見出し画像

連想ゲーム。ラーメンといえば

なぜかのってるシナチク、なると。色々な作家さんのラーメンにまつわるエッセイをまとめた本を読んでいて、もし私がラーメンを語るならば、と考えた。
正直、年に二、三回ぐらいしかラーメン食べないし、それも阿夫利みたいなあっさりしたやつ、とか、大学時代に体育会の男の子と付き合っていた女の子はいきなりみんなラーメン好きになっていたよな、とか今の私に思い入れは少ないことに気づく。
しかし、子供時代の私は違う。ラーメンなしには、生きていけないぐらい体の三分の一はラーメンでできていた。土曜日の午後、家に帰るとお昼ごはんの二回にいちどは、寿がきやのラーメン。まれにサッポロ一番。吉本新喜劇を見ながら食べるのが、いつものことだった。中部エリアのソウルフード、とんこつ!な寿がきや。土曜日の昼のみならず、近くのスーパーのフードコートでも食べていたから、どんだけ好きなんだ。甘味も一緒に売っているのも魅力のひとつで、ソフトクリームの下にヨーグルトとメロンゼリーが入ったものが好きだった。
しかし、高校ぐらいから突然、寿がきやとの蜜月は終わる。とんこつなんて太るし、300円とか安すぎない?ソフトクリーム?子供っぽいし、そんなの食べているのを見られたくない。そんな思いから、私はレンゲをそっと置き、寿がきやに背を向けたのだった。
再び寿がきやを食べ始めたのは、東京で暮らして10年以上たった頃。帰省のついでにカップに入った味噌煮込みうどんを渡されたことがきっかけだった。ラーメンじゃないのか、これはこれでうれしいけど、みたいな思いから、愛は復活した。頻繁に食べるわけではないけれど、でも私の舌は白いとんこつスープが作っている。幾度となく食べても、やがて記憶も薄れて私自身が消えても、あの休みの始まりの午後、にぎやかなテレビの音と甘く濃くしょっぱいラーメンのおいしさは、たぶんずっと残る。 #ラーメン #吉本新喜劇

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?