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今滅びたならば #エッセイ

今滅びたならば、私には何が残ってくれるだろう。短い髪の毛に散らばった紙屑。記憶の爪痕は風の前にすぐかき消されてしまう。

どこまで行けばよかったのか。
どこで止まればよかったのか。
そんな自問自答のつまらなさを自分で笑って、誤魔化したまま死んでいくのだろうか。

過去がよかったとも言えないけれど、今が悪いとも言わないけれど、何もしなかったら延長線にしか未来はないわけで、それを私はひどく嫌うのだ。既定路線しかない毎日を、延々とシーシュポスのごと繰り返していく暇はない。そんなことをうそぶいていて、それでも現実はトロッコの上で。

どこまでも行けばよいのか。
行けば救いが見えるのか、分かるのか。

すり減っていく人生の時間を、何に注ぎ込めば私は満足できるのだろう。きっと知っているはずなのに、私はそれを選び切ることをまだ選べない。明日死んでしまったら元も子もないのに、幸せな未来を延長線上に想像してしまう。

明日世界が滅びると知ったら、私は私の今の生き方を選べないのではないか。
そんなことを考えながら、狭い世界の中を巡る巡る日々は終わらない。

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