見出し画像

WHOが発表、認知症を予防する習慣とは、ズバリ、こんなこと?

こんばんは。5月にWHO(世界保健機関)が認知症予防についての新しいガイドラインを発表しました。


認知症を予防するのにもっとも効果があるのは、以下の習慣なんだそうです。

・定期的な運動
・禁煙
・お酒を飲みすぎない
・体重のコントロール
・ヘルシーな食事
・血圧・コレステロール・血糖値を正常に保つ

これって、一般的な健康的な生活習慣ということですよね。

脳トレとかじゃなくて、こんなことなの!?と、正直思ってしまいましたが、WHOが発表した内容です。

しかも、脳トレが認知症の予防に役立つという確たる証拠はほとんどないと。


認知症にはできればなりたくありません。周りの介護する人も大変ですが、本人が一番辛いと思います。

病院にも、認知症でありながら他疾患の治療に来る方が大勢いらっしゃいます。今後、更にその割合が増えると言われています。

入院期間が長くなってくると、自宅とは異なる環境に来てしまったせいで、認知症症状がひどくなってしまうことはよくあります。

ある、80代後半の女性患者様も、入院期間中に認知症症状がみるみる間にひどくなってしまい、自分が入院していることも、何もわからなくなってしまいました。病院は介護施設ではなく、病気の治療をするところですので、なかなかじっくりと認知症症状の出ている患者様と関わる時間をとれないのが現実です。他の患者様の妨げになってしまうほどになると、ご家族に電話をして、落ち着くまで面会に来ていただくことも、ままあります。

ある晩、夜勤をしていると午後7時を過ぎた頃からその女性の雲行きが怪しくなって来ました。認知症患者様は、夕刻から症状が強くなる方も多いのです。

車椅子に乗っていた患者様が、私の顔を見て、「おねーちゃーん。私を置いていくなんてひどいよ。」とさめざめと泣いています。同じ夜勤をやっていた介護スタッフにも、同様のことを言って泣いています。「他の患者さんのところに、行ってくるからそれまで待っててくださいね。」と言うと、「大きいお姉ちゃんも小さいお姉ちゃんも、妹の私を置いて、他人のところに行っちゃうなんてひどいよ!」と今度は大声で激怒しながら泣きわめきはじめました。

あ、なるほど、その設定ね。と気付いた時には、すでに遅し。。30代看護師の私が小さいお姉ちゃん。50代女性介護士が大きいお姉ちゃん。80代後半女性患者様が、末の妹。就寝前の病棟中の患者様の看護、介護に回っていることが、小さい妹を置き去りにし、他人の所へ行っているひどいお姉さん2人。ということに彼女の中ではなってしまっているわけです。。

心の中では、「同じように、責任を預かっている患者様があと20人いるんだけど...。」と私が泣きたい気分につい、なってしまいましたが。。。

結局、その患者様を車椅子で連れて、他の患者様の検温や処置に回りました。男性患者様の病室に連れて入る訳にはいきませんので、病室の前で待ってていただいていると、すぐに泣きわめき始めます。消灯時間直前の病棟中に、声が響きわたっています。他の患者様方には、平謝りです。「看護師さんて、本当に大変ね。あのおばあさんも大変だけど、相手しながら、私の傷見にきてくれて。私は今日は調子いいから、あっちに行ってあげて。」なんておっしゃってくださる患者様の一言が、涙が出るほど嬉しくもあり、申し訳なくもありです。

雲行きが怪しくなってきた時に、内服してもらった薬がやっと効いて、日付が変わる頃に、寝てくれました。結局この患者様は、精神科の方で治療を行うことになったのです。

ということが日常茶飯事です。私は、翌朝日勤スタッフに勤務交代をすれば、そこで仕事は終わりです。しかし、自宅で介護されているご家族の方は本当に大変です。

そして何より、自分が何歳で、病気で入院していることもわからなくなってしまい、お姉ちゃんだと思っている人に放置されて、寂しくて、辛くて、どうしたら良いかわからなくて。混乱している患者様ご本人が一番辛いです。


認知症は、どういう原因で発症するのかは解明しきれていません。

明確な原因も予防策も解明しきれていません。

糖尿病が認知症の原因の一部に影響することは言われていますし、生活習慣がきっかけで発症することのある、脳血管疾患が原因で認知症症状を発症することもあります。

しかし、認知症を発症したことが、本人の責任だとか、悪いということもありません。今回書いた例も、私が経験した極端なものです。認知症という診断が出ても、いつもにこにこし、周りの方を幸せな気持ちにさせてくださる方がたくさんいらっしゃいます。

今回WHOが発表した、健康的な生活習慣というのは、一見すると、そんなこと?ですが、

若い頃からの生活の積み重ねの一つ一つを丁寧なものにしておいて、悪いことはなさそうですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?