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日本離床学会

Q.
急性期ほど目に見える回復が得られず、離床のモチベーションが上がらない患者さんがいます。どのように声掛けをすべきでしょうか。



A.
患者さんの立場に寄り添うように5つのポイントを意識して、声をかけられると良いでしょう。

一つ目は、患者さんの困難や課題について聴くことです。

「今どんな状況か、話しを聞かせてもらえますか?」など、
共感を示しながら頻度高くコミュニケーションを取ることが最も重要です。

患者さんの情報が多いほど、アドバイスの選択肢が広がります。

二つ目は、患者さんの理想の未来について聴くことです。
「リハビリがうまくいったら、一番にしたい事はなんですか?」など、先に視点を向けます。

三つ目は、患者さんの自己効力感を高めることです。
小さくても、改善した結果のでたときの事を聞いて思い出させることで、
「挑戦してうまくいったことは何ですか?」「うまくいった要因はなんだと思いますか?」など、
過去のことから、成功体験を思い出してもらうようにします。

四つ目は、離床の意義と効果を説明し、達成したらどんな効果があるかを聞いてあげることです。


五つ目には、目標を達成するために、なにに挑戦するかを聴くことです。
「そのために、何に気を付けて取り組みますか?」「いつから始めますか?」
「私にサポートして欲しいことは何ですか?」などと聴いてみましょう。

ポイントはこの順番にあり、今の状況を確認し、過去について良かったことを聞き、
未来に向けて何がよくなると思うかを聞くことで、モチベーションアップに効果があります。

前提として、貧血や電解質異常など、モチベーション低下につながる病態がないかチェックし、
これらの異常がないのにモチベーション低下がある場合は、是非、参考にしてみてください。

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