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母親の傘

白杖を持ち、傘を持つと、両手が塞がります。
これでは誘導してくれる同行者につかまれません。
片方のてで杖と傘を持つというやり方もありますが、私は多くの場合、同行者の傘に入れてもらうようお願いするようにしています。

しかし、母親と歩いていると、私より身長が低いため、頭を曲げ、俯いた状態で歩くことになります。
その度に、私と母親の関係を象徴しているように感じます。

年齢を重ね、もっと1人で自由に生きたいのに、母親の枠からはみ出していて本当は苦しいのに出られない私そのものです。

そんな気持ちを持て余し、誰に相談することもうまくできずにいました。

その気持ちに寄り添い、視界を開いてくれた出来事がありました。
相談事業所の方との面談です。
わたしが視覚障害者の道を歩き始めてまもないころからお世話になっている方で、いつも的かくなタイミングで、わたしにちょうどよいアドバイスをくれる方です。
その方から、「一人暮らししたいと思うことはありませんか?」と問いかけられ、ハッとしました。

一人暮らしに対する不安を払拭し、母親に対して抱いている鬱屈した気持ちを肯定してもらったような気持ちになりました。

年末頃、実家を出られるよう、資金を貯め、住むエリアを検討し、わた視覚障害があっても使いやすい家電類を調べたいと思います。

今年の大きな目標ができて嬉しいです!

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