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「不適切」の境界線

※ドラマのお話ではありません

某政党地方支部が行なった懇親会が不適切だったとして、国会などでも騒がれているお話。
騒がれている内容はともかく、少し違った視点でモヤモヤしています。

まぁ、この会で行われたことに対する趣旨を問われて「多様性、ダイバーシティがテーマだったので」と言い訳してましたが、こんなことで使われる「多様性」も迷惑な話だろうとは思いますけど、そもそもこのお話、何が、どこが「不適切」なのでしょう?

この懇親会で「肌を露わにしたダンサー」が会を盛り上げ、出席者がチップを口移しや水着に挟んで渡していた

これがこの会で行われていたことです。

報道そのモノやそこで流れる街の声なるモノを観ていると、問題としているのは「そういう会にそんなダンサーを呼ぶ」ことが不適切だとか、ダンサーさんへのチップの渡し方が「不適切」だとか、そこで使われるお金が「税金」だったら「不適切」だとか、大まかこんな感じ。
(確かにその状況を子供には見せたくない、という意味では不適切だと思いますが)

まず「そんなダンサーを呼ぶ」という言い方は、ダンサーという職業を差別しているように聞こえるので私は同意出来ません。
先ほどの「多様性」という言葉をここで考えるなら、まさに「職業に貴賎なし」です。
余談ですが私が様々な職業の中で最も尊敬しているのは、看護師さんと風俗産業で働いている方々です。
こう言うと「その二つを同列で扱うのか」と怒られる時もあるのですが、その目的や事情はともあれ、どちらもまさに自らのカラダを張って他人に安心と癒しを与えている職業、という点で私は尊敬しています。

例えばそれが芸者さんだったら、それは「適切」なのでしょうか?
芸者さんの懐にチップを挟むのは「不適切」なのでしょうか?

例えばそれが歌手やバンド、アーティストや演奏家だったら、それは「不適切」なのでしょうか?

歌手が客席を回って、そこでチップをポケットに入れてあげたり、お札で作った「たすき」のようなものを首にかけるのは「不適切」なのでしょうか?
ロックやジャズはダメだけど、クラッシックなら「適切」なのでしょうか?
(地域の商工会や法人倫理会の会合などにクラッシック演奏家が呼ばれて、演奏しているシーンは色々なところで見かけますが)

子供合唱団が歌声を披露して、出演料の他にチップ=お小遣いをそれぞれに渡すのは「不適切」なのでしょうか?
(論理の飛躍と言われたらそれまでですが)

それともそもそも、「政治家」が集まる「懇親会」にこのような「娯楽」を持ち込むこと自体が「不適切」なのでしょうか?
例えそれが「懇親」の場であっても、それが「政治家」であれば娯楽はダメ、ということなのでしょうか?
(決して今回の出来事や出席者を肯定するわけではありません)

総理大臣も「これは不適切であり、国民に政治への不信感を与えてしまった」と言ってましたが、何が「不適切」だったのかへの言及はありません。
先ほども書いた通り、この懇親会の様子は決して子供には見せられない、見せたくないという点では不適切だと思うのですが、写真が世に出たから騒ぎになっているだけで、それが無ければ今後も続いたであろうと考えると、何を以て「不適切」と判断するのか、その境界線がよく分からなくてモヤモヤしています。

私も日常生活や仕事の中で、不適切な行動や言動をしていないか常に気を遣ってはいるのですが、何が不適切で何が適切なのかを考え始めたらそれは相手の受け止め方によって変わるかも…という結論に至り、そうするとやっぱりよく分からん、となってしまいました。


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