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そんなこと最初から知らなきゃよかったのに

昭和40年代生まれだ。
子供の頃、
「偉い、という言葉は、目上の者が、目下の者にかける言葉だから、使い方を間違えると失礼になる。
気をつけるように」
と何度も教わった。
なのでわたしは、お世話になっている医療、福祉の人には決して
「偉いですね」
とは言わない。
患者仲間の間でも、わたしが年下の人に
「偉いね」
と言うことは、めったにない。
それほど、
「偉い」
という言葉には神経質になっている。

だからだろう。
たとえ医療、福祉の人からだとしても、年下の人に
「偉い偉い」
「偉いですね」
と言われると、わたしは瞬時にイラッときてしまう。
その瞬間、相手の人を大キライになってしまうことすらある。

今の時代、「偉い」という言葉は、そんなに特別な言葉ではないのかも知れない。
やはり子供の頃、「お疲れ様です」という言葉も、目上の者から目下の者にかける言葉だから要注意、と教わったけれど、今ではそうではないと聞いた。
誰にでも使ってよい言葉になっているそうだ。

日本語は時代と共に移り変わっていく。
変化に柔軟に対応していったほうがいい。
けれど
「偉いですね」
と言われてブチ切れる度に思う。
最初から、「偉い」は特別な言葉だ、なんて教わらなければよかったのに。
そんなこと、最初から知らなきゃよかったのに。

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