ワンフェスディーラー初参加を考えてる人へのアドバイス

 ワンフェス終了後のこの時期、ワンフェスにディーラー参加してみたいと思っている人も多いかと思います。そこで私のディーラー経験をもとに、実践的なアドバイスを挙げてみます。

・好きな物・自分の欲しい物を造るべし
・原型が完成した段階で参加申し込む
・一度ワンフェスに一般参加してガレキを買って作ってみる
・事前にワンフェスマニュアルをよく読む
・版権物の合同卓は危険
・ディーラー名のネーミングに注意
・締め切り厳守
・ディーラーカットをまず作る
・無茶な数を申請はしない
・参加費用は少なくとも10万円以上はかかる
・本申請はなるべくパーツが揃った状態で
・粘土会に参加しよう
・サンプル提出は最優先
・誓約書送るときはレターパックで
・シリコン・キャストはけちらない
・作業は遅れる、スケジュールに余裕を
・展示の準備を忘れずに
・SNSでの宣伝大事
・売り子は信頼できる人に
・初参加で売れないのは当たり前

なお、ワンフェス参加申し込み前→参加申し込み→本申請→許諾後の準備→ワンフェス当日という流れと思って下さい。

1 好きな物・自分の欲しい物を造るべし

 自分の欲しい物、マイナーもメジャーでも関係なく、本当に自分の欲しい物を造りなさい。あくまで自分のために造ること、これが大事です。自分の欲しい物でないと、完成までのモチベーションが維持できません。
 人気のある作品やキャラの場合、パイが大きい反面競争が激しいのが実情です。知名度も実力のあるディーラーから売れるので、初参加だと厳しい場合もあると思っておくこと。これを理解した上で、それでも造りたいという気持ちを大事に。
 逆にあえて他の人が造らないマイナーの作品でも、ワンフェスレベルの数万人が参加するイベントなら、元ネタ知る人がある程度居る可能性が高いです。事前の宣伝が上手くいけば、元ネタ知る層にうまく届けられるでしょう。俺以外の誰が造るんだと思って、孤高に突き進むのも尊いものがあります。
 いずれにせよ、どちらも茨の道に変わりありません。

 それと自分が造りたい物が決まった段階でやっておきたいのが、ワンフェスに版権実績があるかどうかの予備調査。
 ワンフェス公式サイトにある版権マニュアルに、前回の許諾リストが載っているのでまずはそこを調査します。リストに載っていれば、かなりの確率で仮申請は通ります。
 もしリストに載ってなければ、過去のワンフェスの画像検索してさがしてみます。ただし企業ブースの出展物だと必ずしも当日版権許諾実績があるとは言えないので、注意する必要があります。
 また新作アニメなどは許諾実績ないので、原作や系列の出版社、アニメ製作会社が許諾リストに掲載されているかをチェックします。載っていれば、版権下りる可能性は高いと判断できます。
 逆に昔の作品の場合、現在の権利者が不明で許諾不可というケースもあり得ます。

なお、ワンフェスで無理と言われている作品はざっと以下の通り。
・ガンダムなど創通系サンライズ
 コロナ以降C3が開催されなくなり、現状ガンダムが下りる版権イベントはありません。
・小学館や集英社
 最近の作品や原作者次第では許諾されているケースもあります。ジャンプ系やサンデー系でも昔より下りるようになった印象です。ただ大御所系は難しいです。
・FSS
 20年ぐらい前は下りていたけど現在はダメです。
・任天堂
 幕張メッセに移った当たりから下りなくなりました。
・ディズニー
 説明不要
・実在の俳優など
 肖像権絡みで無理
・海外版権
 日本国内に窓口がない海外版権は絶望的。

 あと注意すべきなのが、同人誌やpixivなどの二次創作物の立体化は不可という版元が少なくありません。最近はガイドラインが公開される版元が多く、大抵は明記されてます。東方系などokの版元もありますが、事前に二次創作者の許可を得る必要があります。
 初参加の場合は二次創作物の立体化は避けた方がいいと思います。
 

2 原型が完成した段階で参加申し込む

 何も出来てない段階で、ワンフェスの参加申し込むのはかなりリスキーです。参加募集開始後、2ヶ月ほどで本申請する必要がありますが、その段階である程度形になってないといけません。
 初めて原型制作に挑戦する場合、試行錯誤しつつ2ヶ月で申請までたどり着けるかは、かなり厳しい物があります。
 パーツが揃っていないなど、明らかに不完全な状態では、不可になる版元は少なくありません。そして不可になっても、高額なディーラー参加費は戻ってきません。
 まず手を動かして造り始めることが大事です。ある程度形になってから、ワンフェス参加申し込むのが安全です。なお二回目以降の参加だと、ある程度ペース配分が解ってくるもので何とかなるものです。

3 一度ワンフェスに一般参加してガレキを買って作ってみる

 まだワンフェスに行ったことがないのなら、一度一般参加することをお勧めします。そしてこれはと思ったガレキを買って、実際に作ってみましょう。
 はっきり言って、初めて作るガレージキットが自分のキットというのはなかなかハードル高い物がありますので、他のディーラーのキットを見て作るだけでも勉強になるはずです。大手有名所のキットは、造形自体が参考になりますし、中堅以下の手流しキットは気泡埋めや表面処理のいい実戦経験になります。

4 事前にワンフェスマニュアルをよく読む

 ワンフェス公式サイトに、参加マニュアルと版権マニュアルがPDFファイルで載ってます。あらかじめ一読して、解らないことがあれば、メールなどで実行委員会に質問すること。
 あまりわかりやすいマニュアルではないので、実行委員会に聞きづらいのも確かですが、某掲示板などで質問するのは避けた方がいいかと思います。回答者がどんな人かわからず、デタラメだったり情報が古い可能性があり、鵜呑みにしてしまうのは危険です。
 身近にディーラー参加者がいればその人に聞くのも有りですが、参加経験が浅かったり、ディーラー活動から離れていると当てにならないこともあります。

5 版権物の合同卓は危険

 ワンフェスの卓代は高額(2023年現在一卓27000円+版権手数料2000円)ですから、友人知人と卓をシェアして少しでも安く参加したい気持ちはよくわかります。
 しかし注意したいのは、版権物だとサンプル提出を落とすと次回参加できないペナルティがあります。そしてこのペナルティは、同じディーラーで版権物申請した全員の連帯責任です。さらに、サンプルを後日期限内に提出出来なければ、ブラックリストに載り最悪ワンフェスから永久追放になります。
 ただの脅しと思う人も居るかと思いますが、私の知人で合同ディーラー主催者がサンプル不提出の巻き添えで、版元怒らせて永久追放処分受けてます。
 ですので版権物で気軽に合同卓にするのはとても危険です。ろくに会ったこと無い相手とネット上で意気投合して、合同卓とか死亡フラグです。こういう輩の尻叩いて、原型造らせて量産させてサンプル用意させるなんて、かなりの精神が磨り減ります。自分の原型だけでも精一杯なのに、他人の面倒見なければならないのは、まさに悪夢です。
 もし合同卓にするなら、エヴァやニトロ系といった個別に版権取れる所、申請不要なメガミデバイス系、オリジナルや小物系、これらを造る人と組む分にはペナルティ関係ないので安全です。

6 ディーラー名のネーミングに注意

 ディーラー登録する前に、あらかじめディーラー名を考える必要があります。登録済みのものと被る可能性があるので、幾つか候補を考えておきましょう。
 ネーミングで注意したいポイントが幾つかあります。
 まず読みやすく発音できるネーミングにするのが、結構重要です。要するに格好いいと思って英語表記のディーラー名にすると、読めない人が続出して、ディーラー名を憶えてもらえません。英文にするならカタカナ表記にするとか、誰でも読めるレベルの単語にすること。英語でこのレベルですから、ドイツ語表記とかロシア語表記なんかもっての外です。あと日本語でも何と読んだらわからないような漢字表記も避けましょう。
 そしてもう一つは、電車の中などで周りの人に聞かれても恥ずかしくないネーミングにすること。ディーラー名の変更は出来ませんので、恥ずかしいディーラー名は一生ついてきます。まああえてインパクト重視でという人も居るかもしれませんが、個人的にはお勧めしません。ちなみに以前某イベントでとあるディーラー名のアナウンスがかかったとき、会場内が爆笑に包まれたことがあります。
 あとありふれた名詞だけというディーラー名も、検索でヒットしにくいので避けましょう。
 個人的な印象ですが、○○工房・××屋・△△堂といったディーラー名が多いと感じてます。以前、工房とつくディーラー名を数えたことがありましたが、100ぐらいありました。

7 締め切り厳守

 ワンフェス参加の際、幾つかの締め切りがあります。
 参加申し込みに始まり、参加費振り込み、版権本申請、版権料振り込みと誓約書送付、これらの締め切りを必ず厳守すること。
 最近では参加申し込みや本申請がネット申請になり、ギリギリまで粘ることが可能ですが、サーバー落ちや時間切れのリスクがあるので粘りすぎるのは危険です。締め切りの1日前には申請済ませて、締め切り当日に再度確認することをお勧めします。
 あと入金の締め切りを守らないのは問題外です。万が一、入金を忘れたことに気付いたらすぐに実行委員会に連絡、指示を仰ぐこと。ちなみに入金を放置して永久追放になったという話を聞いたことがあります。

8 ディーラーカットをまず作る

 ディーラーカットの未提出は、自動的に落選対象になります。ここ10年近く毎回抽選になってますので要注意です。
 参加を申し込む前にあらかじめディーラーカットを作製しておき、申し込んでからすぐにアップロードすること。また、参加申請締め切り前に必ずディーラーカットが載っているかを確認すること。
 ちなみに現在は、ガイドブックではなく公式サイトに掲載されますのでカラー推奨です。

9 無茶な数を申請はしない

 初参加の場合、版権枠をフル申請したり、販売個数を50個にするのははっきり言って無謀です。
 申請枠は1個か、多くても2個に押さえること。版権枠をフルに使って全て申請通ると地獄を見ます。あえて絞る事で少しでもクオリティ上げるのが大事です。
 販売個数は、初参加なら5個から10個程度が適正だと個人的に思います。そもそも50個の商品を個人で量産するのは、初参加の人でなくてもかなり荷が重いです。もちろん業者抜きという手段もありますが、何十万円もの費用がかかる上、売れ残ったときのリスクを考えるとあまりお勧めしません。
 さらに版権料を事前に払う必要があり、1万円の値段で50個申請だと5%で2万5000円(プラス消費税)の負担になります。なかには10%の版元もあるので、その場合はさらに倍になります。
 どのみち初参加であまり売れないのが普通(ゼロだったという話は良く聞きます)なので、5個10個売れるだけでも凄いことなのです。

10 参加費用は少なくとも10万円以上はかかる

ディーラー参加の負担を可視化するとこんな感じ

 ワンフェス参加費は、参加料に加えて版権料、シリコン・キャスト代ひっくるめて少なくとも10万円以上かかると思って下さい。1/8サイズのキットで、パーツ数20~30個ぐらい、販売数10個の作品一つ、なおかつ関東在住でこれぐらいという感覚です。新作が複数あれば、シリコン・キャスト代は倍になりますし、遠方からの参加だと交通費や宿泊費がさらにかかることになります。
 また複製を業者に、完成見本をフィニッシャーに外注すれば、50万100万という数字に膨れ上がります。
 なのであらかじめ支出できる予算を想定、その範囲に収まるように申請数や販売個数を決めるのが大事です。版権元によっては、版権料10%の所もありますので要注意。あと版権料はイベント前の前払い、たとえ売れなくても返金はありません。
 またプラモデルの製作経験がない場合は、各種工具に設備投資することも必要になってきます。特にエアブラシやコンプレッサー、塗装ブースといった塗装関連の機材は必需品です。今はそれなりに安い機材が手に入りますが、それでも数万単位の出費になります。

11 本申請はなるべくパーツが揃った状態で

 本申請時の申請画像は、なるべくパーツが揃った状態で撮影すること。明らかに完成度が低いと、それだけで不可になるケースがあります。
 また最近はガイドラインを公開している版元も多く、許諾条件に原型が完成していることを挙げている版元があります。
 明らかに製作が間に合わない場合は、あえて取り上げる勇気も大事です。
 完成度低い状態で申請して、これが版権通ってしまったら地獄のようなスケジュールになってしまいます。
 あと、ピンぼけ・手ぶれと行った画像での申請は論外です。

12 粘土会に参加しよう

 粘土会と呼ばれる作業オフ会が各地で開催されてます。一般的に公民館などの部屋を借りて、そこで駄弁りながら作業する感じです。
 色んな人が参加されてます。誰でも名前を聞いたことがあるような商業原型師さんに、ベテランや中堅ディーラーさん、ガレキ製作専門の人にガンプラ作る人、最近ではデジタル造形の人も増えてます。
 自分の作業するだけで無く、他の参加者の作業も見ることが出来て、色んな質問もできる貴重な場です。ガレキイベントの経験談も聞けると思います。
 ツイッターやツイプラで粘土会(もしくはひらがな表記でねんど会)で検索して、近所に開催している所が無いか探して参加してみるといいでしょう。

13 サンプル提出は最優先

 版権許諾時にサンプル条件が提示されます。サンプルゼロという有り難い版元もありますが、大抵はサンプル提出が必要になります。完成品・商品・写真の三種類で、複数提出を求められることも版元次第ではよくあります。
 許諾後に原型完成したら、シリコン型を作って複製作業に移行しますが、サンプル提出分を確保することを最優先に考えること。これが大事です。
 ちなみにワンフェス当日にサンプル提出出来ない場合は、たとえ商品の用意が出来ていても販売は出来ません。タイトなスケジュールになればなるほど、サンプル提出分の準備が最優先になります。
 もし当日サンプル提出出来なかった場合、次回のワンフェスに参加できないペナルティになります。期日以内にサンプル提出出来たら、これだけで済みますが、後日提出すらできないとブラックリストに入って最悪永久追放となります。サンプル提出しない行為は、版権元を怒らせてしまい、最悪次回以降に版権が下りなくなり、他のディーラーにも迷惑がかかるのです。
 なお完成品と写真の場合は、原型に色を塗って提出という最後の手段があります(写真の場合は色塗った原型を撮影)。商品サンプルは通常であれば、1セット分多く用意するだけで楽なのですが、切羽詰まった状況だと型作って複製する時間が必要で、提出の難易度高くなります。

14 誓約書送るときはレターパックで

 本申請許諾されたあと、誓約書に記入して署名捺印、ワンフェス実行委員会に送り返す必要があります。この時は、必ずレターパック(安い方でいいので)を使う事。早ければ翌日に届いて、記録も辿れます。
 普通郵便だと、今は届くのに時間がかかる上、万が一紛失した場合対応出来ません。
 あと捺印を忘れやすいので、注意すること。

15 シリコン・キャストはけちらない

 型取り複製の極意は、シリコン・キャストはけちらないことです。
 材料費の値上げが続くこのご時世で、こう書くのはなかなか辛い物がありますが、あえて書きます。
 型取り作業になれない状況で、シリコンを節約しすぎると失敗したときにリカバリー出来なくなります。パーツを詰め込み過ぎず、余裕持った型であれば、たとえテストショットが上手く流れなくても、湯口を増やす余裕があるので充分対処できます。
 それとシリコン・レジンの発注時に事前の見積もりより若干多めに発注すること。以外と想定以上に必要になることはよくあります。足りなければ追加発注すればいいのですが、使用銘柄が品切れになったり届くまでの時間が無駄になったりしますので。

16 作業は遅れる、スケジュールに余裕を

 基本的に作業は想定より遅れがちです。特に初参加だとペース配分が掴めない分、スケジュールが厳しくなりがちです。
 なので、毎日少しずつでもいいのでコツコツ作業して、スケジュールに余裕持たせることが大事です。
 あと複製作業に入るデッドラインを意識して、それまでに原型を完成させることが重要です。個人的にはワンフェス3週間前がデッドラインと考えてます。粘土埋めとシリコン流しに一週間、量産に一週間、完成品製作に一週間というペース配分。これが二週間切ると、かなりスケジュールは逼迫して、一つのミスが致命傷になりかねません。
 ちなみに業者抜きに頼む場合も、とうぜん期限があります。
 ちなみにスケジュールという点では、夏のワンフェスの方が開催間隔が五ヶ月半と短めなので要注意です。

17 展示の準備を忘れずに

 初参加のディーラーでやりがちなのが、テーブルに直置きの展示です。ワンフェスに行ったことがある人ならピンとくると思いますが、大抵のディーラーは展示台を用意して、高さを稼いで展示してます。こうすることにより、人の目線に近くなり、作品を見てもらいやすくなります。逆にテーブル直置きだとスルーされがちで見て貰えない、ということです。
 なのであらかじめ展示台を準備しておくこと。イベント直前だと忙しくて手が回らないので、早い段階で準備しておくといいです。
 展示台は色々ありますが、一番手頃なのがダイソーでも扱っているフリーマルチパネルです。入手しやすく、お値段も手頃です。なお、購入時に一度試しに組んでみると、本番で手間取りません。
 飾り用の布使うのも有りですが、防炎布の使用が義務づけられてます。ホームセンターで防炎カーテン買うのが一番手っ取り早いです。
 それと以外と忘れがちなのが値札、作り忘れないように。

18 SNSでの宣伝大事

 今のガレキイベントでは、事前のSNS(主にツイッター)での宣伝が重要です。宣伝がおなざりだと、情報が買い手に伝わりにくくなり、どんなに良い作品も埋没してしまいます。宣伝せずに売れるのは、ごく一部の大手有名ディーラーぐらいです。そのような大手でも、手を抜かずに宣伝ツイートしている所がほとんどです。会場で全卓見て回る人はほんの一部なのです。
 宣伝で大事なのは、普段から途中経過をあげてこんな物作ってますよと事前にアピールすること。参加申し込み・本申請・版権許諾といったタイミングごとに画像付きで呟くのがお勧めです。
 ギリギリの完成だと完成画像を上げてもなかなか拡散しづらいので、1週間ぐらい前に完成させて残りの日々に毎日宣伝するのがベストです。
 なお宣伝ツイートには、ディーラー名・卓番・作品とキャラ名・商品名・値段を忘れずに書くこと。イベントタグも忘れずに。宣伝ツイをプロフィールに固定しておくのもお勧めです。また複数の作品があるときは、一まとめにしたお品書き画像を作るのも有効です。
 ツイッターも改悪されて、拡散しづらくなってますが、他に代替できるSNSがないのが悩み所です。将来的には違うSNSが主流になる可能性もありますが、ツイッター使わざるを得ないのが現状です。
 それと宣伝で重要なのが撮影技術です。手ぶれピンぼけな写真ではかえって逆効果です。背景や照明にも気を遣いましょう。できればミラーレス一眼ぐらいは欲しい所です。また、時間と財布に余裕があればフィギュア専門カメラマンに撮影を依頼するのも一つの手です。
 ちなみにいいねが沢山ついても、実際売れるのはその1/10から1/20程度というのが私の経験則です。RTやいいねが一杯つけば嬉しいことは確かですが、ぬか喜びに終わることもあり得ます。

19 売り子は信頼できる人に

 一卓につき二枚のディーラーパスがセットになります(もう一枚追加の有料オプション有り)。さすがに一人だけの参加だと厳しいので、誰かに売り子さんをお願いするのがベストです。
 注意したいのは、お金を扱いますから信頼できる人に頼みたい。ですから家族やリアル知人にお願いするのが一番です。ネットで募集して面識のない人にお願いするのは、出来たら避けたい所です。せめて何回かはリアルで面識があり、変な所がない人にお願いすべきです。
 イベントが初めての売り子さんには、版権シールの取り扱いなどきちんと教えること。店番の交代時間もあらかじめ決めておくのも大事です。
 ダメな売り子の例ですが、開場と同時に買い物に行って戻ってきたのは閉会間際とかありました(実話)。
 もちろん金品や売り物の扱いは、自分できちんと管理すること。
 ただ売り子さんに気を遣うのが苦手だったり、遠方の参加だとどうしても単独参加になるケースも。そうなると卓から離れられるのがトイレ行く程度になってしまいますが、致し方ありません。

20 初参加で売れないのは当たり前

 商品を量産して、提出サンプルを用意、展示品も完成させて、迎えたワンフェス当日、全然売れないというのは初参加ではわりと良くあります。
 ちなみに私の初参加は、20個持ち込んで2個しか売れませんでした。先輩ディーラーからは売れただけマシと言われました。ディーラーによっては、ゼロだったと話す人も珍しくありません。
 なのであらかじめ一個売れたらラッキー程度の心構えが大事です。
 そもそも初参加で販売までこぎ着けたこと自体が、凄い事なのです。多くの初参加者は本申請や量産で脱落してしまうものですから、難関を突破できただけでも奇跡と思って下さい。
 そして売れなかったらその悔しさをバネにしてください。次回のワンフェスが本番こそ本番です。
 ちなみに私の場合、10個完売して卓代上回る売り上げが出るまで三年かかりました・・・。

おまけ ワンフェス初参加に役立つムック本などの紹介

私OM-11が個人的に選んだ、ディーラー向けお勧めハウツー本です。

ノモ研(新訂版)   お勧め度★★★★★

 ご存じの方も多いかと思いますが、模型製作全般のテクニックをわかりやすく解説している超定番の一冊です。各種素材の解説・エアブラシの使い方から、ガレージキットの作り方、型取り複製まで載っています。
 私が持っているのは、改訂される前の版ですが、とても役に立ちました。さすがにフィギュア造形まではカバーしてませんが、おすすめの一冊です。

かわいい女の子フィギュアを作ろう!  お勧め度★★★★

 ファンドを使ってのアナログ造形のハウツー本です。一時期Kindleしかなかったようでしたが、最近増刷されたようです。
 この手の造形ハウツー本としては草分け的存在で、これ以前にこの手の本はありませんでした。自分がワンフェス初参加した時に、欲しかった一冊。
 造形だけでなく、型取り複製やイベント参加についての解説もあります。
 ファンド造形でワンフェス参加目指す人におすすめの一冊です。 

フィギュアの教科書 原型入門編   お勧め度★★★★

 プロ造形士の東海村源八氏による、軽量エポパテによる造形ハウツー本。
 意外とエポパテ造形本は少なく、これしかないと記憶してます。造形手法はどちらかというと削り派という印象です。軽量エポパテの軽くて削り安い特性ならではの手法です。
 実績のあるプロによるハウツー本というだけでも、充分買う価値はあります。

フィギュアの教科書 レジンキット&塗装入門編 お勧め度★★★

 造形に関するハウツー本は色々出てましたが、意外とガレージキットの作り方に特化した本は、この本が出るまでなかったと思います。
 初心者向けの一冊。100点満点ではないけど、初心者レベルならこれ一冊で、それなりのレベルで完成までこぎ着けられる。そう思わせる一冊です。

型取り・複製・置換マニュアル  お勧め度★★★

 現在出回っている型取りのハウツー本はこれだけです。モデルグラフィックの特集記事を再編集して別冊化したものです。
 ベテランディーラー勢にはちょっと物足りない物がありますが、初心者レベルなら読む価値はあると思います。

モデル・テクニクス 2―私立出戻りモケイ学園副読本 型取複製編 お勧め度★★★★

 初版がざっと25年前、現在は版元絶版で中古本で入手するしかないありません。古い本なので、シリコンやレジンの銘柄解説は役に立ちませんが、それ以外の記事は今でも充分参考になります。
 これで型取り複製を勉強したというディーラーも多いはずです。

長い文章、ここまで読んだ方、お疲れ様です。貴方のワンフェスディーラーとしての第一歩の助けになれたら幸いです。


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