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育休ワーママ、大学院入試を受ける/②家族への相談~受験決意

出産を終えて、キャリアとこれからのたな卸しをする中で、
  ・人材開発・組織開発の仕事をもう一段深めたい
  ・経営と働く職場に貢献できる課題解決力を身につけたい
との想いが強くなっていきました。そんな中で出会った立教大学大学院 経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)

在学生の知人に話を聞くことができ、惹かれる気持ちはどんどん大きくなっていきます。

↓前回の話はこちら↓



10月:迷い~家族への相談~そして迷い、決意

小さい子供たち。今、やるべき事か

一方で、まだ大学院進学を躊躇する自分もいました。

家族の時間をたっぷり取りたいと思って、約2年で取得予定の育休。加えて第2子の誕生後、2歳になるお姉ちゃんは赤ちゃん返りの真っ最中。まだまだ新しい環境への適応途中で、以前にも増してママを求めることが増えていました。

LDCの授業は金曜日の夜と土曜日の週2日。オンラインでの参加ができるのは有り難いものの、それでも授業の間は夫や実家に助けてもらう必要があります。保育園に通う上の子にとっては、週に2日しかない貴重な家族時間のうち半分を私は授業に費やすのか。

また、LDCの授業には、ほかの同期と共同作業で行うプロジェクトワークがあります。授業の日以外も、早朝もしくは夜に2~3時間のミーティングをすることが多いそうで、忙しい朝や負担の高い寝かしつけ対応(うちの子は本当に寝ない…)で夫に負担が偏りそうなのも悩ましい点でした。

本当にあっという間の子育て期間。大学院進学は果たして今、貴重な子供の幼少期にやることなのか。数年後、もう少し子供たちが大きくなってからでもいいのではないか。

私のやりたいことは、仕事に向けた自己研鑽であって、大学院進学はあくまでその手段の一つ。そう考えると、たとえ学びの角度が緩やかになったとしても、LDCにこだわらずもう少し負担の小さいプログラムを活用したほうが現実的なのではないか。そんな考えがよぎります。

学びたい気持ち。大学院への止まらないワクワク

そんな葛藤とは裏腹に、LDCにときめく気持ちも大きくなっていきます。

在学中の知人から話を聞いた次の日には、彼女にお勧めしてもらった本「人材開発・組織開発コンサルティング」を買いに行きます。LDCの教授を務める中原先生が出された新刊で、LDCのある授業をもとに書籍化されているとのこと。

読み始めてすぐに、自分が言語化できなかったモヤモヤが晴れる想いがしました。2年間の顧客接点の仕事を通して、感じていたモヤモヤや経験した失敗が様々な観点で言語化されていて、「営業になったときに知りたかった!」と思うことばかりでした。

とくに稲妻が走ったのが、科学知と臨床知、そしてアカデミック・プラクティショナーについての記述。

わたしは、本書の読者の皆さんに、人と組織に関するアカデミックを「科学知」を持ちながら、実践的な「臨床知」を発揮し、経営と現場にインパクトを与えることができる「アカデミック・プラクティショナー(Academic Practitioner:高度な科学知に根差しながら、経営・現場に価値貢献できる実践者)」になっていただきたい、と願っています。

実際、本書の内容を教えている立教大学大学院 経営学研究科 リーダーシップ開発コース(人づくり・組織づくりの大学院)では、コース開設当初から、「科学と現場の往還」「科学知と臨床知の融合」という理念を掲げ、そのカリキュラムを「アクションリサーチ」として達成してきました。

~中略~

アカデミック・プラクティショナーとは「野生を生き抜く賢さ」の発輝です。常に変化し、荒れ狂う、剥き出しの「野生」に挑むためには、わたしたちは「素手」で生きるわけにはいきません。「科学知」を片手に持ちつつ、先人の知に虚心担懐に学び、先人の「肩の上」から、現場を見つめる必要があります。

中原 淳著『人材開発・組織開発コンサルティング』P.66~67

これまで経験した顧客接点での仕事は刺激に満ちて楽しかった一方で、「ベストプランは他にあるのでは、もっとよい企画ができるのでは」と、自分の課題設定力・企画力への自信のなさから暗中模索にもがいていた感覚がありました。

そのもがきに対して「科学知」は大きな手助けになるのではないか。科学知の学び方・現場への活用の仕方を学ぶことができれば、たとえ「科学知」の中身が更新されても、課題解決にあたる際の変わらない武器になるのでは。そして、その科学と現場の往還に焦点を当てている学び場はLDCしかないのではないか。

やっぱりここで学びたい。
モヤモヤぐるぐるが止まらなかった数日に光が差したような感覚がありました。

夫への相談

この間、夫は私の浮き沈みを少し距離をとって見ていました。
幼い子供たちとゆっくり過ごそう、と話していた育休取得前に反して、急展開に突っ走っていく私。戸惑いは大きかったと思います。改めてLDCに惹かれていること、進学を真剣に検討したいことを伝えた際も、反応は後ろ向きでした。

授業中の子供の対応はどうするのか。
実際にいつ、どのくらいの負担を覚悟しなければいけないのか。
自分は進学を手伝うために育休をとるわけではない。
進学のタイミングは本当に今なのか。

それぞれに対策と回答も考えていたものの、正直詰めが甘かった部分を実感しました。また、それ以上に猪突猛進モードの私に対する気持ちの問題が大きかったと思います。

再び迷う

彼の言うことも最もだ。彼の支援なしには進学は難しいし、実際少し冷静になった方がいいかもしれない。どうしたものか、と再び暗雲が立ち込めます。が、その時、先日話を聞かせてくれた知人から、同級生に育休中のワーママの方がいると聞いたことを思い出します。
再び彼女にコンタクトを取り、その方からお話を聞かせてもらうことができました。

LDCと育児の両立生活や周囲にお願いしている支援、子供たちの反応など色々なお話を伺う中で、想定外の情報を得ることができました。それは以下の点です。

  • 金曜夜(18:30~22:00)と土曜(8:50~17:00)に実施される授業も、毎回フルで授業があるわけではない。土曜日は午前のみ実施やそもそも授業がない週もある。学年や学期によっても開催授業数は変動する。

  • 大学の休み期間は授業は行われない。そのため、1年間毎週授業があるわけではなく、濃淡がある。

自分の大学時代を思い返せば、確かにそうか!と目から鱗でした。私は入学したら2年間毎週金曜と土曜は授業があるものと勝手に思い込んでいたのです。(おい!笑)具体的なスケジュール例を見せていただきつつ、これなら濃淡をつけながら家族の時間も確保できそうだ、と希望が見えてきました。

決意

家族との時間を大切にしたい想いと自分の興味関心を突き詰めたい想いの狭間で何度も何度も気持ちが揺れ動きましたが、逆にそのプロセスを通して自分自身の大切にしたいことや想いは明確になっていきました。

私が一番に大切にしたいのは家族の健康と幸せ。これは譲れないもの。

一方で仕事と勉強を大切にしたい気持ちも本物で、私の幸せを握る大事なパーツ。大学院への進学は今を逃すと次に訪れるチャンスは近く見積もっても5~10年後になるだろう。親の介護や自分のキャリア・健康との兼ね合いを考えれば、最後のチャンスかもしれない。

それならば、やってみよう。やってみてダメなら一時休戦*すればいい。
そうなったとしても過程で得るものがあるはず。向かいたいゴールを思えば、無駄じゃない。

そんな風に思えるようになってからは、シンプルでした。
思いつく限りの避けたいシナリオとその回避策を考えるようになり、迷うよりも実現するための方法を考えるように、思考がシフトした気がします。

夫への相談(懇願?)は並行して続けながらでしたが、自分の中で迷いがなくなったことは大きく、受験に向けた勉強へとシフトすることができるようになりました。また、自分の中での優先順位が明確になったことは、夫にとっても安心要素の一つになったようでした。

*一時休戦について:
迷いの中の一つに、2年次のファイナルプロジェクトと育休からの復職が重なることへの不安がありました。そのため、長期履修制度(標準修了の2年を超えての長期履修を計画的に行うことを認める制度)について大学へ問い合わせましたが、LDCには該当制度がないとのこと。ただし、休学制度は利用可能で、実際に途中休学をして修了された方もいるとのことで、家族や自分の健康を維持できないような状況に陥った場合は休学をして状態を立て直そうと考えました。

次回からは、いよいよ受験に向けた準備スタート。
受験までの勉強について書きます。