推しが受け対象から外れた腐女子の話

推し=受け
推し=BLの対象
これは私の腐女子としての6年間で例外の無い公式だった。

私は腐女子です。
二次元からナマモノまで沢山のジャンルで推しを作り、2次創作を楽しんでいます。
私は推しを受けに置くタイプで、供給が少ないジャンルでは小説も書くこともあります。
ですか、最近推しを受けとして、それどころかBLとして見られなくなってしまいました。

私がここ半年推しているのは、とある三次元の人間です。
ここからはAとします。
Aを知ったのはテレビのドキュメンタリー番組でした。
Aの生い立ちや性格がぎゅっと詰まった回でした。
そこで一目惚れというわけではなく、その後SNSでAとB(当時よくコンビとしてメディアに出ていた人間)の萌え語りが流れてきたことでじわじわと好きになりました。
そうです、元々私はコンビ(極論BL)としてAが好きになりました。
コンビのまとめ動画を見た後、私はさっそくナマモノの小説を読んだり書いたりしました。
Bを見ているAが好きだったし、普段とBと一緒にいる時のギャップに萌えていました。
私としては普通でした。

それが変わったのは出会ってから2ヶ月ほど経った頃でした。
私はその日初めて生でAを見ました。
その日Bはいませんでした。
Aは目立ちたくなさそうでしたが、誰よりも華がありました。
とても遠くの席でしたが、Aに夢中でした。
Bと一緒にいるAではなく、Aそのものに惹かれ始めていました。

そこから1ヶ月後にまた現場に行きました。
今度はBもいました。
その日もずっとAに夢中でした。
Bと一緒にいるAが好きだったはずなのに何故かAばかり見てしまいました。
不思議でした。
帰り道SNSでその日の現場の感想を見ていると、「Aはやっぱり強火B担笑」や「AはBのこと好きすぎる」のような意見を見つけ、何故か少し気分が悪くなりました。
その方々がB推しだったのかもしれませんが、Aを Bを通して見ていることが私はとても嫌でした。
BAの受けではなく真っ直ぐAとして見てほしい。

私はBが苦手になったのかと思い他のCPの小説を読んだのですが、結果は同じでした。
その頃から私はナマモノの小説があまり受け付けなくなりました。
何故か嫌でした。
今までの推しとは何が違う?

考えた結果、ある仮説がたちました。
初めて知ったAの情報が本業(アイドルで例えるならパフォーマンス)ではなく、その人自身だったからだと思います。
推しはそのジャンルでかなり期待をされている立場にあります。
私はこんなにスター性があってロマンがあって夢を見せてくれる人はいません。
でも最初にAの1番深い所にある部分を知ってしまった。
番組に多少の嘘や演出はあったと思います、しかし過酷な生い立ちや世間の注目に反比例するようにシャイな性格に私は何かを感じ取ってしまったのです。

ここまで読んでくださった方は、私がAを恋愛対象として見ていると思うのではないでしょうか?
多分違います。
私も最初はこれがリアコか!と思い、勝手におセンチな気持ちに浸っていました。
ですが、私が持っているものは恋愛感情では無いと思います。
私から見てAはかなり神経質で繊細です。
価値観も趣味も私とは全く異なり、まずAの好きなタイプは私とはかけ離れていました。これでは夢も見れません。
そもそも私がBLを好きになった理由の1つに、他人の恋愛を覗ける楽しさがあり、あまり自分自身の恋愛に興味がありません。

では神格化?
AをAとして以外は認めない信者?
我ながら過激な人間になってしまったなと思いましだがこれも違いました。
私はAのことを尊敬していますし大好きですが、何をやっても受け止められる程の度量はありません。
不完全なところが素敵ですが、肯定できない所もあります。

じゃあ庇護の対象?
これです。
庇護欲は一般的に力のある者が力のない者に対して持つ感情らしい。
私と比べてAは物理的にも社会的にも力は強いです。
なのに、しっくりきました。
自分でも何様だよと思いますが、私よりもずっと背の高いAを時々守ってあげたいと思ってしまう。
ほんの一瞬眉毛を下げる表情から初めて見たAが私の頭の中に戻ってくる。
私より厳しい所にいるのに、傷つかないで欲しいと思うのです。

個人差はあると思います。
しかし、私は推しにどうこうして欲しいと思う、所謂支配欲と、推しを守りたいと思う庇護欲が共存できなかったんです。
もちろん、今までの推しも私の思いのままになってほしいなんて思っていませんし、腐女子全体の意見ではなく、あくまでも私の気持ちの内の1つだったということです。
1番最初に推しの内面を知ってしまったら、自分の感情より推しの感情を考えてしまうようになりました。
半端に理解したせいで変に優しくなってしまいました。
なんだか馬鹿ですね。

みなさんはいかがでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?