クリエイティブな仕事は無理でも
もう10年以上前になる、ある冬
友人が絵を描く様子を眺めているのが好きだった。
なんてこともない、ありふれた線が徐々に足されていく。
やがて「かたち」になって、こちらに微笑みかけてくる。
出来上がりとは強者である。
もうすでに線はありふれてなんかいない。
絵になり得なかった殴り書きや、選ばれなかった「かたち」、絵になることを夢見て、待ち続けているイマジネーション。
そんなものは一瞬でも存在したことがないかのように、
確固たる意志を持ってそこに存在し、
「それで?」と問いかけ