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就職活動なんて #エッセイ

就職活動なんてしなければよかった。そんな言葉が浮かんでは消え、そしてまた浮かび上がり、働きながらずっと消えることはない。
エントリーシートはとても苦痛だった。やりたくないことをやりたいと書き、お金のためだと書きたいのにやりがいがあると装飾する。文章のツボは心得ていたので9割方通ったが、面接ではかなり苦戦した。

私は組織で働くことを諦めるべきだったのだろうか?
言葉だけをなりわいにしていたら何か変わっただろうか?
言葉をなりわいにする組織を探すべきだったか?
転職活動と言われても、転職してまでやりたいことはないのだ。

お局様に不条理なことばかり言われると、この世界を選んだ自分まで汚く見えて。
単に逃げたいだけなのだろうか。
それでも逃げる勇気も根性もなく、日々沈んでいくだけなのだ。

就職活動なんてしなければよかった。
そう言い切る自信はないけれど、就職活動しなくても生計を立てることができる土壌を、大学時代に作っておけばよかったと思う。
住む場所も働く時間も仲間も選べて、毎日歯ごたえがある生活ができたらどんなに豊かだろうか。
それがとても苦しい。

あと何十年自分をごまかして、生きていくのかな。
そんな自己憐憫には浸りたくないけれど、それが耽美なものに見えてしまうのも確かなことで。

就職活動なんかしなければよかった。
しなくても生きられる自分がよかった。
無い物ねだりに傾く自分が嫌だけれど、これ以上腐らない自分でいたい。

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