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インターネットお絵描きオタクが初めて文庫本サイズの小説同人誌を作った話

本題に入る前に筆者のことです。
・お絵描き歴だけはそこそこの絵を描くオタク
・クリスタ持ち
・自分の描いた絵はTwitterにアップしている

そんな人です。
神絵師でもないけど趣味で好きなキャラのイラストを書いてTwitterにアップしてます!……という感じの探せばインターネットにごまんと居そうなモブAみたいなオタクを想像してください。

……漫画じゃなくて?
そうなんですよね。初めての同人誌はなんと二次創作小説本です。
初めての本を作る前はインターネットお絵描きオタク1本でやってきていましたが、そこに文字書きという肩書き(正直今でも使うのはかなり恥ずかしいのですが便宜上使います)が加わりました。身バレ防止等も含めて色々とぼやかしていますがご了承ください。内容だけはノンフィクションです。

インターネットお絵描きオタクが二次創作小説を書いて本を作るのを決めるまで


※長いので飛ばしても構いません

遡ること数年前。私はとあるジャンルにドハマりしました。私はどれくらいそのジャンル(仮にジャンルAとします)にハマったのかというと、「うわー!ジャンルAについてめっちゃ語りたい!AとB(キャラ名)の萌え語りしたい!あ!そうだ!専用アカウント作って片っ端からジャンルAについて語ってる人フォローしよ!」を1日で成し遂げました。
当時ジャンルAの二次創作をしている民の数は少なかったため、ジャンルAの二次創作に飢えていました。フォロワーは絵描きより文字書きが多かったのもあり、それまで版権ジャンルでも触れてこなかった小説を読む機会が増えました。オタクというものはすごいものです。

その中で私の中に沸き立つ感情がありました。

私の中のAとBの妄想を形にしたい!でも自分は絵は描けても漫画は書けないしがないオタク……!どうすれば……あー!小説があるじゃん!

これが私が二次創作小説を書き始めたきっかけです。動機が不純すぎる。長年文字書きをしている方がこれを読んでいたらとても申し訳ないです。そういう人もいるということで許してください。
今まで小学校の国語の時間で自分で作った物語を書くという授業以外で小説書いたことない人間でしたが、とりあえず見よう見まねでパソコンに自分の頭の中の物語を綴っていきました。面白いかどうかはどうでもいい。とにかく頭の中にあるものを形にする!この世に出すんだ……!同人女の感情の登場人物さながらのムーブをリアルにしました。これが最初に書いた正真正銘の二次創作小説でした。ありがたいことに読んだ方から反応をいただいたりしました。
これ以降、最初に書いたキャラの話以外にも別キャラの話を書いたりしました。最初に書いた小説を越える文字数を越えるものも書いたりしました。もちろん絵を描くオタクだったので絵をアップすることもありました。こうしてジャンルAでの沼を楽しんでいたある日でした。

本出したいな……。でも本作るの難しそう。そうだ折本を作ろう!
いきなり本を作るのはハードル高いと思っていたのでまずは折り本からスタートしました。自分の書いた話が本になるのはとても楽しかったです。狂ったように折り本作ってました。
本を作る前のチュートリアルとしてもすごくおすすめです。
そんなこんなでジャンルAの沼で楽しく遊んでいました。

そんなある日。

自分の分だけでいいから一冊本を作りたいな……。しかも売っているような見た目で自立するやつ。
(最初からハードルが高くないか?)

ちょうどまとまった休みが取れる時期だったので一念発起して人生で初めての同人小説文庫本を作るに至ったのです。ただ、休みの日数は限られていたので9割は今までに書いてきた小説です。いわゆる再録本です。原稿は手元にあることを前提に以下を読んでください。

本を作るぞ!

  1. 売っている文庫本を観察→どんな本にするか決める

  2. 印刷所を決める

  3. 本を作る

1に関して
とにかく売っている文庫本にとにかく見た目を近づけたかったので持っている文庫本を参考にしました。大きさや後ろにあるあらすじとかもなんでも。それっぽいフォントも選んだりとか。
そうやって、こんな感じの本を作ろうと決めました。

・サイズはA6
・くるみ製本(というものだとこのときに知る)
・カバー付き
・100p以上は欲しい(自立させたいから)
・カバーをつける
あとは知らん!どうにかなる!

2に関して
自分用ということで、一冊から作れるところで文庫本カバーも作れてお手頃という観点でシメケンプリントさんを選びました。最初は箔押ししたいなと思っていましたが、思っていたより数倍高くて目玉飛び出て止めました。凝ったことしたいのなら他の印刷所さんがいいですが、そんなにこだわりがない初心者同人者にはシメケンプリントさんで小説同人本を作るのはいいと思います。シメケンプリントさんのHPには同人小説を作る人にはとてもありがたいツールをブラウザ上で無料公開しています。シメケンプリントさんのツールを使って他の印刷所さんで印刷するのもOKだそうです。入稿の方法は各自で読んでください。

3に関して
まずは本文。
特に文字の大きさなどにこだわりはなかったのでシメケンプリントさんのツールをそのまま使用しました。あらかじめ作った原稿をコピペするだけでpdfにしてくれます。凄すぎる。ヘッダーやフッター、ページ数は気に入った文庫本のをそのまま真似しました。ここらへんは正直好みです。フォントは明朝を選択しました。二段組みもできます。自分が本を作った時にはありませんでしたがページ確認ができるツールもありました。

次に扉ページ・奥付
これもシメケンプリントさんのツールを使いました。ありがてぇ……!
文庫本タイプの同人小説を持っていなかったので奥付に何を書けばいいかわからなかったのでネットで調べながら作りました。

目次はシメケン印刷さんで出しているテンプレートを使用しました。おしゃれにしてやる!と意気込んでいた時にTwitterで同人誌目次展覧会というタグを発見し、自分としてはいい感じに作りました。
が、結果としては文字がデカすぎて、目次ツール使った方がシンプルでよかったなと思いました。うまくここに入れられなかったので検索して自分の目で見てみてください。

次は本の表紙
とにかく売っている本の見た目に近づけたい!ということでちょうどこちらを発見。
てんぱるさんの作品集や同人誌タイトルデザインチュートリアルを見ているだけでもとても創作意欲が湧きますのでおすすめです。

売られている本と言えば、バーコード!同人誌につけられるサービスがありますので是非。無料です。


最後にカバー
ここが一番時間がかかりました。今回は、本体は隠れてしまうのでカバーが表紙のようなものでしたので。
Unsplashを利用しました。
※検索ワードは英語です

O-DANの方が便利そうですね。検索ワードが日本語でいいですし。

とりあえず作りたいイメージ(この色は使いたいなど)は最初に固めると脱線しないはず。結構こだわりが強かったのと、ツールには頼りたくない!テンプレートは味気ない!と変な同人誌意固地を発揮したのでツール等は使わずに、ネットで気にいった表紙デザインを保存していいとこ取りをして一から作りました。使用ソフトはクリスタです。もっと手軽に素敵な表紙を作りたいよ!という人は、ツールを使うのももちろんありだと思います。別に恥ずかしいことではないと思います。使えるものはどんどん使っていけ!

どうしても難しいって方は同人誌の表紙デザインも請け負ってくれるデザイナーさんにお願いすればいいと思います。
表紙デザインに関してはいろんな方がtipsを紹介していますので詳しい作り方はここではカットします。
やったことありませんが推し絵師がいるなら表紙絵をお願いしてみるのも手。自分(絵を描く人)なら「○○の本(キャラでも推しカプでも)作るので表紙書いてくれませんか?」と依頼されたら死ぬほど喜びます。ただ見ず知らずの方よりは「ある程度交流のある人」を選んだ方が自分は無難だと思います。そこら辺は専門外ですのでよく調べてから依頼してください。

そんなこんなで完成した本の仕様はこちら!

サイズ A6
ページ 余裕で自立するページ数
製本 くるみ製本
本文 小説紙
※作った当初はニューシフォンクリームを使用していたそうですが、製紙メーカーが生産を終了するそうで、在庫がなくなり次第アルトクリームマックスを使用するそうです。
表紙 マットPP表紙(すべすべしています)
遊び紙 なし
カバー マットPP表紙

完成!!!!!!!


届いた時の達成感はすごいです。我が子のように愛おしい。
そしてシメケンプリントさんのいいところは
「在庫を抱えずに&面倒なことを考えないで委託通販ができること!」
正直これを声を大にしたいです。
売れても自分にリターン(お金は支払われない)はないですが、在庫管理や個人情報の管理、梱包などを気にせずできます。
自分用に作っても、それ欲しいです!と誰かに言われた時にもすぐに通販できます。

一応断っておきますが、自分はシメケンプリントの回し者ではありませんし関係者でもありません。ただ、本当に便利なことだらけなので初めての同人誌におすすめの印刷所さんだと個人的には思います。

少しでもどこかで初めて本を作りたいなと思っている人のヒントになれば嬉しいです。