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聴覚過敏からHSP #エッセイ

聴覚過敏持ちである。
通常はそこまで気にしないようにしているがテレビは基本つけず、テーブルの上のリモコンは太めの紐を巻いて、置いたときにカチャッとプラスチックの音が立たないようにしている。調子がひどいときには自分の足音だけで気持ち悪くなるし、新聞をめくる音、ビニール袋のガサガサという音だけでも叫びたくなる。耳鼻科で検査したら「あなたこんな小さな音まで聞こえるの?!」と驚かれた程度である。

その辛さについて知人に漏らしたら、意外な一言が返ってきた。
「工藤さん、それ、HSPじゃない?」
ほう?と聞き返す私。何でも生物的にかなり刺激に敏感な人間のことで、最近NHKでも取り上げられたそうだ。
「私も子供もそれなんだよ」
ふーん?と返しながら取り敢えずぐぐる。チェックリストをやってみると感覚過敏や想像力については殆ど当てはまるが「人見知り」「新しい環境は苦手」というのはあまり当てはまらない。
「まあ、人によって何か当てはまるかは違うから」
という言葉に流れ、とりとめもないことを話した帰り道、ふと思い至った。

この環境、ざわざわしていたり急に音がなったり、不機嫌な人に絡まれたり、これに耐えられない私はだめなのでは?どうやってみんな耐えているのだろう?
そう考えていたが、ひょっとしたら私の周りは、私が感じる程度には音や光の刺激を受け取っていなくて、それゆえに何も動じないでいられるのでは?
私が勝手にこのようにダメージを受けていて、そんな自分を引き受けているだけでは?

そう思い至って少し楽になった。

私がHSPと誰かが断言してくれるわけではないし、正確な検査を受けたわけでもない。けれど、自分にそんな傾向があるということを認識するだけでこの世界が生きやすくなるのなら、そのラベルはつけておいてもいいのではないか。

自分はHSPかもしれないし、そうでないかもしれない。いずれにせよ、自分が勝手に傷ついているだけかもしれないこと。その可能性を考えるだけで、少しだけ強くなれるような気がした。

ちなみにこれが私の聴力検査の結果。よく分からないけれど取り敢えず敏感なことは分からなくもない。

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