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#AMV配備先予想大会 [月末雑語り]

調達予定数810両という大きな数字(参考値)が発表された次期装輪装甲車であるパトリアAMV。今までの陸上自衛隊では考えらえないほどの数ですが、一体どこに配備されていくのでしょうか。

次期装輪装甲車に決定したAMV(防衛省資料より)

AMVの配備先は調達予定数・配備先がはっきりしていない共通戦術装輪車の影響を大きく受けます。また、そもそも現時点で陸自のどの部隊に何両の装甲車が配備されているのか、はっきりしたことは分かりません。よって、正確な予想は不可能だということを予めご了承ください。


装輪装甲車の「派生型」とは

例の参考数値が示された資料には「派生型を含む」との記述があります。派生型は次期装輪装甲車対爆技術の研究の資料を基にすると
・人員輸送型
・指揮通信型
・施設支援型
・兵站支援型
・患者輸送型
の5種類あると見られます。また、一部では小松製作所の防衛産業撤退によって中断している対NBC戦用の装甲車の更新をAMV派生型で実施するとの話もあります。なお、令和5年度予算で26両、令和6年度概算要求で28両示されたのは「人員輸送型」です。
810両という数字は人員輸送型以外の派生型を含めた数なので、「810両ということは○個連隊分の装甲化だ」とは行かないでしょう。

とりあえず色々考えてみる

82式の代わり
まずは810両の中から指揮通信型を除いてみようと思います。正確な調達数は改めて調べていませんし、用廃の分等色々ありますが、とりあえずWikipediaの情報を参考にしていきます。wikiによると調達数は231両となっています。
ただ、戦車部隊の本部管理中隊にアンテナが増設された96式装輪装甲車が配備されている場合があったり、その他普通科部隊や特科部隊にも指揮用途に用いられているといわれている車両が配備されています。もちろん部隊の人員輸送など多用途に用いられている場合もあると思いますが、とりえず「現行の96式は指揮通信用途にも一部用いられている」という前提で進みます。

というわけで、指揮通信型は82式よりも多い、250両としときましょう。

新参者の患者輸送車
過去には96式や73式を改造して患者輸送型にした物があると確認されています。一方で恒常的な専用車両は陸上自衛隊として初めてとなると思います。配備数、配備先ともに予想できません。
①戦車部隊、即応機動連隊の衛生部隊に配備
②後方支援連隊の衛生隊に配備
③1,2の両方
色々考えられます。
ざっと第7師団以外の戦車部隊と即応機動連隊、中央即応連隊に各4両ずつなら44両。1個師団・旅団あたり4両なら60両。
この辺はいくら考えても分からないので60両として先に進みます。

残り500両
96式装輪装甲車の配備数は381両なのでまだまだ多いですね。
派生型としては施設支援型と兵站支援型が残っていますが、個人的にはこの2種類は患者輸送型と違い、全くの初配備とは見なせないような気がしています。現行の96式装輪装甲車の中にも施設支援型と兵站支援型の役割をはたしている車両があると思います。

施設支援型
今でも96式装輪装甲車のうち、70式を乗せるための台が取り付けられた車両が数台本部管理中隊に配備されていたりします。施設支援型は、そういった車両の役割を引き継ぐのではないかと考えられます。
装輪装甲車(改)にも施設支援型がありましたが、これは地雷敷設機のけん引機能を付けて70式障害処理装置の発射台を乗せた程度でした。おそらく今回も同じでしょう。今

装輪装甲車(改)での施設支援型

兵站支援型
現在、後方支援連隊第2整備大隊の戦車や即応機動連隊の直接支援隊には数台の96式装輪装甲車が配備されています。おそらく、それらの96式が担っている役割を代替するのが兵站支援型なのだと思います。
Rosomak WRT のような物資輸送に特化したタイプか現在の96式のようにベンチシートにして多目的に使えるタイプなのかはわかりません。

結局…

結局のところ現段階では各人がそれぞれ予想するしかないのですが、個人的には普通科中隊の小銃小隊の輸送に振り分けられる車両は多くても150~200両ぐらいかなと思っています。
小銃小隊輸送用に1個中隊に配備されるAMVが12台とすると12~16個中隊がパトリアAMVで構成されることになります。

仮に即応機動連隊の全普通科中隊が共通戦術装輪車のICV型で構成されるのならば、AMVの人員輸送型の多くは全国の普通科連隊に回されることになります。一方で、ICV化中隊が各即応機動連隊に1つずつであれば、13個中隊は即応機動連隊内に収まることになります。

装甲車を全国の部隊に満遍なく配備するか、或いは装甲化率の高い部隊を編成し集中配備させるかによって配備先も大きく変わることでしょう。

予想って楽しいよね(?)

最初にも書きましたが、現時点では「何もわかりません」と言うことが「正解」ではあります。とはいえ、何もわからない今だからこそ「予想」という遊びができるのもまた事実です。
是非皆さんも、”派生型”を考慮した配備先予想をやってみてくださいまし。






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