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1年フリーターから契約社員に(なれる予定)の女の、過去から今を振り返る



遡ること約1年

1年前、新卒で入社した会社を1ヶ月で退職した。それが昨年5月なので、ちょうど1年くらい前のこと。

そしてそこから正社員で働くことが怖くなりフリーターへ。

昨年4月には大好きなアーティストが自殺して、新卒入社により始まった新生活と、ろくでもない上司たちのせいで疲弊していた私の心は粉々に散り、1年ほど酷く引きずった。

そんな中フリーターとして2つのバイト先を経験したが、新卒入社した会社で辞める前に言われた「あなたは仕事覚えが悪い」という言葉を両方のバイト先でも言われた。全く同じ言葉ではないが「仕事覚えが悪い」「だからシフトに入れられない」といった旨を。私としては一生懸命やってるつもりなのに何がダメなのか分からず困り果てていた。そんなわけでシフトに入れてもらえなくなり2つとも退職。(その2つを掛け持ちしていた訳ではない)

退職後もバイト面接を何度も受けるものの落ち続けた。(受かったけど面接で話した店長と反りが合わないのが目に見えてたので蹴ったこともあったが)
いくつ落ちたか数えるのは、数えられなくなったあたりでやめたのでいくつ落ちたかは分からない。というか、分かったところで得しないから数えるべきではない(笑)


ついてまわる過去

大金を払ってもらって専門学校を卒業したのにその仕事に就けなかった私。「高いお金を払って専門学校に行かせたのに意味がなかった」と今でも親に責められることがある。「子供はお金が掛かるものなんだから、大金を払ったからって子供が失敗することを許せないなら、そもそも生まなきゃ良かったじゃないか」と私は毎回思うのだが。頼んでないし、生まれたくなかったし、と思うのだが言えないので我慢するが、そう言われる度に心がすり減っていったのは間違いない。

友達もいないし、彼氏もいないし、兄弟もいないし、祖父母もいないし、親戚もいない私は極めて孤独な人生を生きてきた。悩んでいても誰にも相談できず、1人で抱え込む日々を過ごしてきた。色々なことが上手くいかず何をやってもダメだった昨年も同じように孤独だった。いや、過去一孤独だった。


消せない過ち

太宰治じゃないが「恥の多い生涯を送ってきました」状態で、私の人生は失敗で出来ていると言っても過言ではない。つまり私は失敗人間なのである。

大きなことから小さなことまで、数えるとキリがないほどあまりにも多い失敗の数々。その中でも、専門学校に通ったのに夢を叶えられなかったという事実、親の期待を裏切ることになったという事実、そのせいで親を落胆させてお金も失ったという事実はあまりにも痛かった。

傷ついたのは親ではなく私だ。私が一番傷ついた。期待に応えられなかった自分への幻滅、深刻な実力不足と弱い心の痛感。私の夢は親の夢でもあったので、夢を叶えられたらこんな情けない私でも親は誇れるようになると思っていた。夢を叶えられたはずだった。でもあるはずだった未来は完全に消え去り、何も手元に残らず、ボロボロに傷ついた心と経歴の傷だけが残り、親には責められる始末。完全に心はボロボロで居場所もなかった。悲惨だった。

連絡をとってる友達がいないので想像に過ぎないが、高校の友達はほとんどまだ大学生だと思うし、専門学校の友達は私のような苦労(私は就活も上手くいかず仕事が見つからないまま卒業式を迎え、ヤケクソで受けた会社に受かりブラックで辞めた)をせず1社しか受けず一発合格という意味の分からないくらいトントン拍子で就職していたので、多分今もそこで働いているのだろう。知らんけど。

そう思うと全然稼げないフリーターをしている自分が情けなくてたまらなかった


新たなスタート

私にとって地獄だった2023年が終わる頃、私は考えていた。

私には夢がある。海外に行きたい。
そのためにはお金が要る。お金を貯めるためには安定して稼げる仕事が要る。安定して稼げる仕事を得て働くには、安定したメンタルが要る。

人生に絶望して死ぬことばかり考えていた去年。早く1年が終わって欲しかった。何も変えられず、何も得られず、失うばかりで辛かった。

だから2024年からは私のクソみたいな人生の流れを変えたくて、“挑戦”を目標として設定した。これまで出来なかったことに挑戦すること。「小さなことから大きなことまで、なんでもいいから今までやりたいけど出来なかったことに挑戦しよう」と決めた。気持ちも前向きにして、過去の失敗やついてまわる過去も考えないようにして、落ち込まないように自分をコントロールしていこうとも決めた。

そうして迎えた2024年。
1月にまた販売業のバイト面接を受けたところ、今年一発目にして即採用といういいスタートを切った。結局上司と一部の先輩が嫌な奴だったし、最低賃金で稼げない上にタダ働きまでさせられるしで2ヶ月程度で辞めたけど。

次に飲食系の販売業のバイトを受けた。
ここに思わぬ縁があったようだ。


契約社員へ転向なるか?

今の職場も面接時に即採用だった。創業十数年の無名に近いブランドのオープニングスタッフの募集で、社長自身も店頭に立って仕事をするような会社。

私が住む県にしては高い時給に駅チカなせいか倍率が3倍くらいあったらしい。そんなところになぜ即採用されたのか未だに分からないが、面接官だった人事の人曰く、「感じが良くて笑顔が素敵だったから」らしい。どちらも言われたことのない言葉なのでよく分からないが……。

オープニングスタッフで入ると全員が同じスタートなのでみんな初心者だし、仕事の先輩後輩もない。皆同じスタートラインから始まり、みんなで店をつくりあげていくので決まったルールがまだ存在しない分自由さはあった。

シフトもこれまでとは違ってそれなりに入れていたし、「仕事が出来ない」と言われるどころか褒めてくれるという謎の状況に私は混乱していた(している)が、そういうわけで今の職場はそれなりに働きやすいと思う。歳が近い人も多いし。

そしてある日、社長からこんな話をもらった。
「契約社員にならないか?」と。

願ったり叶ったりだった。
正社員は怖くてハードルが高いけど、フリーターでは私は稼げない。となると契約社員が一番今の私には合っているので、契約社員の募集も何度も探したが条件に合うところが見つからなかったため、工場に行くしかないのかと思って思い悩んでいた。(工場勤務が問題なのではなく、工場勤務希望なわけではないのにそれをするしかなさそうな自分の能力不足に悩んでいた)

そんな感じで自分の将来に希望がなさすぎて絶望していたときに突然舞い込んだ契約社員へのお誘い。今の私の事情を考えれば受けない手はない。

確かに面接のとき面接官の人が「あなたが望めば契約社員になってもらうことも出来る」とは言っていたが、本当にそんな話を貰えるなんて誰が思う?特に私のように、どこの職場でも決め台詞の如く「あなたは仕事覚えが悪い」と言われてきた私が。

意味がわからなさ過ぎて契約社員の話を頂けた理由を聞いてみたところ、「あなたは真面目で笑顔がいい」「若いからいくらでも可能性がある」とのこと。「真面目」は家族によく言われるものの、職場の人にそう言われたことがないので驚いた。無愛想の代名詞になれるくらい愛想のない私が「笑顔がいい」と言われるのも摩訶不思議だが、社長曰く「大人しいけど、褒めたらすごくいい笑顔だったから」とのこと。褒められることが基本ない人生を生きてきたし、職場ではもっと褒められないのでたまに褒められると嬉しいのである。単純で恥ずかしい……。


そんなわけで

2022年頃から2023年の2年間くらいは「死ねってか?」ってくらい辛い期間だったが、ここにきて突然人生が良くなる兆しを見せている。これがいつまで続くかは分からない。契約社員の話も、まだ契約書をもらってないしサインもしてないので、まだ「契約社員になるという話になっている」というだけなので安心出来るものではない。

でも今年の私はほぼ滑って(失敗して)いない。

余談だが、本当は今年1つ目のバイトを週1で、今の職場を週4で掛け持ちする予定だった。でも1つ目のバイト先に「まだ全ての仕事を覚えていないあなたを週1で雇うことは出来ない」と言われて、さらに「仕事しに来てるのであって仕事を教えるために来てるんじゃない」「ここは学校じゃない」とか散々意味わからん嫌味を最後に言われたので辞めることにした。
そのとき滑った(失敗した)くらいで、4ヶ月間まだ大したミスなく来ている。これは、人生事故常習犯の私にとっては珍しいことかもしれない。

そんなわけで、私の人生は今年に入って突然変わり始めているかもしれない。上手くいくことが多くて怖い。不運ばかりで上手くいかないのが当たり前すぎて、たまにいい流れになるとめちゃくちゃ怖いのだ。悲しい心理。

だけどここまで、大した能もなく悲惨な履歴書の私を褒めて伸ばしてくれる職場は初めてなので、契約社員になった暁にはどんな風に周りや自分が変わっていくのか分からず怖いけれど、ちゃんと稼いでお金を貯めるためにはいつまでもフラフラしていられないし、そろそろちゃんと安定して稼げる仕事しなければならないので頑張っていけたらいいなと思う。

こうして文字にすると突然上手くいかなくなりそうで怖いな。ていうか、怖がりな私には世の中の全てが怖いです。向う見ずな大胆さが欲しい。


今の気持ち

私は非常に単純な単細胞なのでこうして突然上手くいき始めて嬉しい反面、恐怖も感じている。だけど、「長いトンネルをやっと抜けられるのかな」という僅かな希望もある。

抜けられるのだとすれば、振り返ればそれはそれは長いトンネルだった。とにかく辛くて仕方なかったけど、耐え忍んで前進を続ければいつか好転する日が来ると信じて頑張ってきたのが報われる日が近いということだろうか。そう思っていいのだろうか。

正社員でなくても怖いし、自信もあまりない。怖いけど、怖いからってフラフラとフリーターを続けていても一生お金が貯まらないので、今できるベストを常に選んでいくしかないかなと思う。

それにしてもなんだか感慨深いものがある。
大好きなアーティストが自殺した去年4月、「あなたは仕事覚えが悪い」と言われ職を失った5月。そんな絶望の春から1年後には逆に契約社員のオファーを頂けているなんて去年の私は全く想像出来なかった。なんなら今年の私も想像出来なかった。

人生何があるか分からないんだな、どこにチャンスがあるか分からないんだな、どんな縁があるか分からないんだなと思った経験です。油断は禁物ですが……。


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