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零細製造業の現況

大企業は円安株高でウハウハしている様だが、自分の回りの中小零細企業は仕事の停滞、賃上げ圧力、人手不足倒産等、にっちもさっちも行かなくなってきている感じ。

昔ながらのとーちゃんかーちゃんの家族経営や少人数経営をしていた会社がコロナ融資の返済とインボイスが始まった去年からバタバタと廃業を決め、今まで外製先として付き合いのあった会社もどんどん減ってきている。連鎖的に国内の仕事が減ってきているのか、そこそこの規模の会社でも雇用調整で従業員を交代制で休みを入れている所も出始めている。製造業としての仕事が全くないわけではないが、昔からの価格のまま製造されていた部品を中心に作れる所が無くなり、メーカーは代替生産を探しているが『単価が合わない』のと、数的・為替・輸送コスト的に『海外生産に移せない』の問題が表面化してきているように思う。

廃業ラッシュと同時に3月に価格交渉月間で国を挙げて賃上げ、価格転嫁を強引に推し進めようとした結果、元受けの転注先探しが加速し、市中に古い図面がばら撒かれて見積もり案件だらけ。中には半世紀前の図面もあります。全ての部品の生産先が見つからなければ完成品にはならないわけで、安易に製品価格を上げられないメーカーが困っている感じ。
家族経営で免税事業者として手作業仕事で1個数円~数十円程度でやっていた仕事をそれなりの規模の会社で複雑加工もできる機械を使って同じ価格でできる筈も無く、見積もり出しても通らない。ダメ元で希望の指値を聞くと1桁少ない単価だったりがザラにあります。
国がどんなに中小企業の価格転嫁を推し進めようとしても、市場原理が働くので簡単に値上げを許容してもらえるわけも無く、国の甘言を真に受けて値上げ交渉した所が死にかけている様な気もします。

仕事だけに限らず、日本を含めた世界の停滞感・閉塞感は【お金で解決できない問題が表面化しているのに国や企業がお金で解決しようとしている】所が根本の様な気がしている。人としてもう少しだけ色んな事が許容される優しい世界で生きたいと思う。


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