【日記2024/5/4】独白にて毒吐く

・1300字弱


・常識として知っておきたい裏社会

 どこまで本当なのかわからんけど、元やくざによる生の体験談がたくさん書かれている、対談形式の本。

 この手の、犯罪の実情について掘り下げた作品って、「これ読んでる貴方は、犯罪行為をしたらダメだよ!」という自明なエクスキューズが多くて冗長的だな~と思うことが多いのだけど、この本はそういうのが少なくてよかった。


 詐欺師の「自分は、老人のタンスに眠っている動かないお金を世の中に還元して、経済を循環させているのだから善行をしているのだ」という言説に対して、皆はどう反論するのだろうか。ネットで質問してみよう。

 まともな回答は期待できないけど、一応。


 私なりの答えを書いておこう。

 まず「お金とは何か?」……という問いがあったときに、色々なアプローチの答えがあるだろうけど、その一つに「自分が他者のために労働をしたときに、あとで他者にも自分のために労働をさせることができるよう、 "恩" を具現化したもの」という答えが思いつく。そうすると、お金を使わないということは、自分が溜めてきた恩を返してもらうことを放棄していることになる。「老人がお金を使わない」ということは即ち、その老人が「私は今まで労働をすることで他者から恩を稼いできたけど、お返しはしなくていいですよ」と言っているに等しいのだ。そして、それを詐欺師が奪って使うということは、老人が社会に対して「恩返しはいらない」と言っていた所を、社会に恩返しをさせることになっている。それって、社会の労働量をいたずらに増やしていることにならないだろうか。

 これが、思いつく限り最も本質的な回答だ。私は功利主義者であり、怠け主義者である。

 金は、使わなければ使わないほど社会全体の労働量を減らせると思うよ。過去の日記でもそういう旨の話を書いた。



・さて、質問の結果です。

・アハ~~~ン……

 皆は、どういう感想を抱いた?



・例えば誰かが「夜行バスより新幹線の方が快適だし速いので、新幹線を使うべきだ」と意見を述べたときに、私が「でも新幹線より夜行バスの方が安いので、夜行バスを使うべきだよ」と反論したとしよう。このとき私は、それが主観的な反論であることを自覚しなければいけない。なぜなら、論点が違うからだ。

 「新幹線の方が速いよ」という意見に対して、客観的に論駁しようと思ったら「計算してみた結果、夜行バスの方が速かったよ」というアプローチしかありえないのであって、「でも夜行バスの方が安いよ」というアプローチで反論しても、論点が違うから、相手が納得してくれなければ「でも、速さと安さ、どちらを優先するかなんて人それぞれだね」という結論にしか落ち着かない。

 上の質問の件もそうで、「経済を循環させているから善行をしているのだ」に対して「でも相手を悲しませているからダメだよ」という反論をしても、論点が違うから完全に言い負かしたことにはならない。他者は悲しませてはいけないが、それより優先されるべきことなんて、世の中にはたくさんある。例えば、逮捕という行為は、逮捕された人を辛く悲しい気持ちにさせるものだ。



・おわり

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