【なろう漫画 紹介録】転生してハイエルフになりましたが、スローライフは120年で飽きました【フリーレン作者がやりたかったことがここにある】

フリーレンのストーリーが破綻しすぎてて見るのが苦痛だなぁと考えていたある日、そういえばフリーレンがやりたいことってこれか?と思ったので『転生してハイエルフになりましたが、スローライフは120年で飽きました』漫画版レヴューします。※ネタバレを含みます


まずは冒頭、江戸時代なのか昭和なのか平成なのかよくわからない絵と供になろうでは恒例の「転生者」自称が行われます。おっと、君はなろう初心者かな?なろう界隈では「おはよう」「おやすみ」のように冒頭では「転生者」を付けないと失礼に当たります。案の定、この作品でも「転生者」というアドバンテージを使って「現代知識を使って問題解決!」なんて事例は1件もありませんので、この瞬間に忘れてもらって構いません。
何しろ↓

ハイエルフとして生を受けて120年過ごしてきた里と今生の別れをする際にも出発前に挨拶したい人もいないレベルですからね。 人付き合いも下手なよくいる日本人が突然に異世界転生して硝煙の作り方だの畑の肥料の作り方だの知ってるわけありません。

で、この後の流れですがいつものように街に行って「また僕、何かやっちゃいました?」です。いやぁ、ここまでなろうテンプレ挨拶をしっかりされると「こいつ、挨拶しっかりしてるな」と感心しちゃいますね。ちなみにこのアプアの実もこの後は二度と登場しないので伊達政宗の金子(直江が扇子で遊んだあれ)と同様、初対面の相手への挨拶用小道具であることは確定的に明らか。というところで1話が終わります。

いやぁ、ここまでなろうマナーを極めていると素直に感心します。なんだろうこの安心感。
で、この後の流れですが各地を転々と放浪しながら鍛冶や剣の修練をしたり、人助けなんかしちゃったりしてヒンメルとフリーレンみたいな関係の奴(カエハ)が出てきます。序盤の山場としては外国にいるときにカエハの国に敵国が攻めてくるので帰ろうぜって話から始まります。
そう、この作品とフリーレンとの最大の違いはフリーレンが魔王を倒し勇者がすでに死んだ世界設定でストーリーが進んでいくのに「地球誕生5分前説」かのように登場人物が急に生えてきたような違和感を感じて没入感を阻害してくることですが、この作品は作中で人との出会いから別れまで描くので、そういった違和感があまり出ない事が違いです。

主人公が帰ってきた場面が↑これですね。
おいおい何だこのガキ二人は?もしかして各地を放浪しながら現地妻作るなろうハーレムか?壊れちゃうなぁ。
安心してください、この作品はなろう作品でありながら異種間婚姻を登場させないという珍しい作品です。そして「え、なんだって?」と違い、主人公はカエハが自分を好きなことも知ります。まぁ、それは自分で気が付いたのではなく隣の婆が死ぬときに言うだけなんですけどね。

私はあなたに呪いごとを言います
あなたはカエハに呪いをかけた
恋という呪いです
エルフと人間はともに歩むことはできない
だからあの子は、あなたに残せるものを考えた

私の剣はあなたのために・・・剣を子に継承し、あなたがいつここに帰ってきてもいいように道場を守り、子を育てましょう
恋した相手はハイエルフ、自分とは流れる時間が違い、あなたが現世に興味を向けるのは感心事
それなら私はあなたの中に技として生きます。あなたが私を忘れても、あなたの中に私は残る。あなたが私を忘れても、あなたが剣をふるうとき、私はあなたの側にいる。

そしてストーリーが進むごとにそれすらも過去の1ページとして、読者も記憶が薄れていく。いやぁ、作品の作りとして非常に上手くいっている。

お前がフリーレンに負けている理由、それはとってもシンプルで、簡単なたった一つの真実だぜ「コミカライズが小学館じゃなかった」デデドン。
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