大恋愛

2ヶ月半前、大好きな人と別れた。

付き合った期間は短かったけど、人生で1番愛した人だった。“愛した”と過去形にすることに抵抗がある。きっとまだ好きだ。

今まで出会ったことのない類の人だった。
真っ直ぐで人を楽しませることに全力で、好きなものへの情熱が人一倍強い。敷かれたレールを歩かず、我が道を行く姿。様々なことに葛藤して悩みながらも、自分の夢や憧れを追う姿。
周りの評価を気にし、幼い頃からそれなりに優等生でいようとしてきた自分にとって、彼の生き方が、彼自体が眩しかった。

別れてから、何をしていても思い出し、LINEをブロックしてみてはすぐ解除し、どうしようもない状況が続いていた。

ずっと彼の相談に乗ってくれていた親友に何度目になるかわからない相談をした時、4年目の付き合いになる彼女から初めて叱責された。

“どれだけ周りに相談してもどうするか決められるのはあなた。好きなら好きって言う。今のままじゃ絶対後悔する”

その日のうちに彼に電話をかけた。そこからまた連絡をとり始め、今に至る。

彼と連絡が取れたら幸せだ。ただ、「今人生の頑張りどきで、恋愛をしている場合ではない」と言い、実際働き詰めている彼に復縁を迫ることはできない。私は彼の夢を1番に応援する人でありたいから。

私のことをまだ好きでいてくれるのか、聞けない。
違かった時の辛さをまだ受け止められそうにないから。

彼がいつかまた恋愛する時、その時まで待ちたい。しかしその時が来る確証はなく、いつになるかもわからない。

もう間も無く22歳になる私に、周りの友人は「次は結婚見据えて穏やかな気持ちで付き合える人がいい。辛いと思うけど早く次に行くべきだ」とアドバイスしてくれる。

その通りなのだろう。正論だろう。しかし、「そうだよね、そうする」といいながらも腑に落ちない自分がいる。

彼は私にとって痛み止めだ。
ある日、仕事で答えの出ない悩みを抱え、ずっとこの仕事を続けていくのかとひどく落ち込んだ。たまたまその夜に彼から電話がかかってきた。たわいもない話をしただけだった。何か相談に乗ってもらったわけでもアドバイスをくれたわけでもない。仕事の悩みが吹き飛んだ。明日からも頑張ろうと思った。その時気がついた。私には彼が必要だと。宇多田ヒカルさんが言うように、彼の存在は痛み止めになっていた。頭痛には頭痛薬しか効かないが、彼の存在は私のあらゆる痛みを吹き飛ばす。

彼のことを思い出す日々は辛い。かつては同じか向こうのほうが大きかったとも思える愛情が、こちらの一方通行になりつつあることを感じるのも辛い。

けれど私は後悔しないために、この恋愛でやり切ったと嘘偽りなく言えるようになるまで、彼を好きでいたい。本当にダメになったらそこで泣けばいいし悲しめばいい。

刹那的だった彼との日々を思い出し、穏やかに微笑むことができる日まで。彼の存在や想い出が喪失から贈り物に変わる時が来るまで。

人を心の底から愛するとはどういうことかを教えてくれた彼のことを、勝手に好きでいようと思う。

_____________
noteの記事を読み心が軽くなり、自分もゆるく記録用くらいの気持ちで初めて見ました✏️
いろいろ書こうと思います☺︎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?