平林緑萌

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平林緑萌

編集者。合同会社志学社代表取締役。写真は飯本貴子さんに撮っていただきました。漫画原作や文筆は草香去来(https://twitter.com/kyorai_kusaka)名義でやっています → https://amzn.to/2Bmpwcm

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  • 平林緑萌の歴史雑記

    編集者・平林緑萌の歴史に関する随筆集です。単体でもお買い上げいただけますが、継続購読の方がお得になっております。内容的には中国古代史や日本古代史および中世史、文化人類学などが中心になると思います。

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系譜はなぜ伝えられたか──桜井茶臼山古墳と闕史八代

 歴史雑記147 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  どうも2023年は日本古代史にとって記憶される年になりそうだ。  富雄丸山古墳に続き、こんどは桜井茶臼山古墳で、副葬されていた銅鏡の数が100面を超えることが判明したのである。  桜井茶臼山古墳での発見については、まず下記の記事をお読みいただきたい。  そのうえで、今回は記紀の保存した系譜について考えてみたい。 なぜ系譜の話になるのか  どうして古墳の話から『古事記』や『日本書

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    • 柿本人麻呂とわたくし あるいは「ちんぽんかんぽん祭」について

       歴史雑記160 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  少しばかり過ぎてしまったが、3月18日は柿本人麻呂の忌日と伝わる。ちなみに小野小町もそうである。  これらはもちろん、後代に生まれた伝承であって、なにか史料的な根拠などがあるわけではない。  以前も柿本人麻呂については書いたことがあるが、今回は少し趣向を変えて、平林少年と人麻呂について書こうと思う。  (以前の記事はこちら) 葛城市柿本について  これは以前の記事でも触れたが、

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      • 奈良県民マジで筒井順慶に興味ない問題

         歴史雑記159 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  ※ヘッダは箸墓古墳。被葬者は卑弥呼だとか壱与だとか言われる。 はじめに  以前、戦国史研究会の懇親会で冗談混じりに「平林さんは筒井氏をやればいい、そうしたらすぐに第一人者だ」と言われたことがある。  要するに、筒井氏研究を専門にやっているひとが一人もいない、というわけである。  筒井氏や戦国史に限らず、奈良県は中世史研究が盛んではない。  理由はいくつかあるが、割と深刻な構造的な問題があるの

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        • お詫び(2月はあと2日必要)

           購読者の皆さまへのお詫び記事です。

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          雑記0225:アイドレスの日々

           芝村裕吏という日本を代表するゲームデザイナーのひとりが、17年前からGMとして主催している「電網適応アイドレス」(以下、アイドレス)というゲームがある。  簡単に説明できないのだけれども、ネット上で行われる大規模PBMのようなもので、プレイヤーは藩国と呼ばれるプレイグループに所属して、さまざまな課題に挑み、国づくりをし、恋愛(ときに結婚)をし、芝村作品のキャラクターと交流し、敵が出たら戦う。うどんも茹でるし、野菜はよける。  なんでもありである。  ゆえにプレイヤーの負荷が

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          史料としてのブックカバー(書皮)

           歴史雑記158 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  日本では新刊書店だけでなく、一部の古書店でもブックカバー(書皮、以下ブックカバーで統一)をかけてくれる。  なかには著名なデザイナーや画家が手がけたものもあって、それなりに蒐集家(コレクター)がいるようである。  本も2冊ほど出ているし、ウェブサイトなどもある。ただ、蒐集家の数がそこまで多くはないのと、元が無料かつ大量に存在するものなので、市場というほどのものもない。  これは実はも

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          雑記0217:体調が終わってる日々

           2月7日、朝から身体がやたらと痛かったのだが、そのときは平熱で、夕方になってから猛烈に熱が上がる。  深夜2時頃には38度を超え、「これは終わったかもわからんね……」と思いながら、朝を待って発熱外来に。検査結果はインフルエンザB型。  会社に自己隔離して、ひたすら食べて寝るだけの日々。仕事、仕事をしなければいけないのだけど、とてもじゃないが頭を使う作業はできない。  *  で、12日いっぱいでようやく謹慎が明け、「さあ、遅れた仕事をやるぞ!」と思ったのも束の間、翌日から

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          人名の読みを調べたい(近現代)という場合[簡易版]

           歴史雑記157 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  タイトルを見て、「近現代といっても長いだろうがよ〜!」と思ったアナタ、はいそのとおり。  ただ、今回はざっくりなので、その部分には目をつぶっていただきたい。  さて、人名の「読み」を調べるのはなかなか骨が折れる。  特に前近代となると、読み仮名が振っていないことが大半だし、類推して仮の読みを当てるしかない場合も多い。  「竜」「辰」と表記が揺れているからこの人物は「たつ」と読むんだ

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          レファレンスカウンターを使おう──案外知らない調べ方

           歴史雑記156 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  今回の記事は小林昌樹さんの『調べる技術』(皓星社)を読みこなして、活用しているという人には全然必要ないと思う。  逆に言うと、「あー、『調べる技術』を立ち読みしたけど、ちょっと難しかったわ」という人には役に立つかもしれない。  始まりは、知人の編集者からの問い合わせであった。 あたりの付け方──「こういうのってどう調べたらいい?」  その編集者──仮にHとしておくが──のもとに、あ

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          稗田阿礼は『古事記』を暗記していなかった

           歴史雑記155 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  諸星大二郎の漫画「妖怪ハンター」シリーズの主人公・稗田礼二郎は、映画版『ヒルコ/妖怪ハンター』では『古事記』を暗記していることになっている。  稗田礼二郎の名は、もちろん稗田阿礼から採られている。映画では沢田研二が演じ、その後に発表された作品では、「先生、ジュリーに似てるって言われませんか?」と女子生徒に呼びかけられる場面があったりする。  俺たちの諸星大二郎は案外お茶目なのだ。

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          雑記1017:腰がおわんぬしてしまった

           最近は土日もみっちりと仕事をしなければならないくらい追い詰められている。  これはどう考えてもよくない状況で、僕だってできれば土日は仕事をしたくない。とはいえ、あまり迷惑をかけるわけにもいかないから、土日も仕事をするしかない。  昨年12月に予定を詰めすぎたのが原因のひとつで、もうひとつは年明け早々に超大急ぎ案件が舞い込んだためだ。  5日に打診があって、すべてを14日までに完了する必要があった。そりゃあもう、てんてこまいである。  おかげさまでこの件は何とかなったので、い

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          雑記0102:今年は「普通」にやりたい

           129  昨日は近所の鎮守に詣でた。  諏訪神社なので、祭神のメインはタケミナカタだが、摂社もいくつかある。  稲荷社では「金! 金! 金をください!」と、天神社では「(学問的な)原稿が早く上がりますように!」と、それぞれ拝み倒してきた。  これでひとまず安心である。   *  地震の話はここではしない。  これを読む人の多くにも、きっとご理解頂けるだろう。   *  さて、今年の抱負を具体的な言葉にするとあまりに生々しい。  会社をぶん回していると、どうしてもそ

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          弥生時代の文字使用について②──砥石、刀子、古代氏族

           歴史雑記154 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) ※ヘッダ画像は大阪市平野区、喜連東遺跡出土の刀子(5世紀)。 はじめに  この記事は以前書いた下記の記事の続編である。  これを書いたときは、そもそも「弥生時代中期の硯」とされるものだけで、文字使用の証拠とできるのかどうか、を論点としていた。  その後、いくつか新たに考えたことがあるので、今回はそれを中心に記し、もって文字使用に関するアプローチが他にもあるのではないかという論点を示したい。

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          雑記1226:予定を詰めすぎる

           128  年末である。  午後イチで打ち合わせを1件終えて、年内残り4件ある。  営業日は今日を入れて3日だから、我ながら予定を詰めすぎである。  1日に1件でも僕にしては多い方だし、会社にいたって電話がかかってきたりもするから、全然集中して作業できていない。  今月は城崎出張もあったし、とにかくスケジュールをこなすだけで精一杯だった。  年末年始で少し落ち着いて本を読もうと思う。   *  ありがたいことに年内ギリギリで八木書店さんから既刊注文をまとめていただいた。

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          日本古代史のおさらい② 系譜/伝承はどの程度遡るのか?

           歴史雑記153 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) ※ヘッダは明治時代に描かれた武内宿禰。 はじめに  前回の記事は少々詰め込みすぎたので、最初におさらい①のおさらいとして、論点を整理しておこう。  箇条書きにとどめるので、より細かな部分は前回の記事を読んでいただきたい。 文字史料を扱う歴史学においては、自国史としての日本史は3世紀に始まる。 この時期は考古学における古墳時代初期でもある。 4世紀は歴史学的に史料がほぼない(いわゆる空白の

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          雑記1208:日記をつけている

           127  第五期の決算もなんとか終わり、おかげさまで手堅い数字にまとまった。  ようやくここまできたか、という感慨とともに、まだまだこれからで、たくさんやるべきことがある、というふうにも思う。  会社にひとりでいるのは孤独だ。ひとりで黙々と働き、考え、金の算段をし、意思決定をする。  なにせひとりだと全部自分でやらないといけないから、バカみたいに忙しい。原稿を集中して読むのさえ一苦労だ。  とにかく「普通」にやるだけだ、と自分に言い聞かせながら、日々孤独に苛まれている。

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