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企業理念とは、従業員が立ち帰るべき場所である。

こんにちは、まねこです。
言ってることとやってることが違う会社って少なくないと思います。
お客様第一、って言うのに商品ゴリ押しして買わせたり、安全第一って言ってるのに残業時間マシマシだったり。
もちろん一般企業は営利団体なので、人に優しくしていればいいわけではありません。ですが、利益とお客様目線をなるべく同じベクトルにすることはとても大事であり、それをするのが経営者の仕事である、と私は考えます。

今日の記事です。

スープストック、企業理念に基づく「ぶれない経営」推進:日本経済新聞

私が住む街には残念ながらありませんが、東京に住んでいた頃、特に就活中によくお世話になりました。

周りが次々に採用が決まって、自由に旅行に行ったりサークルに精を出す中、私はいつまで経っても決まりませんでした。就職先が決まらないのに卒論もやらなければならず、本当にメンタルを病んでいました。食欲が落ち、よく眠れない日が続きました。
スープストックトーキョーは、就活中の大学生には決して安くはなかったのですが、スープとパンの組み合わせは、食欲の落ちた私の胃袋にはとても優しかった。静かすぎず、賑やかすぎず、落ち着いた雰囲気は私の癒しの時間でした。

中小企業診断士を目指す夫は、独立したいとぐちぐち言っている私によく聞きます。
「誰に何をどんな形で提供するのか」と。
独立したい、が先行する私は、まだその答えを見つけられていません。なので、その答えが見つかるまでは会社員生活を続けるつもりです。

スープ屋さんとしてスープをつくり提供するのは、当たり前。顧客がスープの対価として払うお金でビジネスは成り立っている。けれども、メールをくれた顧客にとって、一番の価値は「元気をもらうこと」だった。そのために来店し、結果スープを楽しんでくれる。 これこそが、スープストックの価値であり、「世の中の体温をあげる」を体現した行いというわけだ。

スープストックトーキョーであれば、「目の前のお客さまに、元気をスープの形で提供」していたわけですね。
これがもし、「安く提供すること」や「たくさんの人に提供する」だったら、また違った企業になっていたと思います。

どれが良い、どれが悪い、ということではないと思います。
ただ、本文にも書かれているように、ぶれることのない強いメッセージが企業理念には必要です。なぜなら、それがなければ従業員はどうしたらいいかわからないからです。

ただただ、ぼーっと働くことはできます。
ですが、「その仕事が誰に何をもたらすのか」
がわからないと、やるべきことを見失ってしまいます。
商品を早く安く提供して回転を早くすることなのか、ゆったりとした時間を過ごして欲しいのか。
企業理念に則って、いろいろなルールを決め、現場のノルマに落としていく必要があります。
そして、その時々で立ち止まって自分たちが何を目指してきたのかを意識する必要があります。

営業をやっていると、本来の目的を見失っている人が多くいます。
お客様第一を企業理念に据えているにも関わらず、目先の利益に囚われ、お客様第一を蔑ろにする人たち。そういう人たちを積極的に評価する人たち。
言っていることとやっていることが違う、のテンプレートみたいですよね。
そういった歪みは、企業理念への立ち返りが少ないからこそ起こることなのではないか、と最近思うようになりました。
最近よく言われるようになった「MVV」も同様で、折を見て振り返らなければ、ただ飾ってあるだけの絵と同じです。
当初目指していた理念と、現実にズレがあるのであれば、それは理念が浸透していないから、あるいは理念が形骸化している、のどちらかだと思います。
お客様第一を掲げていても、ノルマの達成でのみ評価されていたら、みんながノルマのことだけ考えるようになりますし、お客様目線なんてそっちのけになってしまいます。

「実績がないと潰れてしまうんだから仕方ない」という方もいらっしゃると思うのですが、その仕事は「誰に何をどのように提供しようとしている」のでしょうか。
その人は本当に企業理念に当てはまる人を幸せにしたのでしょうか。その企業にはその企業でしか達成できない魅力だってあるはずです。なのに、なぜ無理をしなければならないのか。それは、どこかに矛盾があるからなのではないでしょうか。
それらを確かめるためにも、企業理念はつねに振り返られるべきだと思います。

転職活動をしていて思ったことは、ベンチャーやスタートアップ企業理念ほどMVVを大切にしているということです。
企業としての地盤が決して強くないため、同じ方向を向いて仕事をする必要性を強く感じているからだと思います。
利益を出すことと、お客様を幸せにすること。
なかなか同じベクトルにはならない二つのことが、どこかで同じ方向を向くように一人一人が仕事に対して必死に向き合っていると感じました。

しかし、同じ方向を向く必要性があるのは大企業も変わりありません。むしろたくさんの人が働いているからこそ、たくさんの従業員に対して「何をしたい会社なのか」を伝え、行動できるように育成しなければ、いつのまにか空中分解することになりかねません。

スープストックトーキョーは、出店数などの目標を決めていない、と書かれていました。同じ方向を向いて仕事をしていこうとしたとき、企業規模の大きさは必ずしも良い方に働くとは限りません。
企業理念と向き合い、その達成のために必要な行動をする。
その考え方に私は共感しますし、これからもぶれずにお客様と向き合い続けてほしいと願っています。

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