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日本帰国時に感じた、素直な気持ち


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約1年7ヶ月お世話になったルワンダを去る日。


ルワンダ隊が空港まで見送りに来てくれた。


話したり写真を撮ったりして最後の時を過ごし、時間になると帰国する私たち4人は空港に入った。


まず最初は、ルワンダのキガリからエチオピアのアディスアベバへ。アディスアベバで3時間ほどの待ち時間があった。


この時点で、すでに目にするアジア人が多くなる。日本語を聞くことも増える。ルワンダにいると、アジア人はレアキャラだったので新鮮さを感じる。



協力隊のアフリカ隊が続々と登場し、久々に会う二本松の仲間や、インスタで見ていた駒ヶ根の同期たちが現れテンションが上がる。


時間になり、韓国の仁川行きの飛行機に乗り込む。



約22時間ほどの長いフライトだったが、うっすら寝て、食べて、写真の整理をしているうちに仁川に到着。



まず、トランジットの案内をしてくれる職員さんがいる。



声が大きくはっきりしているので行き先に迷わない。



途中で行ったトイレが綺麗。



便座が温かいことに驚いた。



手洗いとは別に化粧する用の鏡スペースもある。



韓国に行ったことがないので詳しくは分からないが、ここはもうほぼ日本だと感じた。



荷物検査はすごく混雑していた。



だが、係の人の仕事はテキパキしている。



チェックもきちんとしている。



アフリカ旅では出したことのないパソコンやタブレットも、バックパックから出せと言われた。(当たり前。いや、どっちが当たり前?)



荷物検査を終え、搭乗口に向かう。



時間がなかったので店を見る余裕はなかったが、搭乗口がある23番ゲートまでの道には、ドーナツ屋さんや韓国料理屋さん、カメラ屋さんなどがずらりと並んでいる。



それらを左右交互に眺めながら、早足でゲートへと向かう。




ルワンダでは絶対に見られない店の並び、綺麗な施設にテンションが上がるも、一番大きな感情はこうだった。







「悲しい」






現実に帰ってきてしまった。


もうルワンダでの日々には戻れない。


仁川に着いて、ようやく帰国の実感が湧いてきた。


喜びよりも悲しさの方が大きいことに自分でもびっくりした。




仕事のテキパキは、「せかせか」に映ってしまうし、他国にも誇れるレベルの清潔さは「過剰」と思ってしまう。





日本に帰りたくないわけではない。



もちろん、日本が嫌いであるわけもない。



悲しいと感じたのは、また4月から鬼のような仕事が待っているからではない。



毎日が忙しくなるからではない。



1個12円で買えていたアボカドが120円になるからでもない。








シンプルに、ルワンダでの暮らしが好きだったんだ。



スタバや大きいショッピングモールがなくても、



ただ道を歩いているだけなのに鼻の中が黒くなるほど車の排気ガスが汚れていようとも、



バスに乗っていたら窓をコンコンされてサモサはいらないかと声をかけられようとも、



私にはルワンダが合っていたし好きだった。



時間がゆっくりと流れていて



歩けば誰かしらが話しかけてきて



近所の子どもたちが手を振ってきて



すれ違う人とピースをし合う暮らしが。



木陰でバナナや野菜を売るマダムがいて、



何もしていないおじさんたちが木の下に複数人集まっていて、



タイヤと木の枝で遊んでいる子どもたちがいる光景が。









正直なところ、ルワンダを去るときは、環境の変化に少しワクワクしていた。




自分は生粋の飽き性なのだから仕方がない。




ルワンダは大好きだったので、いつか恋しくなるだろうとは思っていたが、こんなに早くそれが来るとは。




帰りたくないわけじゃない。



でも、帰りたいわけでもない。



結局、ないものねだりなのだろう。




会いたい人に会い、食べたい物を食べ、



「日本最高〜〜っ」と言っている自分も目に浮かぶが…。





そして、そんなことを思いながら仁川から日本の成田に向かう飛行機に乗り込み、予定時刻よりは遅れたが無事に到着。


ルワンダ隊の先輩隊員がお出迎えに来てくれていた。ずっと思っていたけど、ルワンダの先輩隊員って本当にすごい。感謝。


現職参加の隊員の飲み会があったので、他の国のメンバーと一緒に急いで空港からお店へ向かう。(このときまだインターネットをゲットしていないので、東京に不慣れな自分はこの人たちとはぐれたら終わる)


成田空港から電車で京成成田駅へ。


Suica使えるかな?と少し不安に思いながら


ピッをするも、見事に3人連続アウト。


ピッ×    係員にお知らせください

ピッ×    係員にお知らせください

ピッ×    係員にお知らせください


何事。恥ずかしい。


長期間使わなければロックされるらしい。


そんな感じで、切符の買い方、ホテルの自動チェックインのやり方など、それらの操作がたどたどしく、少しばかり恥ずかしい思いをすることがいくつかあった。


大学時代、長期留学から帰ってきた友達がスタバで人にぶつかりかけたとき、とっさに
“Sorry”と言って大笑いしていたが、その感覚も今なら分かる。


ムワラムツェではなく「おはようございます」と言うのも新鮮で何か違和感がある。


まあ、すぐに慣れるだろうが。


翌日、成田駅に向かう途中で朝ゴミ拾いをする人を見て、日本はいい国だと思った。




待っている人数は多いのにしんと静かな駅のホームを見て、こんなところでMISIAのEverythingを歌いでもすれば、9割の人間がこちらを見るだろうなと思いながら、静かにしておいた。


※ルワンダのローカルバスでMISIAのEverythingを熱唱しても、誰一人こちらを見ないことは実証済み。

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