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ドスケベ高校現代文のオヌヌメ官能小説(教育的)


読書の秋?
うるせえ!
うるせえ!
うるせえ!
うるせえ!
うるせえ!
うるせえ!
うるせえ!
うるせえ!









うるせえ!





前置き

前置きは飛ばすのを推奨します。
さっさと教育的ドスケベ小説の項を読んでください!!
飛ばしやすいように、目次をここに置いておきますね。

 はい。

 教科書でも模試でも参考書でも問題集でも入試でもなんでもいいんですが、「この小説スケベすぎだろ」って小説を教育過程の中で見かけたことがあるはずなんですよ、誰しもね。
(for example:『空中ブランコ乗りのキキ』)

 ところで、愚鈍な凡人たちは、己が周囲とは違うことをアピールするために、教科書のまわりくどわかりずらつまらない文章を娯楽作品的な観点で持ち上げることがありますね。
 例えば「『少年の日の思い出』の主人公とエーミールの関係性がレベル高すぎんだろ!爆w」とか「『山月記』の李徴に対する袁傪のクソデカ感情に草ァ!!」とか、あるいは「『舞姫』のメンヘラエリスたん萌え〜」とか。

はあ…😩



あさ



 「王道作品を他人と違う観点から見る自分って変人だよな」という、クサヤまぜキムチまぜ納豆かけシュールストレミングのじる炊き臭米くさまい級でクサい、変人アピールを、やめよう。

 凡人は凡人らしく、授業で取り扱わない範囲の教科書の小説とか任意の模試とかマイナー参考書とか無名問題集とか記念受験の入試とかで見た「これちょっとえっちじゃない?」って小説をプレゼンするしかない。それしかない。

いざ参ろう
(We are fighting dreamers)





教育的ドスケベ小説




①『果実』 (『寡黙な死骸 みだらな弔い』小川洋子)

 まあまずは、教科書に載っているため読んだことある人も多いであろう、かつ、ノンケも楽しめるNormal Love向けの小説から行きましょう。でも授業で扱うって学校は少ないんじゃないかな〜。

 物語は高校生の「僕」が放課後の図書館で、ほとんど話したこともない同級生の「彼女」に話しかけられるところから始まる。彼女が言うには、「今度の日曜日、一緒にフランス料理のレストランについてきてほしい」とのこと。
     … … … … …
 彼女の家庭は「母一人、子一人」。しかし「母が病気で入院しており、先が長くない」。「母の遺言として『何かあったらこの人・・・を頼るように』」。そうしてほとんど縁のないであろう父親・・と一緒に食事をすることとなった彼女。
……
 そんな彼女のことを、ほとんど知らない僕。僕と、彼女と、彼女の父親・・、三人の気まずい食事会が始まる…。

…というお話ですね。私がえっちに感じたところは、帰り道 廃れた建物の中で彼女が新鮮なキウイを泣きながら貪り喰うシーンです。キウイの不快な産毛や彼女のベタつく唇を想像すると劣情が狂うほど湧くんじゃ。必読!!!!

…私の性癖が幸の薄い人間ってだけ説もある。幸が薄そうなら少女でも青年でも老爺でも犬でもいい。




②『煙突』 (『夏の葬列』山川方夫)

 いやこんかスケベな小説を紹介しちゃっていいのかな?
 これは、確か高校2年生の頃に学校で配布された現代文問題集に載ってたやつですね。別に宿題にはならなかったのですが、暇つぶしに読んでみたらなんとま、これがえっちなんだ。続きが読みたすぎてAmazonで買っちゃったよ、が、その数ヶ月後、青空文庫でエキセントリック無料公開されてしまったのだった。こっから読んでみてね。

 模範の解釈は知りません。なぜならそんなものに意味はないから。……ただ私の解釈では、これは濃厚なホモ間違いない

 戦争が終わった直後の中学校。病弱で孤立する主人公。周囲には上級生しかおらず、唯一の同年代は別クラスの「山口」くんだけだった。

 ある日ションベンをしに行くと、そこにはたまたま山口がいた。唯一の同年代ということもあって友だちになりたいなと思った主人公は「ここの連中って陰気なやつばっかだよね。たまには議論でもして僕の饒舌を見せてやりたいよ。君もそう思うだろ?」と話しかける。(つまり主人公は「僕とおしゃべりしない?」と言いたかったわけ) ……それに対して山口は軽蔑した口調で「思わないね」とだけ返す。…なんだコイツ!と思った主人公は「山口とはもう口をきいてやらない」と誓うのであった。
おわり。

……

……かに思えた!

 実は主人公は一人で屋上で野球ごっこをして遊ぶのが好きだったのだが、ある日、主人公がいつものようにお弁当持って屋上に行くとそこには先客がいた…そう山口である。
 いや山口なんて無視だ!と主人公は一人野球ごっこを遂行することに決めた。……そして無事、早慶戦を慶應の勝ちで終わらせたのだった。……ふと、山口のほうを向いてみる。すると偶然目が合った。山口は無気力な微笑を浮かべていた……。
 そのとき主人公は確信した。「友人になれる」────

 なるほど、この時点で非常にスケベですね。
 しかしここからがドスケベなのです。

 もう著作権切れてるしまるまる載せちゃえ。
 以下、原文ママ。

──友人になれる。そんな無邪気な直観が、ぼくを陽気にした。ぼくはボールをポケットに押しこみ、拾った弁当箱を片手に、まっすぐに山口のほうに歩み寄ろうとした。
 そのとき、弱よわしく視線を落した山口の目が、ぼくの弁当にふれると、急にそれを滑りぬけて流れた。はっと、はじめてぼくはあることに気づいた。そうだ、彼はいつも昼食をたべてないのだ。──昼休みのはじまるころになると、彼はいつでもスーッと部屋を出て行ってしまう。なんの気なしにその姿勢を憶えていながら、その理由にいままで気づかなかったぼくは、なんてバカだ。……だが、はたしていま、彼に弁当を半分すすめたものだろうか?

〜〜〜〜〜〜〜(中略)〜〜〜〜〜〜〜

 気の弱いぼくのことだ、一度それをしたら、おそらく習慣にせざるをえなくなってしまうだろう。すると、帰途の汽車の中での、あの疼痛に似たせつない空腹感、やがて空ききってそれが痛みかどうかさえわからなくなり、ただ、どこにも力の入れようのない苛立たしさがからだ全体に漂いだし、遠くのものがかすみ、近いものが揺れて見えはじめる、あのその次の状態が、なまなましくぼくによみがえった。……だが、結局ぼくが弁当を分けることを中止しようと思ったのは、神経質で孤高で傲慢なほどプライドのつよい山口が、そのぼくの押売りじみた親切に、虚心にこたえてくれっこないという判断であり、おそれだった。ぼくは、自分の弱さをそのまま投げかえされ、嘲笑されるのは、もうたくさんだと考えたのだ。
 ぼくは思った。ぼくは、一人でほがらかに弁当を食おう。それはぼくの権利のフランクな主張であり、彼のプライドへのフランクな尊敬である。あたりまえのことをするのに、あたりまえの態度でしよう。人間どうしのつきあいでは、けっして触れてはいけない場所に触れるのは、いくらそれが好意・善意・親切からであっても、あきらかに非礼なのだ。……しかし、ぼくの足はもう、金網から手を放した彼のすぐ横にまで、自分を運んできてしまっていた。
「あすこ、日当りがいいな。……行こう」
 独り言のようにいうと、ぼくは晴れた冬の日がしずかにきらきらと溜っている、屋上の片隅にあるいた。返事はなかったが、山口はなにを考えてか、おとなしくぼくにつづいてきた。へんに反抗して、見透かされたくないのだろうか? ぼくは、彼の不思議な素直さに、そう思った。
 その片隅に腰を下ろしても、ぼくは黙っていた。同様に坐りながら、山口も無言だった。黙ったまま、ぼくが弁当の風呂敷包みを解き終ったとき、異様なほどの大きさでぼくの腹が、ク、ルル、ル、と鳴った。はりつめた気がふいに弛み、ぼくは大声をあげて笑った。……それがいけなかった。アルマイトの蓋をめくり、いつものとおり細いイカの丸煮が二つと、粟の片手にぎりほどの塊が六つ、コソコソと片寄っている中身を見たとき、ぼくの舌は、ごく自然にぼくを裏切ってしまっていた。
「よかったら、たべろよ。半分」
 山口は奇妙な微笑をこわばらせて、首を横に振った。それは、意志的な拒否というより、まだ首の坐らない赤ん坊が見せるような、あの意味もなにもないたよりない反射的な重心の移動のように、ぼくの目には映った。
「たべなよ。いいんだ」
 山口は振幅をこころもち大きくして、もう一回首を振った。膠着した微笑が消え、なにか、うつけたような茫漠とした表情になって、目を遠くの空へ放した。……激昂が、ぼくをおそった。せっかくの先刻の思慮分別や後悔の予感も忘れはてて、恥をかかされたみたいに、ぼくの頭と頬に血がのぼった。
 ぼくは、くりかえし低く、強くいった。
「ぼくは素直な気持ちでいってるんだ。お節介なことくらい、わかってる。でも、腹がへってるんだったら、だめだ、食べなきゃ、食べなきゃ……、食べたらいいだろう? 食べたかったら」
 絶句して、やっとぼくは昂奮から身を離すべきだと気づいた。ぼくは握り飯の一つを取り、頬張って横を向いた。もうどうにでもなれ、と思った。こん畜生。もう、こんなバカとは、ツキアイきんない。……そのとき、山口の手が、ごく素直な態度で、弁当にのびた。
「──ありがとう」
 と、彼はぼくの目を見ずにいった。そして、握り飯をまっすぐ口にほうりこんだ。
 まるで、ありえないことが起こったように、ぼくは目の隅で山口が食べるのを見ていた。一口で口に入れて、彼は、わざとゆっくり噛んでいるようであった。
 ある照れくささから、相手の目を見たくない気持ちはぼくにもあった。無言のまま、ぼくらは正確に交互に弁当箱に手をのばした。当然の権利のように、彼はぼくがイカの丸煮をつまむと、ちゃんと残った一つをつまんだ。……だんだん、ぼくはかれが傷つけられてはいないこと、あるいはそう振舞ってくれていることに、ある安堵と信頼を抱きはじめた。それは、最後に残った山口の分の一つに、彼の痩せた青白い手が躊躇なくのびたのを見とどけたとき、ほとんど、感謝にまで成長した。──ぼくは、彼が狷介なひねくれた態度を固執せずに、気持ちよくぼくにこたえてくれたことがむしょうに嬉しかった。

『煙突』 (『夏の葬列』山川方夫)

はあああっ♡はぁ〜〜〜っ♡

美しい

読みなさい。

ぼくと山口とは、それからは毎日屋上を密会の場所と定めて、いつもぼくの弁当を半分こ・・・するようになった。

『煙突』 (『夏の葬列』山川方夫)

いや、あの、ごめんなさい…
シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ

奇跡

息の詰まる戦後の閉塞感も合わさり、二人の少年の美しい約束事が、友情が、爆シコ。

 こんだけ語れて私は大満足なんですが、トドメのもう一本、いっときますか。




③『春の道標』(黒井千次)

 へい。
 まず…黒井千次って名前には覚えがあるって人もいることはいるんじゃないですか?
……そう、2022年共通テスト国語大問二で出題された小説である『庭の男』の作者さんです。

「ジジイ――」。吐き捨てるように彼の俯いたまま低く叫ぶ声がはっきり聞こえた。少年の姿が大野家の石の門に吸い込まれるまで、私はそこに立ったまま見送っていた。

『庭の男』(黒井千次)

 この共テの頃は私、高2だったんですけど、東進あずますすむってところでやってた『共テ同日体験』とかいうクソイベでこの問題解きましたよ。東進に足を運んだのは後にも先にもこれだけです。
 解いた人なら分かるでしょう。そう、黒井千次先生、内容がイカち〜〜!!

 はい。
 気を取り直して、ドスケベ小説『春の道標』について話していきましょう。
 これは、確か高校2年の終わりか高校3年の始まりくらいの時期に、自費で受ける模試の現代文で解いた問題です。

 戦後間もない頃の話。
 高校2年生の倉沢明史は、通学途中に出会った中学3年生の美少女・なつめに惹かれていく。

 倉沢明史によるストーカーじみたアプローチの甲斐もあり、倉沢明史と棗はいい感じ〜ってところの関係まで発展する!

 棗に想いを馳せて倉沢明史は夢精したりもする!

 倉沢明史は激ヤバ野郎なので夢精のことを詩にして所属する文芸部の部誌に寄稿したりもする!

そしてなんやかんやで迎えた文化祭!
倉沢明史は棗を文化祭に誘う!
   … … … … …
以下は、文化祭、演劇のシーン。
舞台の裏、明史と棗が薄闇の中で2人でいる。そのまま引用させていただきます。

「やるよ、これ。二人で食いな。」
 薄闇の中に小振りのりんごが一つ肩のあたりに差し出され、その上に(友人の)木賊とくさの顔がぼんやりと浮かんでいる。お、サンキュー、と受取って明史は膝の上でそれを割ろうとした。ヘタのくぼみに両手の親指をいれ、左右に力まかせに引けばりんごは綺麗に割れる筈なのに、腕ばかり震えて果実は二つに分れようとしない。
「なにしてるの。」
 なつめが耳もとで質ねた。きかれてはじめて、彼は割らずにりんごを一個彼女に与えればいいのだ、と気がついた。
木賊とくさが君にくれた。」
「あなたのは?」
「いいんだ。」
「食べて。」
「君が食べて。」

『春の道標』(黒井千次)

 譲らないなつめに負け、明史はりんごを齧ります。そして、齧った方の反対側を向けて、彼女に差し出すのです。

「こっちから齧ったから……。」
 彼は反対を向けて躊躇しがちにりんごを差し出した。いらない、と断られたら全部ひとりで食べねばならぬ、と考えながら。
「ううん。そっちがいい。」
 薄暗がりの中にぼんやり白く見える明史の齧り跡に口を重ねてりんごを噛む棗を感じた。顔を伏せて彼女のりんごを噛む音を彼は聴こうとした。舞台の上を動く人物の足音が邪魔だった。彼は黙って手を出した。まだいくらも食べられていないりんごが返ってくる。彼女が新しく齧ったと思われる場所に深く歯を立てた。まるで彼女を食べているみたいだった。胸が激しく鳴ってりんごを呑みこむのが苦しかった。
「少し、ちょうだい……。」
 棗の手がおずおずと伸びてくる。
「全部、食べないで……。」
 明史はその手にりんごをのせながら囁いた。自分の声はりんごの匂いがしてりんごの味がするに違いない、と思った。彼女の口と同じ匂いで同じ味だ、と思った。

『春の道標』(黒井千次)

…?

…………………………は????
世界で一番どエロいKISSキッスかい!!!!
こんなの高校生に問題として解かせていいの?

模試で解いたその日の内に父上に頼んでAmazonしてもらったわ!!
このスケベの続きが気になりすぎて!!

わたしのたからもの
夢精の詩りんご間接キスのところにはしっかり付箋を貼っている




 オヌヌメしたい作品は全部オヌヌメしました。

 特になにも言いたいことはないんですが、一つだけ。偉そうな感じになってしまいますが、今高校生の方やこれから高校生を経験する予定がある方へ言いたいのは……できたら現代文の小説は楽しんでみてほしい、です。それで面白かったら買ってみればいいと思います。









あ、ごめんなさい、まだ言いたいことありました。めちゃくちゃ重要なやつ!

現代文として解いた小説で、「面白かったな」と感じた小説のタイトルは絶対絶対絶対すぐメモしろ!!!!これ忘れてから「そういやあの小説の続き読みたいな」ってなったら、マジで悲惨だから!!!!



☝️
☝️
☝️
😭

クッッッッッソ!!!!
この高校2年の頃に問題集で読んだ小説のタイトル、マジでなんなんだ!!!!
だれか教えてくれ!!!!
続き読みてぇ!!!!!!!!

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