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格闘キャスト&天心ボクシング第2戦を視聴した雑な感想


 那須川天心のボクシング第2戦。
 格闘キャストでの那須川会長と細川バレンタインさんの対談がまあまあボリュームある前菜になり、デザートは中指でしたね。

 この辺を全てひっくるめて雑な感想を。

 独断と偏見と暴言と戯言と妄想です。

 天心が今回、ボクシングのくらいまでを体現したとしたら、僕はボクシングに関しては「にわか」のの書き出しくらいの位置にいる人間なので、試合分析とかそういったことでは一切ないです。
 悪しからず。



那須川会長、燃ゆ



 とあるアカウントが要約tweetをしたことで那須川会長に対してお怒りになっている方を沢山見かけたんですけれど、まずは動画を視聴した方がいいと思います。
 要約tweetは動画内の1割くらいの所謂反響が多そうなところを切り取りしているだけであって、動画全体の内容では全くないです。
 
 那須川会長のことが嫌いだっていう人が一定数いるのはわかります。
 てか、めちゃくちゃよくわかる(笑)

 なのでそもそも嫌いだから動画を見たくないっていう人のことも理解できるし、時間の無駄だって思う人も理解できるし、嫌いな人が腹の立つことをどうやら言っていたらしいと切り取りで憤ることだってまあまあ理解できるんですけど、見ないで意見をするのはあまりフェアではないと思います。
 実際に何を語ったかは動画を見ないことにはわからないんだから。
 言うなら見る、見ないなら言わないっていうスタンスの方が健康的なんじゃないですかね。
 

 ただでさえ今の世の中って切り取りだらけじゃないですか。SNSに限らず。
 その切り取られた瞬間だけを見て、憤って発言している人があまりにも多過ぎる。
 前後関係全く分かっていない動画で、誰がいいとか悪いとかなんてわからないでしょ。同じシーンでも切り取り方によっては加害者と被害者が入れ分かることなんていくらでもあるし。

 Twitterが収益化したことでこういうインプレッション数を稼ぐための切り取りtweetって今まで以上にどんどん増えていくと思う。
 その中には本当に危険な情報もあって、それに比べれば天心武尊のことなんてあまりに些末なことだけれど、情報の精査をある程度出来るスキルはこれまで以上に必要になってくると思います。

 
 動画自体は僕はそれなりに楽しく視聴出来たんですけど(全部視聴した上でやっぱり腹が立つという方には大いに同情します。見ない時点で怒っている方々が、動画を見たからといって怒りが収まるとは思えないですしね)
 真新しい情報ってそれほどなかったですよね。
 元々知ってるとかやっぱりねとかが殆どで、中には初めて聞く情報も(僕は)あったけれどそれはK-1ファンや武尊ファンが怒るお話ではなかったと思います。
 
 内容的には細川バレンタインさんの動画の方が僕には新鮮な話が多かったですね。

 

 僕が思ったのは、那須川会長はあくまで対談という枠組みの中で自身が与えらた責務を全うしただけだし、最も反響があったK-1やTHEMATCHに関しての話は動画全体のとても少ない割合なんだけど、こういう話をすると、場合によっては逆サイド(K-1や武尊側)からの反論が出たり、暴露合戦になる可能性だってなくはない。
 そうするとファンをも巻き込んで不毛な争いに発展してしまう。世の中、自身にとって都合の良い情報だけ切り取って、都合良く解釈する人達だらけですからね。

 天心・RISE応援側だった方達は僕も含めて今年の6月にはTHEMATCH人形を床の間に飾った人が多かったと思います。
 Fellin 'comes felling 'comes felling 'comes to me~て歌いながらぼんぼりに明かりをつけて。
 
 僕は来年はさすがにもう飾らないと思うけれど(わかりませんが)、中には何年も飾り続ける人達もいるでしょう。

 でも仮に僕が武尊・K-1応援側だったら、THEMATCH人形は押入れに半永久的に封印するか、なんなら当日に燃やしたかもしれない。

 あれだけの戦争だったんだから、まだ傷が癒えていない人たちも当然いるわけで、裏話とかはせめてもう少し時の洗礼を経てからの方がいいんじゃないかなと個人的には思いました。

 勿論、那須川会長はサービス精神で語っただけだとは思うけれど、燃えやすい話題であることは当事者ましてや戦勝国の立場ならば意識しておいた方がいいかもしれないです。なんか偉そうな言い方で恐縮ですけど。

 THEMATCH直後には、武尊ファンやK-1ファンの過激派、武尊側の関係者等が(加えて無関係な人達も)、天心や天心サイドを貶めるためにジャングルにこもりゲリラ活動を続けていたのは確かだけど、鎮静化しているときに活動を再開させる口実を与えるのはちょっとね。
 

 それと大事なのは、本人が語ったからと言ってそれが全て真実とは限らないってことですかね。
 数多のUWF本を読んでもどれが真実かわからないように(ほぼ全員の証言を組み合わせても辻褄が合わないところがある)

 多くの人は自分に都合のいいように語るし、都合の悪いことは語らないですしね(単純に記憶違いのときもあると思いますが)

 そして、誰かを守るために真実にぼかしを入れて語る場合もあります。

 これは妄想ですけれど、天心がK-1の会場に乗り込んで武尊とグローブタッチした後に武尊はファンだと思ったって語り、それはTHEMATCHの煽りVでも同様に語っていたんですけれど(天心だと認識していなかった的な)
僕はこれ本当かな?っていまだに思ってて。

 武尊が天心との対戦から逃げるような人間ではないのは、武尊に近しい人間が何人も証言しているし、例え武尊と面識がなかったとしても、これまでの彼の行動を鑑みればそれは分かる。

 あのグローブタッチの仕方は1ファンにしたとは思えないんですよね。
 ただ、後に「実はあのときもやる気満々でした」って言っちゃうと、そのときのファンだと思った発言も、K-1側に(例えばSさんとか)言わされたのが丸わかりで(当時も言わされたと思ってたけれど)、そうするとK-1側に批判がいくから、THEMATCH前夜でもそういう発言になったのかなとか。
 まあ完全な妄想ですけれどね。

武尊天心→天心武尊



 今となっては、武尊天心騒動をリアルタイムで初期から知っているファンなんてごくごく少数でしょうね。
 知らない世代の人達の方がよっぽど過激派になっているような気がします。
 戦争を知らない世代の方が、右に左にとより過激な思想になるように。

 那須川天心と武尊の物語を複雑化させた理由の一つには、天心は小さな国ではあるもののその国の王子だったけど、武尊は王族ではなかったというのもあると思います。あくまで理由の一つですが。

 天心は、団体代表のジム所属兼父親のジム所属で、天心の意思・行動はRISEの意思・行動であり、ジムの意思・行動でもありました。

 武尊の立場は将軍です。
 武尊の意思で国が動くわけではない。
 かつてこの大陸を統一したものの滅びてしまった王族の末裔をどこかから引っ張り出してきて、再び大陸を統一しようとしていた決して小さな国ではありません。
 その国の中で最も民衆から指示されていた将軍が武尊だったわけです。

 公平なルールだったのか?と問われれば、否と答えます。
 ですが、仕方がないと言わざるを得ません。
 そもそも、ルール・階級が違う同士の対戦で公平なルールなど存在しません。
 桜庭和志vsホイス・グレイシーヒクソン・グレイシーvs船木誠勝だって公平なルールではなかったです。

天心が武尊との対戦を熱望しているのに対し、武尊は別に天心にこだわってまで戦いたいとは思っていない。それなら戦いたいと希望している側が譲歩するしかない

武尊天心についての佐藤嘉洋氏の見解

 上記は2015年当時、武尊天心についての佐藤嘉洋氏の見解の一部を抜粋したものです。 
 全く持ってその通りだと思います。

 仮に2015年か2016年の大晦日にRIZINで武尊天心が実現していたら、

  ルール:K-1ルール
  グローブ:8オンス※RIZINは元々8オンス
  契約体重:57kg~58kg

 とかになっていたんじゃないですかね。そして天心サイドは(勿論少しは抵抗したかもしれないでしょうが)この条件を呑んだと思います。何ならファイトマネーにも結構な差が出ていた可能性もありますね(ちなみにヒクソン船木はヒクソンが2億5000万円、船木が1000万円だったと言われています)

 まあ絶対実現はしていないと思いますが(笑)

 僕は以前、別の記事の中で当時の武尊天心についてのK-1の対応についてこう書きました。

 僕は天心ファンの末席の末席に名を連ねている者ですけど、仮に僕がK-1の運営の立場だったら、やっぱり武尊とはやらせてないですよ(当時は)
 勿論、観たかったけど。
 負けるのが怖いとかそういう問題じゃないです。
 色々苦労して旗揚げして、華があって、強くて、試合が面白い、団体の顔になるスターが漸く生まれた。
 団体が作った訳じゃないです。カオスの中から自ら這い上がってきた。
 そんな宝物を天心みたいな無頼漢と試合させませんよ(笑)

 当時、天心勝利予想が多かったと思います。THEMATCH時と分母が遥かに違いますけど。
 勝利予想が逆だったとしてもやらせません。
 あまりにもリターンが無さすぎますもん。

 僕はK-1の方針で賛同できないことはそれなりにあるけれど(どの団体でもありますけどね)
 この初期の天心への対応は理解できます。

 しかし時は流れて、那須川天心と武尊は立場が入れ替わってしまいました。
 その上天心はボクシング転向が決まっています。
 そこには様々な大人が関わっているでしょうし、決して少なくないお金も動いてると想像します。

 勿論、天心が武尊に勝つということは、2015年当時に武尊が天心に勝つことよりは遥かにリターンがあるでしょう。
 ですが、リスクがあまりにも大き過ぎます。
 僕が仮に帝拳の立場になってみれば絶対やらせたくないです。ましてやボクシングという最も階級にシビアな競技の立場から考えたら、2階級上の選手となんて考えられない(天心のボクシングデビュー戦はスーパーバンタム級、武尊の復帰戦は61kgなのでほぼライト級。3階級違うことになる。この数字に限定するとだけど)


 以前、佐藤嘉洋氏が仰ったように戦いたい側が譲歩するしかないのです。

 結局、下記のようになりました。

  ルール:RISEルール
  グローブ:6オンス
  契約体重:58kg ※当日計量(試合の3時間前)4kg戻しまで。

 ただK-1サイドも全て言いなりになったわけではありません。
 グローブは6オンスですがK-1で採用されているウイニング製(RISEはウィンディ製。志朗がウイニングはウィンディに比べて大きいと何かのインタビューで答えてた記憶があるけどちょっと見当たらない)

 そしてもう一つは判定基準です。
 僕の個人的な感想は、5人ジャッジがいれば30-27が3人or4人、30-26が1人or2人くらいのイメージだったんですが、30-27をつけたジャッジが1人だけ。29-28というちょっと信じられないジャンクションもといジャッジもいました(その方は約1年3カ月後に当時のジャッジを恨んだ暴漢にリング上で襲われました)

 契約体重に関してはリカバリー制限までつけた天心サイドが、よくこの判定基準を呑んだなと。
 武尊のセコンド陣が試合中に言っていた「ジャブはいい」は、ジャブが判定基準に入らないことを受けてのことだったのかもしれませんしね。

 唯一、判定基準だけは(これはかなり重要な要素だと思うのですが)武尊よりの条件だったと言えるんじゃないかなと思います。

 僕は前述の通り、K-1側の那須川天心への初期の対応は理解できます。
 訴訟ですらある程度理解できます(魔裟斗発言カットや、高田謝罪、ABEMAコメント欄天心NGワード等、言論の自由がない独裁国家のようで怖かったけれど)

 武尊の名前を出したら訴えますよ的な警告は既にしていたはずです。それを大晦日のあの場面で観客に言わせて、僕は名前出してないですよじゃねえよって(笑)
 一休さんじゃないんだからさ。
 そりゃあブチ切れますよね。

 ただそれ以降は微妙です。

 武尊は中立の舞台だったら、天心と試合をしてもいいと何年か前にはK-1側から許可をもらっていたとTHEMATCH前に語っていましたよね。
 これは憶測ですが、おそらく天心とメイウェザー戦が決まった辺りじゃないかなと。
 それを受けての、武尊の試合後マイクがあったんじゃないですかね。
 「僕は実現させようと思ってるんで」

 武尊は一貫して中立を連呼していましたが、それはK-1側からの条件だったから言ってたんじゃないですかね。
 仮にK-1側からK-1を背負ってRIZINで戦ってこいと言われたら、喜んでRIZINに参戦していたでしょう。
 現にロッタンと戦うために結局はONEと契約したわけだし。

 元々中立なリングでの戦いを拒否したのはK-1です。それが天心と武尊の立場が入れ替わった後に、中立なリングでの戦いを条件に許可を出したのは、ビジネスになるからですよね。儲かるからです。

 そもそも中立なリングなんてまずないじゃないですか。
 唯一、2015年のRIZINだったら中立です。2016年のRIZINだと厳密にはもう中立じゃない。K-1よりです。既に武尊はRIZINのリングに上がっているわけだし、K-1とRIZINはビジネスを始めていたわけだから。

 中立な舞台っていうのはあくまで建前であって、単純に興行そのものに関与したいというのが本音でしょう。ようは興行の利益を享受したい。
 
 そして、実際にPPVやゲート収入、その他の利益に関しても、THEMATCHでどこにどれだけのお金が流れて(RIZIN、K-1、RISE以外にも)、どこがどれだけ儲かったかは全く分からないですけれど(永久にわからないでしょう)、そういったこと全てひっくるめた上で、僕はあくまで那須川天心を守ろうとしたRISE・天心サイドと、武尊よりは会社の利益を優先したK-1サイドという図式に見えてしまうんですよね。
 勿論会社とはそういうものであって、このことでK-1側が悪いとか言っているわけでは決してないです。

 元々武尊はほぼほぼ条件を呑む覚悟は出来ていたのではないかと思っています。
 契約体重に関してもいつでも戦えるようにかなり前から節制はしていました。
 ですが、リカバリー制限は経験が無かったのでかなりストレスがあったでしょう(ONE参戦時も、フライ級だとしたら相当ストレスがありそうですけれど)

 そういったことを加味すると、天心武尊が実現するまでに僕らには決してわからない想像を絶する様々なことがあったにせよ、武尊に対してはもう少しリスペクトを込めた話し方でも良かったのかなとは思いましたね。
 まあシンさんとの関係性含め、あの場がリラックス出来過ぎたのも要因かもしれないですけど。

 

RIZINと那須川天心


 天心はプロになってから肘有ルールを旧KNOCKOUTで4試合、MMA&MIXルールをRIZINで5試合しました。
 その当時、天心が肘有ルールをやめたのはスアキムに苦戦したからだ!とか、藤田大和に苦戦したからMMAから逃げた!とか言っている人達がSNS上ではチラホラいました。それも冗談ではなく真剣に。
 僕はなんだかなあって思っていました。

 こういうときの大半の理由は契約です。
 スアキム戦が天心の旧KNOCKOUT最終試合っていうのは、知人から事前に聞いていましたが、例え聞いていなかったとしても何となくそうだろうなって思ってただろうし、RIZINのMMA5試合契約っていうのは今回の細川バレンタインさんの動画で初めて知りましたが、その可能性は大いにあると思っていました。

ちなみに僕が天心が一番負けるかもと思った試合は、メイウェザー戦を除けば、MMAルールの藤田大和戦でした。

 知人が割と名の知れているMMAファイターと付き合いがあって、その選手が、デビュー前の藤田大和と練習したことがあり、かなり強いと。今回は天心負けますよっていう話を試合前に聞かされていたので、震えながら観ていたのを覚えています。

 ですので僕は那須川天心のベストバウト5選には藤田大和戦が入ります。

 上記は以前別の記事で書いたことなんですけれど、RIZINってやっぱり恐ろしいですね(笑)

 MMA契約最終試合に藤田大和をぶつけると。
 天心が勝ったら天心の価値は更に上がるし、仮に天心が負けたら、RIZINの思惑通りにMMAをやらせることが出来ていたかもしれない(天心サイドも負けたままですんなりRIZINでキックの試合は出来なかった可能性はあります)
 
 ただ、那須川会長の言い分を額面通りに受け取れば契約を消化したのに、それでもMMAをやらせようとしてたってのは如何にも榊原社長ぽいし、そりゃあRIZINとしてもあの試合の後だったらますますMMAをやらせたいですよね。

 結果論ですが、新生K-1は那須川天心への対応に失敗しました。
 デビュー前のスカウトにも失敗して、その後の取り込みにも失敗しました。

 でも、これは新生K-1だけの話じゃないですよね。ONEだってそうです。
 長期間の独占契約を強いたのはONEも一緒です。
 あのとき、天心に緩い契約をして取り込むとか、RIZINと天心サイドの関係が冷え込んでいる時期にRIZINとも友好関係を結んで、天心を借りる見返りに選手を貸出したりしていれば、今頃日本でも定期開催出来ていたかもしれない(来年予定されている、武尊がメインの興行が成功して、次に繋がればいいですけど)
 それはとても難しいことでしょうけれど、仮にチャトリの中身が榊原社長だったら、もっと何かしら上手くやった気はします。


 RIZINが存在していなければ、那須川天心との契約が更新されていたと思うので、KNOCKOUTは今でも小野寺体制のままだった可能性はありますね。少なくとも、もう少し延命していたと思います。

 まあそれを言ったら、新生K-1こそRIZINが存在していなければもっと大きくなっていて、カルロス菊田さんがプロデューサーになっていたことは1000%無かったでしょうけども。
 君は1000%~


天心ボクシング2戦目

 ちょっと前の天心嫌いの人達は、

 那須川天心vs藤田大和(MMA0戦)
 那須川天心vs堀口恭司(キックボクシング0戦)

 とかよく弄ってらっしゃいました。

 藤田大和はデビュー戦にしては強過ぎるし、堀口恭司のキックボクシング普通にヤバかったでしょ。
 
 当時、そう弄ってた人たちのように表記するとこうなります。

 与那覇勇気vs那須川天心(ボクシング0戦)※アマ戦績無し
 ルイス・グスマンvs那須川天心(ボクシング1戦1勝)※アマ戦績無し

 那須川天心の試合は何年後かに再評価されることがちょくちょくあります。

 代表的なのは皇治戦で、当時は完封したものの倒せなかったことであまり評価はされていなかったのですが(勿論、評価していた人達も沢山いた)、その後、皇治の得意技でもあるバッティングを悉く未然に封じていたとして再評価されました。

 堀口恭司戦は別に再評価されたとかではないですが、当時は契約体重(58kg契約)が天心よりだと言われていました。
 ですが、今(2023年9月現在)堀口はMMAフライ級(57kg)がやっぱり適正だとなり、天心は余裕を持ってボクシングスーパーバンタム級(55.34kg)で試合をしていると。

 天心のボクシングの試合はこの先も、あらゆる方面から様々な評価を下されると思うんですけれど、何年後かに振り返ってみると面白いかもしれません。

 僕は天心は別に倒すボクサーにならなくていいと思うんですけれど、今回の試合は倒したかったでしょうね。テーマもそうだったと思うし。その為の相手だっただろうし(残念ながら相手は変ってしまいましたが)

 天心は4Rくらいに左拳を負傷してしまいましたが、拳の怪我がなくてもKO出来なかった可能性が高いと僕は思っています。わかんないですけどね。

 逆に今回の試合が6Rとかだったら、拳を怪我する前にKO出来たかもしれないですね。
 8Rは初ですから。
 ラッシュをかけて、ガソリンを一気に消費しても倒せなかったときの完走への不安は意識的にというよりは本能的にあったかもしれません。

 そういった意味では序盤でKOするより、未知の8Rを経験できたことは大きかったのかなと。
 どんなにスパーリングを重ねたとしても、実戦でのスタミナ消費はまた違うから。

 余談ですが、24日にクレベル・コイケと対戦する金原正徳は、一部には日本人フェザー級最強と言われるくらい40歳になる今でも鬼強いですが、スパーリングではあんなもんじゃないらしいです。あの試合ぶりでも、本番に弱い金原とか言われているらしいです。

 超楽しみなRIZIN44の話はさておき。


 天心が最後にKOした試合は今から約3年前の裕樹戦にまで遡ります。
 天心が尊敬しているMr.RISEの引退試合で、それはもうエモくて僕も号泣したんだけど、勝負論は無かった試合です。まあ天心のキック時代に勝負論のある試合っていくつあったかって話だけど。
 極端な話をすると、KOから遠ざかり過ぎて、KOの仕方を忘れてしまっているのかもしれません。

 倒せなかった理由はボクシングに詳しい著名な方達や、元プロの方達が既に色々と語っていて、僕は以前から好きな方2人のブログを読んだ以外、他のはまだチェック出来ていないんですが、多分全ての意見に納得しそうです。

 ちょっとでも攻撃をもらうことを嫌がり過ぎるとか、目が良過ぎて反応してしまうとか。
 僕も減量含め、キック時代から見てきたものとして思うところは少しだけあるんだけど、それは3戦目に取っておきます。

 まあでも面白かったですけどね。
 僕は元々天心のボクシング転向に関しては結構厳しいんじゃないかなと思っていたので(左脳では。右脳ではなんだかんだ世界王者になると思ってますが笑)、ハードルが低いということもあります。

 デビュー戦の与那覇戦のようなダウンは、キックではダウン扱いにならない可能性が高いダウンだったけれど、今回のダウンはキックでもダウンになる比較的マトモな部類のものだったし(何で最終Rのはダウン扱いじゃなかったんだろう)
 明らかにばててはいたけど8Rまで見れたし。
 前回はもう少し前にばてていた印象だったので、前回よりはスタミナもついていると思うし、まあまあ進化も見れましたしね。

 僕のTL上では、天心を叩いているtweetは一つも見なかったです(まあ僕が膨大なアカウントをミュート・ブロックしてるからかもしれないけど笑)

 課題を指摘してるボクシングファンの方達は沢山いらっしゃったけど、それは天心に限らず他のボクサーでも指摘されることだと思うし、ボクシングに限らず、キックでもMMAでも当たり前のことだし。その指摘している課題も至極真っ当なことだと僕には思えました。

 少なくとも悪意あるtweetは無かったですね(まあ僕が膨大なアカウントをミュート・ブロックしてるからかもしれないけど笑)
 
 試合後、村田諒太に割と厳しめに指摘されていましたね。
 僕は村田のことが苦手なんですが、このときは本当にその通りだなと思いました。そして愛があるなと。
 その他にも厳しい意見を言われている方がおそらくいるとは思いますが、まだ僕はチェックしていません。
 でも、まあ言われても仕方ないよなって思っています。

 拳四朗はメインをしっかりと務め、今回も素晴らしい試合だったんですが、やっぱりこの興行は那須川天心の興行ですもん。

 世界王者中谷潤人の試合が終わり、天心の入場になったときに会場の空気が一変したでしょ。
 僕はアマプラで観てたけど画面越しでもさすがに伝わりましたよ。
 僕が天心の試合で現地観戦したのはどれも有明アリーナよりは遥かに小さい箱だったけれど、空気が変わるのは一緒でした。
 なんかさ、別の粒子が会場に流れてくるような、空気が変わるってこういうことなんだよなっていう。

 試合前の公開スパーリングでハードルが上がって、入場の盛り上がりでピークに達して、あの1Rの電光石火のダウン。
 その後のしぼみ具合を考えると、まあ言われても仕方がないかなと。

 人気先行にしても、その人気があまりにも前を走っていますからね。これに追いつくのは並大抵じゃないので、暫く言われるでしょう。

 実際、ボクシングファンでも好意的、もしくは好意的に見させて欲しいと思っている人増えてると思うんです(元々好意的な人も結構いたとは思いますが)

 今までにそれなりにいい人と付き合ってきた。
 今度の人は、服装も気に入らない、乗ってる車もいまいちダサい、話題も幼稚と、付き合いたい要素は今のところ少ないけれど、でも何か持ってそう。あなたを好きになりたい!夢中にさせて!って思っている人結構いそうなんですよ。

 中には「手のひら返ししたいのにイマイチ壁を越えてくれない」的なtweetがあって、僕はこのtweetを凄く素敵だなと思いました。
 マトモなボクシングファンからしたら、天心に強くなってくれた方がいいに決まってますからね。それは早ければ早いほどいいし。

 僕くらいの痛い天心キッズになってくるとさ、ボクサー天心ではなく、格闘家那須川天心のボクシング編を見ているつもりだから、割と何でも美味しくいただけるけど、やっぱり天心には既存の天心ファン以外も巻き込んで欲しいからね。
 そういった意味では那須川天心vsボクシングっていうのは改めていいキャッチコピーだなと思います。

 那須川会長の声が響いていましたね。これがまた結構いいこと言ってるんだ。
 やっぱり天心にはこの父親が必要なんだと思いましたね。今でも。
 試合後に中指を立ててくれるのこの父親が。

 気になるのは、天心が海外で試合をした場合、入場曲は永ちゃんになるんですかね?
 僕は(これまた少数派だろうけれど)海外に限っては、洋楽にして欲しいです。
 会場が盛り上がる現地の人が誰でも知っているような、80年代、90年代くらいの曲で。


 1つ不満があるとすれば英語ですかね(笑)

 英語は下手とかじゃない、話すことが大事と仰っている方達をちらほら見かけたけど、天心は5年くらい前から英語勉強するって言ってた気がするんですよね。
 5年だよ(笑)
 そこは関係なくないから、気持ちとかじゃないからね。
 絶対勉強してなかったっしょ(笑)


(了)


 

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