の発端は、私がローラー(巻き寿司を作る人)デビューを果たしたことで、別店舗で米などの仕込み業務を行う夫と同じく朝6:00に始まるシフトに入れてもらえるようになり、朝早く一緒に車で通勤するようになったことである。

夫は時間にかなり余裕を持って行動したいタイプで、1人で通勤していた時は、朝3:30に起床、4:40に家を出て、始業30分前の5:30までには必ず職場に到着していたらしい。

対する私は、「徒歩=自助努力でなんとか所要時間を縮められる部分」という考えでいつも気付けば駅やバス停までダッシュしているような性分である。当然朝は1分1秒でも長く寝たいため、早めに職場に着くために3:30に起きるなど、到底出来るはずがなかった。

そんなわけで、朝の通勤に私という遅延要素が加わったことで、家を出る時間が夫の当初のタイムラインから15分ほど後ろ倒しになってしまったのだ。それをあと5分でも早められないかと夫が打診してきたことで意見がぶつかった。

結果2人とも6:00の業務開始にはしっかり間に合っているのだから良いじゃん、というのが私の言い分である。そもそも、3時台に起床するというのが許せない。4:00は朝だが、3:55は夜なのである。たった5分の違いでも、3時台に起床することで、「労働のために夜中に起きる」ことになってしまうのが耐えられなかった。

一方で夫の言い分は、スプリングオニオン(万能ネギのようなもの)の細切りの納期に追われていて全く余裕がないため、5分でも早く仕事を始めたいというものだった。その5分で一体どれほど成果が変わるのか、と詰めてしまったが、そういう問題ではないらしい。

改めて文字にしてみると本当にどちらの主張もくだらないが、両者一歩も譲らず、朝の車の中の空気は今までにないほど険悪になってしまった。

今まで意見のすれ違いがあった時はなんとか話し合いで打開策を探してきたのだが、今回はあまりにも両者の価値観の違いに原因があり過ぎて、どちらも歩み寄る気がないうちは解決の糸口がないように思われた。
唯一良かったのは、完全に話が平行線になってしまった時にポツリと呟いた「仲良くしたいね」という一言にはお互い同意できたことだろうか。

結局、一日働いた後に夫が「5分早く働き始めたところでスプリングオニオンの進捗に大きな変化はない」と認めてくれたことで、私の4:00までの睡眠が守られることとなった。結局折れてくれた夫、ありがとう。

今回の喧嘩を経て気づいたのは、長く一緒にいても、それぞれ違う人間なのだから意見が異なるのは当たり前で、意見の衝突と関係性の悪化を混同してはいけないということと、寝起きの機嫌が悪いタイミングで建設的な会話をすることはほぼ不可能だということである。

もう3年、だけれど、たった3年でもある。

共に人生を歩んでいく仲間として、これからも仲良くやっていきたいと思いを新たにした、結婚記念日であった。

この記事が参加している募集

今週の振り返り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?