#27 皐月賞2024【予想】

 今週は『皐月賞』が中山競馬場で開催。“最も速い馬が勝つ”という謂れのある、クラシック三冠¹ の第一戦目である。
 今年は牝馬「レガレイラ」が参戦。その勝利には76年ぶりの快挙も懸かっている。
 例年、単勝上位人気馬での決着が目立つレースであり、直近10年の開催において単勝二桁人気からの好走は唯の一頭のみ。
 そこで上位人気必至の前走重賞好走馬を中心に評価しつつ、①コース分析②馬場状態③直近10年の開催における好走馬の傾向の三つの要素を踏まえ、好走が期待できる馬をピックアップしていく。


予想

①コース分析

 『皐月賞』は中山・芝2,000m(内回り)を舞台に行われる。中山コースにおいて留意すべきはやはりゴール前の急勾配の上り坂だろう
 
スタート地点は正面直線の入り口。初角の1角までは約400m程の直線距離が確保されている。ただ、上記の急坂を駆け上がりながらという力の要るポジション争いとなる。
 そのまま1角半ばまで坂を上り続けた後、向こう正面にかけて下り坂。そして丁度1,000m標識の辺りで平坦と変わる。

 最終の直線距離は310mと長くはなく、そのため各馬の好位意識から後半のラップはタイトになる傾向にある。そして小回りのコーナー設計故に、加速して差し掛かる4角は馬群が膨らみやすい
 前述のとおり310mという直線距離から基本的には先行有利。ただ、再度ゴール前の急勾配の上り坂が待ち受けている。更に起伏に富んだコース形態に加え、レース後半は激流と消耗の目立つ道中。故に好位確保のみに留まらず、小回りに対応する器用な脚スタミナ、そして坂を越えるパワーが求められる。

②馬場状態

 まずは馬場の内外それぞれ芝の状態を見ていこう。昨週日曜開催レースの映像を参照すると内目の馬場には若干の傷みはあるものの、脚を止める程の下地の露呈等は伺えない。現に昨週日曜開催の中山10R『鹿野山特別』の勝ち馬はラチ²沿い最内から抜け出しての勝利。
 ただ、ラチ沿いから4頭~5頭分空けた中程には伸びの良い箇所(図①の赤塗りの部分)がある印象。単勝上位人気馬での決着が目立つが、進路選択は共通点とも見て取れる。このことからも内外共に極端な進路選択は理想的ではないと言えるだろう。

図①

 次に上り3Fのタイムを見ていこう。ここでは同舞台設定の2レース、昨週開催の『鹿野山特別』と先々週開催の『美浦S』をそれぞれ参照する。

 まずは昨週開催の『鹿野山特別』から。前半1,000mの通過は62.5秒と重馬場開催を加味しても比較的落ち着いた流れ。レース後半は徐々にペースが上がるも、4角では依然として先団馬群一塊。故にゴール前の直線では先行勢に分の良い瞬発力勝負の様相となった印象だ。
 この時の上り3Fの最速は後方3番手で構えていた4着馬の34.8秒。先行3番手からレースを運んだ勝ち馬の上り3Fのタイムは34.9秒で2位をマーク。また、展開の恩恵が大きい印象は拭えないものの、8番人気の2着馬はハナ³ から上り3F35.6秒で粘り込みを見せた。

 続いて先々週開催の『美浦S』を見ていこう。こちらは良馬場開催。外枠から先頭を主張した2頭により前半1,000m通過は59.4秒とややタイトに刻まれた。それ以降も大きな緩みのないラップ構成に4角付近で先行勢は脚の上がる格好に。ゴール前の直線では中団~後方に構えた差し馬による瞬発力勝負となった。
 この時の上り3Fの最速は後方3番手で構えていた4着馬の34.7秒。中団追走から4角では5番手に上昇した勝ち馬の上り3Fは34.8秒で2位タイ。またタフな展開を先行3番手から粘り込んだ2着馬の上り3Fは35.4秒だった。

 また、今週末の中山競馬場の天気予報は晴れ。数日前からの予報を加味しても良馬場開催が想定される。そして、これらを踏まえると34.5秒~34.8秒辺りが上り3Fの最速ライン、先行ポジションからの粘り込みにも34.8秒~35.5秒の上りが必要になるだろう。

③直近10年の開催における好走馬の傾向

 コース形態・馬場状態で各馬の適性を判断した見た上で、『皐月賞』で求められる能力について見ていこう。(図②)

図②

 まずは前半1,000mの通過タイムについて。直近10年の開催において前半1,000mの通過タイムは60秒前半までに収まっている。これは出走各馬の抱える”3歳故の未完成さ”と“能力発揮に限定性がある脚質”の馬が出走するからと考えられる。

 次に”最も速い馬が勝つ”という謂れに倣い、上り3Fのタイムに注目する。直近10年の開催において上り3F最速を使った勝ち馬は10頭中4頭。確かに、その謂れ伊達ではないようにも。ただ、馬券内率という観点からは上り2位、及び3位の馬に軍配が上がっている。

推奨馬

 以上の予想と発表された枠順を踏まえ、好走を期待できる6頭を発表したいと思う。
 ◎⑭シンエンペラー
 ○⑩レガレイラ
 ▲⑫コスモキュランダ
 ▲⑬ジャスティンミラノ
 △②メイショウタバル
 ☆⑯ダノンデサイル

まとめ

 最後に買い目について。推奨発表は6頭ではあるが、各々に課題や不透明な部分が多い印象が拭えない。◎⑭シンエンペラーでさえ、展開と枠順ありきでの推奨。
 そのため馬券は【複勝】のみで勝負。幼さ故かレースで甘さが散見されるため、1着信頼はし難かった。4月13日(土曜)時点のオッズで1.5倍~と確認。150%~の回収率であれば十分と見て判断した。
 
 『皐月賞』の予想は以上。予想の参考になれば、スキとフォローを是非よろしくお願いします。

¹…『皐月賞』、『東京優駿(日本ダービー)』、『菊花賞』の総称。3歳馬のみが出走できるレース。
²…コースに設置されている柵のこと。
³…隊列の先頭。

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