まげて〜　のばして〜

もう10年以上前の作品になるんですね
『嫌われ松子の一生』
ネタバレ満載で使わせていただきます
更に古い話ですが「永遠の仔」というドラマを観てから中谷美紀さんが好きで
綺麗な人なのだけどどこか寂しさというか影というか
そうゆう表現がとても素敵なんですよ
そんな中谷美紀さん主演の「嫌われ松子の一生」はとっても重いテーマを扱っていますが
描写が面白く映像も綺麗で大好きな作品になりました
見たの先月なんですがw映画と自分の人生を重ねた主に管理人の話をします

舞台は昭和22年
雑に言えば優等生からの転落人生を描いた作品です

こう見えて私は優等生出身なんですが　笑
中学一年生まで学級委員のピアノがちょっと弾ける子供でした
そのあと昔の漫画のようなグレ方をしましたが
非行が終了して大人になってからも結局また”優等生”をしていたんですよね
それは自分の”理想像”に対しての「優等生」
だから決して世間一般から見た”優等生”ではなくて
クラブ通いしたりキャバ嬢したりっていうのも
理想像だったということになってくるのです

この理想の自分像　というがどうやってできたかというと私の場合
母親の教育すべてが間違っていると証明できる上に
父親の苦労人生を肯定することができる

（※ほとんどの人がこの逆をしていると思います）

そんな人物像を自分の理想として作り出し
そしてほぼ　その通りに生きてこれてしまった
両親への恨みと尊敬を基準にして人生の選択を重ねてきたから
私はやたらいろんな職業に就いているんですよね
それを証明するためにたくさんの経験が必要だったんだと思います

しかしある時　ずっとできていたことができなくなって
それでも無理に理想像に自分を押し戻そうと　すればするほど体がいうことをきかず
自己免疫疾患(自分の抗核抗体が正常な細胞を攻撃する病の総称)になりました
（ちなみにキズの新譜「ステロイド」はこの病気の治療薬で
副作用に苦労したためにこの新譜が買えずにいます(笑)）

そこから転落が始まりました
私がヴィジュアル系の世界に足を踏み入れたのは
その転落の初期段階で　もう人生すべて辞めてしまおうと思ったときに
hideという人物を知ったことがきっかけでした

派手に装飾されてはいますがこの映画を見ていると
自分の半生を見ているようで（笑）
主人公の松子は　晩年光GENJIの内海くんにハマるんですが　笑
ファンレターの返事がもらえなかったことをきっかけに
生きる目的を見失い　廃人となり
最終的にはそこらへんの子供に殺されてしまいます

映画とこんなに似ているなら私の今後・・　w
もし自分の人生の末路が　こんなふうだったら
それは悲しいことなんだけれど
でも　それでもいいかなと思ったんですよね
私という”生”がどんな終わり方をしたとしても
この人生全てを愛せる　自信というのかな

映画の中では体の病気ではなく精神の病を患っているんですが
メンタルを病むのも結局は　ダメな自分像との分離が原因と言われています
それ踏まえて
自己免疫疾患て　何かっていうと
自分の抗核抗体が正常な細胞を攻撃する病の総称　と書きましたが　これ実は
自分の自然な状態　つまり本来の自分を
理想の自分像に近づかせようとするエゴが攻撃している病
だと思うんですね

例えば　”誰かと話をしていて　なかなか上手く言葉が返せない”　とします
そんな場合の理想は”話を即座に理解して言葉を返したい”というもので
そうなれるように努力して　それができてしまったとすると
理想像になれた　ということになるわけなんですが
本来は　”話の理解が遅くおっとりしている”　これが自然な姿であり
その人特有の個性
そこをエゴが攻撃することによって　自分ではない何か　になってしまっている
それに気づかないで
できないことをできるようにしようという
そちらに頑張りの矛先を向けていると
病気や怪我がストップをかけてくれたりするのです

優等生の多くは　理想の姿　それはできない自分が望んだ姿なのかもしれませんし
松子のように　親に愛してもらえていると思える姿　であったり　多種多様ですが
何れにしても「自分ではない何か」　を生きているがために
人生が苦悩に満ちてしまう
私は身を以て体験してきたんですよ（笑）
理想像を生きれても　外側しか愛してもらえない　という
ジレンマとでもいうのかな

私もまた”自分”というものに戻っていっている最中ですし
本来の自分て　見るのが怖いものでもあると思うんですが
自分のできない　かっこ悪い　を認めていくと
確かに人生は開けてくるものなんだと思ってます

嫌われ松子の一生　見てない方は是非
結末書いちゃったけど(笑)
ミュージカル仕立てで豪華キャスト
めっちゃ笑えます
人生って喜劇なんだなっていう軽い感覚にもさせてもらえますので
お勧めです