見出し画像

府中ランチ食べ歩記【麺文化のルーツ①/蘭州拉麺/敦煌楼・伊祥】

敦煌楼 伊祥

友人と中華で何を食べたいか?の話になり、ふと思い出したのが「蘭州拉麺」。府中とは関係ありませんが、上海に行く機会があればお勧めです。

以前、麺の食べ歩き旅行で「シルクロード=麺ロード」に沿って、西安、蘭州を訪問。
西安ではビャンビャン麺(漢字が超複雑です)、蘭州では「蘭州拉麺」を食べまくりました。
現地で食べる麺はもちろん最高ですが、簡単に行ける場所ではないので、日本から比較的身近な上海で、本場の「蘭州拉麺」が食べられるお店があります。

お店は「甘粛省」直営の蘭州拉麺店、「敦煌楼・伊祥」です。
当然ながら、省が運営している事もあり、メンツがあるのでまずいものは出せません。
場所は地下鉄3,4号線镇坪路駅を下車、駅前にある敦煌楼の1階です。
初めての訪問は2008年頃で、無化調のシンプルで奥深い味わいに衝撃を受けました。
この蘭州拉麺の味わいは昔から受け継がれており、日本の麺文化がシルクロードを介して伝道していると仮定すれば、まさにツールとなる存在の一つです。

こちらでは注文の際に、好きな麺の種類を選びますが、細面、三線、宽面等、いろいろな麺線を選択できます。
いろいろ試した結果、細麺の方がスープのりが確実に良くなるのですが、後半に麺の食感が少し伸びるので、三線あたりがベストだと思っています。
料金は25元(約500円)とリーズナブルな価格です。

客席から厨房が丸見えの状態です。
中では师傅(資格を持つ料理人)が麺づくりに励んでおり、手で捏ねて、伸ばして、きれいな麺線に芸術的な作業で仕上げます。
当然包丁は使いません。
最後は大きな釜に麺を投入して茹でます。

少し待って提供頂いた蘭州拉麺。まずスープを一口飲みます。
牛骨ベースで、長時間じっくり煮込んでおり、透明感がある割にはしっかり濃厚な味わいが胃に浸みます。
当然ながら中華料理で多用されるMSG(グルタミン酸ナトリウム)は使用していないので、スープを完食しても舌や喉が全くヒリヒリしません。
他の拉麺店では考えられません。

蘭州で食べた際には、地元の皆さんは黒酢をたっぷり入れて食べていましたが、上海ではあまり見かけません。私も何も足さずにそのままで頂く方が自分に合っていると思います。

最近では蘭州拉麺のチェーン店も巷で多くなっていますが、このお店はいつまでも無化調で伝統を守って頂きたいです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?