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お薬おばさん

私の職業は、薬剤師。
くすり屋さんで働いている。
時には、学校園へ出向き、衛生面の検査をする。要請があれば、薬物乱用防止の授業を受け持つ。
薬剤師の免許を頂いたからには、活用されてこそという思いなので、私を使ってもらえるのなら、喜んで働かなくては。

今日は、小学校で、お薬おばさんの「くすりの授業」。内容は薬物乱用防止。若年層に広がる大麻事犯、ひいては覚醒剤など、未然に知識を持っておく事が大切なので、小学校で行う。

人前で話すのは苦手な私が、なぜか続けている。続けていて気付いた事は、昨年と同じという事が一度もない、という事。社会情勢も変わる。薬物事情も変わる。子ども達も日々変わっていく。

変わらないのは、小学校という単位の地域性かも。ふんわりと感じるその気配。

授業をする側のメッセージも年々変化している。記憶にあるのが、覚醒剤やめますか、それとも人間やめますか、というフレーズ。
それ以降は、覚醒剤は「ダメ、ぜったい」に変わり、恐怖を植え付けるような方針の時代もあった。

現在は、危険な薬物の存在を知り、誘いにきっぱり断る大切さ、自分を守る事、困った時には誰かに相談を求める事、これらのメッセージが厚労省と文科省から発せられている。

お薬おばさん、出来る限り続けていきたいし、いつかお薬おばあさんになっても可能な限り続けたい。
お薬おばあさんになった時、その時出会うのは、どんな風景なんだろう。
空にはドローンが飛び回っているのかな。
学校で出会うお子さん達は、どんな表情をしているのかな。

元気な子、冷めた子、茶髪の子、外国籍の子、寝てる子、長期欠席かもしれない子。
どんな状況であれ、今日出会った人たちが、みんな幸せに健康に過ごせる事を祈るのみ。

本日の小学生からの質問二つ。
薬は何個あるんですか?
くすり屋さんで困るお客さんはどんな人ですか?
まっすぐな目で見つめられる瞬間。この時間をどうも有難う、また明日からも頑張ろう、と勇気を頂く。

授業をさせてもらってるんだけど、得ることの方が大きい。

みんな素晴らしい脳を持っているんです、自分を大切にしてね、
というメッセージが届きますように。

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