見出し画像

サルコペニア フレイル カヘキシア

サルコペニアは骨格筋減少と筋力低下
骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群であり,加齢によるもの(一次性)と,廃用や疾病,低栄養によるもの(二次性)がある.

カヘキシアは骨格筋および脂肪組織の減少を主徴とする病態であるが,
発生機序は部分的に重複するところがある.

カヘキシア(悪液質)は,食欲不振,体重減少,骨格筋の減少を主徴とした病態であり,がんの他,多くの疾患に合併して認められる.

フレイルは虚弱
社会的・身体的・精神的の3種類。
基本的チェックリストの1~3は手段的ADL(外出、買い物、金銭)、4・5は社会的ADL(友人宅訪問、家族や友人の相談)、16.17は閉じこもり
であり、社会的フレイル評価としている。







高齢心疾患患者への運動療法の目的は筋力にとどまらずバランス機能や歩行機能、ADL能力の改善が求められる。改善したいのは
【筋力】【筋パワー】【筋肥大】なのかでアプローチは変わる。

【筋力】
ダンベルアームカールを例にすると、10kgのダンベルを持ちカール(肘が伸びた状態から完全に曲げること)ができれば、上腕二頭筋の肘の屈曲動作の筋力・筋出力は10kgということになります。しかし、これは上腕二頭筋のパワーが10kgという意味ではありません。

【筋肥大】
筋線維が肥大し、体積が増加すること

【筋パワー】
筋肉が素早い動きの中でどれだけ強い力を発揮する能力があるかを表すもの
簡単に表現すると筋出力をどれだけの速さで発揮しているか、ということになります。例えば、ベンチプレスで100kgのバーベルを挙げるとします。100kgのバーベルを胸の高さまで下ろしてから肘を伸ばして、持ち挙げる動作の時間が1秒だとします。すると、同じ動作を2秒かけて行った時と比べて、前者の方がパワーの値が高いことになります。

高齢者のバランス能力低下や瞬発力は筋パワー(筋力×速度)が関連している。求心性3秒、遠心性3秒かけて行うのが効果がある。



●認知機能
HDS-R(Hasegawa's Dementia Scale-Revised:改訂長谷川式認知症スケール)(所要時間:6-10分)
 HDS-Rは年齢、見当識、3単語の即時記銘と遅延再生、計算、数字の逆唱、物品記銘、言語流暢性の9項目からなる30点満点の認知機能検査である。HDS-Rは20点以下が認知症疑いで感度93%、特異度86%と報告されている7)。

  1. 2) Mini-Cog(2分以内)
     Mini-Cogは3語の即時再生と遅延再生と時計描画を組み合わせたスクリーニング検査である8)。Mini-Cogは2点以下が認知症疑いで感度76-99%、特異度83-93%であり、MMSEと同様の妥当性を有する9)。

MoCA(Montreal Cognitive Assessment)
MoCAまたはMoCA-J(Japanese version of MoCA)は視空間・遂行機能、命名、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識からなり、MCIをスクリーニングする検査である10,11)。MoCAは25点以下がMCIであり、感度80-100%、特異度50-87%である10, 12)。MoCAはMMSEよりも糖尿病患者の認知機能障害を見出すことができる13)。

MMSE (Mini-Mental State Examination:ミニメンタルステート検査)(6-10分)
 MMSEは時間の見当識、場所の見当識、3単語の即時再生と遅延再生、計算、物品呼称、文章復唱、3段階の口頭命令、書字命令、文章書字、図形模写の計11項目から構成される30点満点の認知機能検査である。MMSEは23点以下が認知症疑いである(感度81%、特異度89%)16,17)。27点以下は軽度認知障害(MCI)が疑われる(感度45-60%、特異度65-90%)18-20)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?