今週は牝馬三冠¹ の一冠目を争う『桜花賞』が阪神競馬場で開催される。昨年は「リバティアイランド」が圧巻の競馬で戴冠。その勢いは衰えるところを知らず、見事に牝馬三冠制覇を成し遂げた。
　春陽の下、仁川の地で桜のティアラを手にするのはどの馬か。

コース分析

　まずはコース形態を見ていこう。阪神（芝・1,600m）は外回りコースを使用する。内回りコースとの主な違いは二つ。”3角・4角の入射角の大きさ”と”正面、及び向こう正面の直線距離”だ。
　スタート地点は向こう正面の三分どころ。初角の外回り3角までは500m弱の直線距離が確保されているため、コース形態における枠順の内外による有利不利は大きくないと言えるだろう。
　スタートから4角中間までは目立った起伏が無く、概ね平坦。コーナー設計が緩やかなことも相まり、ペースがタイトになることもしばしば。
　正面直線は476.3mと確保されているものの、4角中間の下り坂から隊列のペースは加速傾向。更にゴール直前には高低差約2mの坂が待ち受けており、距離設定以上に持久力やパワーを求められると言えるだろう。

直近10年の開催における好走馬の分析

　まずは直近10年の開催における着順上位3頭の前走レースとその着順、及び『阪神JF』の着順を見ていこう。

　ここ7年は勝ち馬こそ出ていないものの、『チューリップ賞』からの臨戦馬が17/30頭と最も割合が大きい。また前走着順が4着以降からの巻き返しも『チューリップ賞』からの臨戦馬に限定されており、その相性の高さが伺える。
　一方で1F² 延長となる『フィリーズレビュー』や、求められる資質の異なる『クイーンC』からの臨戦馬はやや見劣る成績となっている。

　そして『阪神JF』での成績にも注目。直近10年において『阪神JF』で勝利を挙げた後に『桜花賞』に出走したのは9頭。その内6頭が3着以内と高い好走傾向にある。

隊列予想

　まずはハナ³ を主張しそうな馬を二頭。前走こそ抑える競馬を試みたものの、『阪神JF』と『Fレビュー』の行き脚から⑤シカゴスティングが一頭目の候補。続いて、前走『Fレビュー』では距離延長ながらもハナをタイトなラップで展開して押し切った⑮エトヴプレが二頭目の候補だ。
　枠の並び的に⑤にアドバンテージがあり、抑えなければこちらがハナと見る。
　次に先団を予想。ハナを想定している二頭が現状は短距離適性の高さを見せているため、早いペースが見込まれる。そのため、先団は若干バラけた追走となるだろう。
　①、⑭が3番手の一線。控えても一脚の使える⑩もこのライン。勢いよく内からは④、好位から押し上げが理想の③は気持ち外へと切り替えながらの先行争い。中枠に収まった⑧コラソンビートはこれらの出方を伺いながら。
　続く中団に⑨アスコリピチェーノ、⑪ライトバックが追走。⑬は外からポジションを伺いながら。それらを見る位置で⑫ステレンボッシュが構える格好。
　隊列の後方からは促しながら⑥、外に⑯。②は揉まれを嫌って後方からの競馬と想定。⑱もペース対応を考慮して後方追走と予想。⑦スウィープフィートがこれらとの位置取りを伺いながら、最高後方に⑰と予想。

展開予想

　ハナが⑤、⑮のいずれにしてもペースは速くなるだろう。『Fレビュー』の1F目が12.0秒。1Fの延長を加味しても12.2~3秒は避けられないだろう。更に前走『Fレビュー』は好スタートの⑤が抑える格好の中で2F目は10.7秒。ここを上記二頭が競り合うことになれば、これを上回るラップを刻む可能性も視野に。
　600m通過は34.0秒前後とタイトなペースを想定。そのため隊列は縦長となるだろう。ハナを切る二頭とも、現状は消耗戦の方が能力発揮に長けている印象。そのため3角・4角でペースが緩むということは想定し難い。
　となると先行勢に求められるのは追走力と持久力、差し勢に求められるのは瞬発力と速力と言える。

推奨馬

　上記の予想内容を踏まえた上で、好走を期待できる推奨馬を挙げていきたいと思う。

◎⑫ステレンボッシュ
○⑨アスコリピチェーノ
▲⑦スウィープフィート
▲⑧コラソンビート
▲⑪ライトバック

まとめ

　今回の推奨馬は上記の5頭で、狙いのイメージは2連系まで。距離適性や枠順に懸念の残る②クイーンズウォークや、ハイペースや右回りに経験が無く、出走間隔にも不安が残る⑱チェルヴィニアと取捨の難しい馬が複数いるための判断。
　買い目としては5頭推奨ながらも、買うのは◎⑫と○⑨の二頭とさせてもらう。紛れも十分考慮の【ワイド】を⑨-⑫の組み合わせで1点。更に【単勝】を⑨、⑫の2点で勝負する。

　『桜花賞』の予想は以上。参考になればスキとフォローを是非お願いします。

¹ …3歳牝馬限定で行われる『桜花賞』『優駿牝馬（オークス）』『秋華賞』の3競走の総称。
²…1F=200m。
³…隊列の先頭。