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健康診断の中性脂肪値を信じてはいけないのか

こんにちは。moeです。今日のテーマは、健康診断、その中でも中性脂肪についてのお話しです。

日刊ゲンダイヘルスケア➕でコラムを書かれている、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の坂本昌也医師の記事をご紹介します。

健康診断や人間ドックのシーズンです。ある40代半ばの患者さんは、「健診の1カ月くらい前から準備をする」と話します。その“準備“とは、「炭水化物や揚げ物は一切食べない」「家で食べるのは鶏肉のささみか豆腐。外食では、もりそば」というストイックな内容です。
彼は、普段は夜遅くまで飲むことが多い。食事は、朝は自宅でパンとコーヒーと果物。昼は仕事の合間に急いで食べることがほとんどで、天ぷらそば大盛りやカツ丼大盛り、ラーメン&チャーハンをかき込む。愛煙者で、喫煙本数は1日20本超。
“準備“もあって、毎年の健康診断の結果は悪くない。
今年の健診後の面談では、「中性脂肪以外は問題ない。中性脂肪は高いが、これは食事の影響で上がったり下がったりしますから」と担当の医師や看護師に言われたそうです。
実は今、医療関係者の間で注目されているのが中性脂肪。特に、食後の中性脂肪です。健診で見るのは空腹時の中性脂肪であり、食後の中性脂肪は調べていない。空腹時の中性脂肪にしても、食事の影響を受けやすいので、“本当の数値“が分かりにくい。健診前、食生活に気を付ければ、数値は下がりますから。だから、医師から注意を受けることもない。ところが、食後の中性脂肪が高いと動脈硬化を進行させ、心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高めることが明らかになっているのです。
現代のビジネスマンの食事が夕食中心になっていることを考えると、寝ている間中、食後の中性脂肪がずっと高いことは容易に想像できます。昼にがっつり食べる人は、日中の中性脂肪も高い。つまり、1日の大半が食後の中性脂肪が高いまま。しかし、私たちはそれを知らない。もっと怖いのは、LDLコレステロールなどは下げる薬がありますが、中性脂肪は薬でコントロールしづらいのです。(日刊ゲンダイヘルスケア➕より引用)


中性脂肪の基準値は、空腹時30〜149mg/dlです。

健康診断では、空腹時の値が出るのがほとんどです。

健康診断で要検査と出てしまうと、医師の診察を受け、診断書を所属先に提出しなければならなくなります。そのために、上記の男性のように、健康診断の前に食事の調節をするという人は多数います。

「えっ。」と思う方もいるかもしれませんが、病院で働き、病気のことを知っている看護師でも、実はこのような方が沢山います。飲酒や喫煙の量が多い人も沢山いますし、ジャンクフードを好む人も沢山います。夜勤中、ふっと一息つくと、午前1時。「お腹すいたね。休憩しよっか。」とポテトチップスに手が。なんてことは日常の光景です。。

そんな日常をとりあえず表面化させないように、健康診断2週間前になると、「私(健康診断に向けて)調整してるから」と宣言する人が増え、休憩室のお菓子が少なくなります。

しかし、私の働いている病院では、40歳以上の人は、毎年全員、人間ドックを受けなくてはなりません。今年、人間ドック終了後に、何人もから、「脂肪肝って言われた。」という声が聞かれました。健康診断では、中性脂肪は正常値であっても、人間ドックではごまかせないんですね。お酒は嗜む程度でも、よく思い起こしてみると、指摘された人の共通点が、よく間食する人です。

私も人間ドックを受ける年齢まで、あと少し。夜勤中に間食してる。あー怖いです。

知識があっても、習慣ってなかなか変えられるものではありません。

坂本医師は、食生活が一番乱れるのは、健康診断のある春ではなくて、年末年始ではないか。「健診の数値は、本当の数値ではない」と自覚して、見方を変えるべきでしょう。と話しています。

確かにおっしゃる通り。
健康診断の1ヶ月前に、断酒して、ささみや豆腐という食生活を送る労力があるならば、週に1回は休肝日を作る。揚げ物ばかりでなく、野菜の量を増やす。お菓子に手が伸びる前に一旦躊躇する。といったほんの少しの心構えをしてみることの方が、長い人生を考えれば、大切なことなのでしょうね。

最後に、名言をご紹介します。

“人間は何も食べないで飢えて病気になるのと同様に、あんまり食べ過ぎて飽和状態に陥るとやはり病気になる。だからほどほどでいるということは、決して中くらいの幸福どころではない。”
シェイクスピア『ヴェニスの商人』より

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