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《アメジスト》 と 《アメシスト》

さてもうすぐ SELSHA  9月のルース販売日です!SELSHA とは、MOEMI SUGIMRURA のジュエリーの創作活動とは別に、石だけを他のクリエーターやコレクターの皆様にご紹介する別ライン。現在は月に一度のオンライン販売と定期的なミネラルショー出展を中心に動いています。

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本日のお題は《アメシスト》と《アメジスト》
ズバリ!正式な呼び方はアメシストです。Wikipedia でもそうですし、日本ジュエリー協会と宝石鑑別団体協議会でもそう定められています。でも日本では “アメジスト” という名前が広く知られているので、知らなかったという方も多いですね。いわば和製英語のようなものです。

日本人が難しい発音
英語で ”th” の発音は濁る事も濁らない事も両方あります。例えば同じ theのスペルでも、"これらの"という意味のジーズ theseは濁点がつく発音、シアター theater は濁らない発音です。日本人にはこの濁らない th の発音が難しいので Amethyst も"ジ"と発音するように定着してしまったんでしょうね。

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英語で業界用語を学ぶ
余談ですが私はアイルランドに住んでいた時にジュエリーショップ⬆︎で働いていました。私のボスだけでなく、旦那さんもシャネルなどを取引先にもつ別の大手のジュエリー資材会社欧州支部マネージャーだった為、二人からは色々と学ばせてもらいました。

そして、タイに越してからは AIGS というタイの宝石鑑別機関でグレーディングの勉強を。もちろん全て英語です、日本語で学ぶことは避けました。何故なら英語で業界用語をダイレクトに吸収して実践に活かしていかないと、海外仕入れをするバイヤーとしては一人前ではないと思っていたからです。

コンプレックスをバネに
会社員時代も海外買い付けをしていましたが自分に足りないと思って留学のきっかけになったのはまさにそういう部分。日本人は英語ができないとよく言われますが、特に高額な宝石を扱うビジネスシーンでは、私みたいな若い”童顔バイヤー” はそもそもなめられがちなので英語で対等に話せなければいけないんです。

スマイルとジェスチャーで乗り切れてもコミュニケーションや信頼関係はそれなりにしかなりません。だからこそこの”Amethyst” の使い方にも敏感なのかもしれません。

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あたはどっち?
私は ”アメシスト”と使っています。どっちでもいいじゃん!「郷に入れば郷に従え」的な考え方で、日本で売るなら”アメジスト” でいいじゃん!という方もいるでしょう。うちの夫はそんな感じ 笑。でもこのちょっとした違いを知る事が、信頼できるお店なのかどうかを見分けるひとつの方法になったりするんです。(あくまでヒント程度ですが )

私は石のお店を見る時にどちらを使っているか気にします。といっても実際はアメジストと使っているお店が大半ですし、その中でもちゃんとした所も沢山ありますからから一概には言えませんが、大手ジュエリーメーカーや鑑別機関 はアメシストを使います。要はその違いから石の専門知識があるかどうかを見て取る一つの判断材料にもなるんですね。

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一概には判断できない理由のひとつ
これは自分がバイヤーという立場ゆえに感じることだと思いますが、個人企業でも頻繁に英語で海外仕入れをする人は、アメシストという発音に聞き慣れ、使い慣れていると思います。

でも私の周りで海外仕入れをしている人の中でも、例えばヒンディー語ができてインド買い付けをしている人、タイ語ができてタイで買い付けをしている人はアメジストと言うんです、中国仕入れしかしない会社もそうです。

彼らはその土地に特化したビジネスで私よりも経験値も知識もはるかに高い、ただローカル言語ができてしまうから、アメシストという発音に慣れていないだけなんじゃないかなと思ったりします。

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石を売る全ての人が石のプロじゃない
今はネット販売が容易なので色々な人がインターネット上で一般小売向けに天然石を売っていますよね。どの業界でも言えることですが、必ずしも売り手が石のプロというわけではない。あくまでビジネスの一つとしてやっている天然石販売だったり、”作る方”がプロの天然石ジュエリーだったり。

正直私も、自分石のプロフェッショナルです!と言い切れるようになるまでにはあと10年はかかる気がします 。全ての石を網羅するって無理に等しいし鉱物と宝石でも違う。もちろん私も知らない事、知らない石、沢山あります。アメシストとアメジストの場合は、違いをわかった上で、あえて日本人に合わせて、あるいは検索対策でアメストと使っている場合もあるでしょうし。

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買う側の知識
じゃあなぜこんなちょっとした違いについて長々と書くのかっていうと、時々私のお客様から心が痛い話を聞くこともあるからなんです。石というのはとても専門的な分野だし相場って有って無いようなもの。名前だって商品名としては売る側が勝手につける訳ですよね。

今回販売するトラピッチェ模様の入ったアメシストも、他の人はスーパーセブンと言ったりエレスチャルと言ったりその基準ももはやなんでもありになってきて。でも買う側が知識があればどんなお店からだって納得いく買い物ができます。やり方が胡散臭かろうが、素人が売っていようが関係ありません。

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カタカナあるある
勘違いしてはいけないのはアメジストと言っているお店は✖️でアメシストと言っているお店は信用できる◎ということでは全くありません。ロマンティックロマンチックみたいな感じで英語をカタカナにすると、いく通りか言い方あるものって沢山ある訳で、アメジストもその一例。

有名な鑑別機関でも、いわゆるカタカナの”ジャパングリッシュ” で書かれていて、一瞬意味がわからない時があります。それらしき英語のスペルを手当たり次第タイプしてみて調べ直したり  笑 。

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”信頼できるお店” を見分ける判断基準を
綺麗ならなんでもいい!細かい事は気にしない!というのは一番幸せな考えです。石の知識がちょっと劣っていても店主の人柄が最高、デザイナーのセンスがツボ、という場合もあります。

一言 ”信頼” といってもその基準も人それぞれです。だからこの”アメジスト”のウンチクは、ほんの小さなヒントですが、知らなかった〜という人には新たな視点が出来るきっかけになれば良いなと思っています。

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★追記:この記事を公開後、思わぬ反響もあって続きを書きました★
 《 追記 ”にわかバイヤー" 》はこちらから↓

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