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「パワハラ桃太郎」 企画書

【キャッチコピー】

最狂のパワハラ野郎・桃太郎が、
猿たちを支配し、鬼退治へ!

【あらすじ】

昔々、とある村にお爺さんとお婆さんがいました。
お爺さんは特殊部隊出身、
お婆さんは公安警察出身
でした。
お婆さんが川で洗濯している所に
大きな桃が流れつき、中から元気な男の子が。

二人は桃太郎と名付け、
二人の経験を桃太郎に注ぎ込み、
桃太郎をあらゆる分野に精通した、
最強戦士に育てました。

20年後、お爺さんは成長した桃太郎に
鬼ヶ島制圧を命じます。
桃太郎にはきび団子と武器を支給。

道中、パワハラ気質の桃太郎は、
「お前に許された返事はハイかYESだ」と、
銃口を突きつけ脅迫して、
猿、犬、雉を兵員として現地雇用。

桃太郎はパワハラにより、
猿達をマインドコントロール。
鬼ヶ島制圧に向かうのでした。


【第一話 ストーリー】

昔々、とある村にお爺さんとお婆さんがおりました。
お爺さんは特殊部隊の教官出身、
お婆さんは公安警察のスパイ出身、
40年前、二人は街コンで出会い、結ばれたのです。

二人に子供はいません。
35年前、鬼に誘拐されたらしいのです。
何度も奪還を試みましたが、
やがて年老いて、余生を静かに暮らすと決めていました。

ある日、川で洗濯をしていたお婆さんのもとに、
大きな桃が流れてきました。
お婆さんは元公安警察、
年老いても洞察力と腕力には自信があります。

桃を抱き上げ、瞬時に、
「3500g男の赤子、鼓動あり」と判別し、
お爺さんが待つ家に持って帰ります。

桃から出てきたのは、やはり元気な男の子。
二人は「桃太郎」と名付けました。
急にやってきた生きがいに、二人は心を踊らせ、
今まで二人が身につけた、
・フィジカルトレーニング
・作戦の立案
・各戦闘術
・マインドコントロール
・拷問の耐え方

などを桃太郎に教え込むのでした。

20年後、そこには立派な戦士に育った桃太郎が・・・
視力は8.0、握力300kg、しかも頭は抜群に切れる。
桃太郎は最高の戦士です。

お爺さんは桃太郎に言いました。
「桃太郎。鬼が鬼ヶ島から
この村に来て平和を脅かすんじゃ。
実は私たちの子も、昔、鬼に誘拐されている。
どうか鬼ヶ島を制圧してくれないか、
子の安否を確認してくれないだろうか」

お爺さんは涙ながらに懇願します。
今度はお婆さんが涙を流して語りかけます。
「桃太郎、あなたを愛している。
行かなくてもいいの。
そばにいてくれるだけで親孝行よ。」
実はお婆さんの、その語りかける手法はマインドコントロールの一種で、
行かなくていいと言いながら、行かざる得ない状況にするのです。

桃太郎は答えます。
「任務受領!
きび団子と武器のご支給を願います!
味方となる兵員を道中で現地雇用し、
鬼ヶ島に向かい、制圧を目指します!」

凛々しく答える桃太郎に、
お爺さんとお婆さんは、
泣いて喜ぶのでした。

きび団子を腰にぶら下げ、
ロケットランチャー10基、手榴弾100個、
マシンガン5丁、ハンドガン3丁をリヤカーに乗せ、
桃太郎は鬼ヶ島を目指します。

道中、一匹の猿を見つけるのです。
「おい、そこの猿、きび団子やるから味方になれ。
鬼退治に行くぞ。断ったら殺す。」

桃太郎は銃口を向け、言い放ちます。

厳しい訓練以外、
甘やかされて育った桃太郎はワガママなパワハラ気質だったのです。
さて、猿の答えは・・・


【第二話以降のストーリー】


猿に銃口を向け、
桃太郎は続けて言います。

お前に許された返事は、ハイかYESだ。
それ以外の返答は許可しない」
桃太郎はガチのパワハラ野郎です。

ですが、パワハラだけではありません。
心理戦もお手の物。

桃太郎は続けます。
「鬼ヶ島を制圧した際、島の1/4を分け与える」

猿の心は傾き、元気よく答えます。
「人生一発逆転、やるしかねーか!」

突如、銃声が鳴り響き、銃弾が猿をかすめます。
「もう一度言う。お前に許された返事は、ハイかYESだ
桃太郎が銃口を向けて告げました。
なんてことでしょう。
桃太郎はパワハラ気質の上、
サイコパスでもあったのです。

猿は「ハイ」と答えました。

同じ方法で犬と雉(キジ)を兵員として現地雇用。
鬼ヶ島へ向かいます。


鬼ヶ島に行くには船が必要です。

桃太郎たちは港に向かい、
適した漁船を見つけます。
漁を終えた漁師が、休んでました。

桃太郎は猿達に言います。
「俺の交渉術を見せてやる」

漁師に向かって
桃太郎は声色を変えて話しかけます。
「あのですねぇ〜、
社会貢献の観点から鬼ヶ島に行って、
鬼を退治したく

協力してくれる方を探しているんですぅ〜」

と、笑顔で優しく言いながらも、
ロケットランチャー
を担いでいます。

漁師は桃太郎のヤバさに一瞬で気がついて、
漁船を差し出すことにしました。

「ありがとうございますぅ。
お礼にムカつくやつ一人、殺りますけど、
どうしますぅ〜?」

漁師は思案し、答えました。
「山の上にある寺の坊主、俺のオッカアに手を出すんだ。
ぶっ殺してくれ」

(そこ、答えるの?普通、遠慮してビビって逃げるんじゃないの?)
猿達は思いました。
(この漁師もヤバいやつ・・・)

桃太郎は答えます。
「お安い御用で〜す
あの山の上ですねぇ〜、ちょうど鐘をついてますね〜
じゃあ、このまま殺っちゃいまーす

桃太郎はエロ坊主に向けて
ロケットランチャーをぶっ放しました。


船の上。
桃太郎は猿達に自慢気に語っています。

「どうだ、俺の交渉術。
年配の方には丁寧に接しろっていう、
お爺さんとお婆さんの教えさ。
けど要求が通らなかったら瞬時に殺せとも教わった」

(桃太郎がこの人格になったのは二人の影響か)
猿達は「ハイ」と頷きます。

桃太郎の機嫌が良いことを察知して、
猿が挙手をして言いました。
「発言を許可していただけないでしょうか」

桃太郎は笑顔で答えます。
「何だ猿、言ってみろ。」

猿は深く礼をした状態で続けます。
「鬼ヶ島には鬼が100人いると聞きます。
近年では装備が近代化され、武器は金棒ではなく、
ドローンなども使う
と聞きます。
私たちはどのように戦うべきか、
ご教示いただけないでしょうか」

桃太郎は答えます。
「何だ、そんなことか。
もしピンチになったら、
お爺さんとお婆さんが、
密輸した核ミサイルで後方支援
してくれるって」

(やっぱり諸悪の根源はお爺さんとお婆さんか)
猿達は絶望しました。

そろそろ鬼ヶ島が見え、
まもなく日が暮れます。

日が暮れたタイミングで桃太郎は雉に命じます。
「おい、雉、とりあえず持てるだけ手榴弾を持って、
 自爆攻撃をしてこい」

雉はガクガクと震えながら、
「ハイ」と答えます。

犬が勇気を振り絞って言いました。
「桃太郎さん、雉はいざって時に食料になります!
自爆させるには惜しい人材かと思います。
鬼が寝静まる深夜、島に近づき、
夜襲するのはいかがでしょうか。」

猿は思いました。
(犬もやべーやつじゃん)

「うむ、犬にしては良い進言だ。
戦いの後は、焼き鳥パーティーでもするか」

犬は尻尾を振っています。


鬼が寝静まった深夜、
船が鬼ヶ島に近づきます。
桃太郎がロケットランチャーを
司令塔めがけて、ぶっ放します。

警報音にサーチライト、島が厳戒態勢へ。

桃太郎は瞬時に指示を出します。
「雉!自爆攻撃は中止してやる!
 手榴弾を咥えて、島の要所に落とせ!」

「犬!暗闇の中、マシンガンを持って突撃しろ!
 鬼を殺しまくれ!」

「猿!囮となりこの船を運転し、
ありったけのロケットランチャーをぶっ放せ!
俺は島の裏側に回り、撹乱させてくる!」

やはり桃太郎は戦いの天才でした。

初動で司令部を失った鬼ヶ島。
兵器の近代化が進んでも、
鬼ヶ島はあっという間に制圧されました。


翌朝、制圧した島を桃太郎と猿たちが歩いています。
猿が桃太郎に訪ねました。
「探している方のお名前は??」

ふと立ち止まり桃太郎は答えました。

もう疲れたから探すの面倒くさいな!
見つからなかったと、
嘘の報告をするか。
犬、嘘の報告書をまとめておけ!
A4横書き3枚以内だ!
早く済ませろ!
焼き鳥パーティーするぞ!」

平気で嘘をつき、一緒に戦った雉を食べようとする、
やはり桃太郎はパワハラ気質でサイコパスでした。

犬は尻尾を振っていました。

猿は思いました。
(寒いから雉鍋がいいな)

アフターエピソード
桃太郎の嘘はお爺さんとお婆さんにバレて、
桃太郎はひどい拷問を受け、
またその子を探す旅に出されるのでした。

めでたし、めでたし


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