9/10 通勤中の夢と、通勤中の夢の夢

バイト先へは電車で終点まで乗って行くので、いつものように朝に電車の中で寝ていると、夢を見た。「ゴルビー」という2人組のお笑い芸人が、ネタをやりながらスーパーの中を歩き回り、最終的に持っていた商品をレジを通さず出て行きそのまま万引きするという夢だった。目が覚め、微睡みつつも、いかにも夢らしいその不条理さがおかしかったので、これは夢日記につけようと文面を考える。スマホで「ゴルビー」と検索すると確かに夢で見た二人組のお笑い芸人がヒットして、そういえばやっていたネタも1、2回くらい何かの折に観ていたことも思い出す。1、2回観ただけのネタを随分よく覚えていたなと自分に感心しつつ、微睡んだまま、忘れないうちに夢を言語化しておこうと文章を練るが、そうこうしてるうちに電車が終点に着いた。
仕方なく起きて電車を降り、駅の階段を上っているうちに意識がハッキリしていき……そこではたと気づく。はて、今のはどこまでが夢だ?
「ゴルビー」なんてお笑い芸人、聞いたことが無い……誰だそれは? 後ほど完全に目覚めてからスマホで検索してみると、果たしてそんな芸人はどこにもいなかった。ゴルバチョフの愛称とワタナベエンターテインメントの芸人一覧のページが出てくるだけ(ゴルゴ松本だと思われたと思われる)。
覚醒していく意識の中で、「夢日記をつけると頭がおかしくなる」と巷間よく言われるわけがわかった……「夢日記をつける夢」を見だすと、いよいよ現実と夢の区別がつかなくなる。ちょっと今後を検討したくなる経験だった。少なくとも、通勤中の夢は起きたときの喧騒に溶かして忘れておくのが賢明かもしれない。

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