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人はPDCAでは成長しない

ゲームのキャラクターは能力を数値等で表すことができますが、人間の能力というのは数値で表すことは難しいです。今回は人が能力を高める仕組みについて話します。

1.能力とはなにか

ゲームやスポーツ・勉強等は様々な動きが複合したものです。例えばLOLのチャンピオンを操作するにしても腕や指、眼球等を自由に動かすことができることが必要となります。そして細かい動きの一つ一つを高いレベルにまで昇華させ、他の動きと複合させた結果、高度な連動ができるようになります。その高度な連動を増やすことこそが物事の上達と言えます。これは筋肉的なものだけではなく、計算等の思考についても同じことが言えます。足し算を習熟することで掛け算ができるようになるのが、その理屈です。
一つ一つの細かい動きは理解や練習を重ねることで、脳の中にその動きをするための細胞が生まれ、それをシナプスや神経で繋いでいくことで発達します。
能力とは大量の細かい動きができる細胞とそれを繋いだ神経等を持っていることとそれを実行できる肉体の強靭さことです。数値などでは決して表せません。

2.PDCAとは何か

PDCA自体は非常に有名な言葉です。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(反省)を繰り返すことでより洗練された動きができるようになろうという考え方です。
詳しく知りたい方は「PDCA」で検索すると方法はたくさんでます。
PDCAの目的は「動きを洗練化すること」です。効率の良い方法を考え、効率よく問題を解決するための手段です。例えば、100kgの石を1km運ぶために最も効率の良い方法を、いろいろ試したり思考したりして最善の策を見つけるときに使います。

3.なぜPDCAでは人は育たないのか

第1項で伝えた通り、人間の能力の向上には、細胞の形成、その連動と熟達が重要となります。ゲームやスポーツ等の複雑な動きを熟達をするためには、非常に大きな労力が必要となります。PDCAで考えるだけでは、わかることはできても、できることはできません。知っていだけの「知識」の段階から、できることである「知恵」の段階まで昇華させることができなければ、能力は向上したとは言えません。知恵化するためには実際に体を動かし試行したり、脳内で考える思考をしたりする必要があります。

4.どうすれば育つのか

知恵化には莫大なエネルギーを必要とします。その莫大なエネルギーこそ「動機付け」です。動機付けとは人間の持つ「〇〇をしたい」という欲求に従って発生します。「〇〇をしたい」という欲求は、「空腹だからご飯が食べたい」「誰かにイラ立ちをぶつけたい」というような生理的な物であったり、「誰かよりも優れていることを認められたい」「誰かと仲良くしたい」と言った社会的な要因であったりします。
そうした動機付けをより強固なものにするためには、自律性・関係性・有能感が求められます。「自分で選んだものだからしたい」「誰かと一緒だからしたい」「自分が認められるからしたい」といった欲求が人のやる気である動機付けをより強くします。
生きるためにたくさん走らなければいけない国の人がマラソン選手に活躍することはありますが、ランニングを強制的にさせられている人が大会にも出ず、誰かと走ることもせずにはマラソン選手として活躍することはありせません。

5.まとめ

人の能力を向上させるためには、問題解決策の知識を得るだけではなく、知恵化するために試行・思考をしなければなりません。そのためには学習者に動機付けを行う必要があり、それこそがコーチング等の教える立場の人間が行うべきことであることは明白です。PDCAは思考の整理をするときや比較して成長を実感し有能感を得るときには使えますが、PDCAが人を成長させるのではなくPDCAは人を成長させるための手段でしかないことを知りましょう。
人に物事を教えるには、それが得意なだけではいけません。人に教える方法を学びましょう。




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