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#4 かんしゃ

いよいよ、年末。
年末・・・というと、岩本が思いつくのは、大掃除。

楽器を弾く人は、熱心になると必ず毎日楽器を触りますよね。楽器って、いつも自分の練習に付き合ってくれます。
「今日嫌!勘弁して!」って言ってくることはありません。(不機嫌なときはありますが...)そのくせ、自分が上手く弾けないときは、楽器に八つ当たりしたくなるときすらあります。でも楽器はそれでも、音を出してくれます。

毎日使うものなのに、楽器への感謝・・・
忘れがち、じゃないですか?


ピアノを弾く人は、自宅のピアノは、自分の所有物。
自宅以外の場所で弾くときは、
その場所にある楽器を使って、音を出します。
つまり、他人のモノ。

大学や大学院、借りて使用するピアノスタジオは、
不特定多数の人がピアノを触ります。
自分が使おうと思ったら、蓋は開けっ放し。
手垢だらけの蓋。消しカスだらけの譜面台。
べとべとの鍵盤。鍵盤カバーは、どこへやら。
そんなことが普通で、時々心を痛めます。

それに対して、ピアノ以外の楽器は結構皆さんは、
楽器を丁寧に扱うなあ、といつも思います。
お手入れは欠かせないし、
お手入れしないと音すら出してくれない楽器もあります。
専門家に、楽器を調整に出す回数も多い。

大学の頃、実は副専攻でフルートを習っていました。
なぜその時、フルートを選んだかというと単純。
家に、フルートがあったから。
母親が中学生のときに吹奏楽部だったので、
フルートを少し吹けるのです。
フルートは母親が初任給で買った、思い出の品。
大事なモノだとわかっていたので、
楽器を使うたび綺麗にクロスで丁寧に拭いていました。
それまでピアノ以外の楽器をまともに扱ったことがなかったので、吹くたびに、布を通さなければいけないし、
組み立てなければいけないし、
そもそもケースから出さなきゃいけない。
結構、面倒に感じました。
ピアノの人は、そういう習慣に疎いのかもしれません。


ピアノは表面や外側を綺麗にすることはできますが、
中身を触るのは調律師さんのお仕事。
もしかしたらピアノにとっての大掃除は、
1年に1回の定期調律。
調律師さんにお任せ、なのかもしれません。
まずは、それを忘れず行うこと。

岩本宅のピアノは、
中学2年生のときに両親に買ってもらったグランドピアノ。
先生に褒められて嬉しい時、
思ったような演奏ができなくて悔しい時も、
本番が近いのに思うように弾けない苦しい時も、
ずっと共にしてきたピアノです。
本当は毎日、撫でてあげなきゃいけない。
ありがとう、って。

年末は、普段使っている楽器を
少し、いつもより綺麗にしてあげる。
いつも普段使っているモノ、場所、
いつもは掃除しない場所を、
少し撫でてみませんか。

いわもと

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