気に入らないコンテンツにして良い攻撃は不買だけ

・1400字強


・鬼滅の女キャラの巨乳が気に入らないとか、チェンソーマン主人公が性欲丸出しできもいとか、放送中のアニメの声優が不倫をしたとか、実写映画化するなとか、ディズニープリンセスには黒人がいないだとか、実写版ゴールデンカムイの演者にはアイヌ人を起用しろだとか、男をプリキュアにするなとか、コンテンツに対する不満の声というのは尽きない。が、叩くことで公式を変えてやろうというのは間違ったアプローチだと思う。

・任意のコンテンツに、(違法性以外の)不満があるなら、消費者としてできる攻撃は、不買ボイコットおよび不買の呼びかけ(例えば低レビューをつけるなど)だけだと思う。

 不買は即ち「そのコンテンツを好きな人 vs 嫌いな人」の著名運動対決でもある。そのコンテンツを好む消費者が十分に多ければそのコンテンツは存続できるし、愛想を尽かす消費者が十分に多ければそのコンテンツは存続できない。


・飲食店で、客が「この店のラーメン、味が薄いね」といった意見を然るべき場所(レビューサイトや、店の意見箱など)に書くのは、店へのフィードバックにもなるし、他の客が参考にできるので価値ある行為だと思う。

 が、客が「この店のラーメン、味が薄いね。もう少しこってりさせないと、客にはウケないよ。改善しておくように」とまで言ってしまったら踏み込みすぎである。そのラーメンは、ターゲットを選んだ結果そうなったのかもしれないし、味と価格がトレードオフになっているのかもしれない。客の意見を反映させるかどうかは店が決めることである。

 ましてや、食べたこともない、食べる予定もないラーメンに踏み込んだ意見を述べてくる客がもし居たとしたら、論外である。

 が、評価対象が料理でなく「物語性のあるコンテンツ」になった途端、それが自明にわからなくなる人が一定数いる。


・一年以上前、進撃の巨人に登場する「マーレの腕章」の販売が告知されたのだけど、ツイッターで「作中で民族差別の象徴として描かれたものを安易に商品化するな」「実際にあった悲劇の歴史を連想してしまう人もいるぞ」という旨の風当たりの強いコメントが多く、販売中止された。[参考]

 嫌なら買わなければいいのだ。別に作中で民族差別の象徴になっていたグッズを販売したとて、何かしらの実害をもたらすという客観的根拠もない。

 販売中止にした公式側も考えが安直だと思う。そうやってバッシングの力を認めるからネットの住民も「自分には発言力がある」と勘違いし、増長するのだ。

 第一、叩かれた点を改善したとて、叩いていた人間が消費するとは限らない。

・仮にこうなったらいやだね


・自分も、気に入らないプロダクトがあれば積極的に不買運動をしている。いや、消極的か。

・皆さん、Yahoo!BBおよびソフトバンクは社会の蛭なので解約してください。


・ただし、上記の理屈では辻褄が合わないこともある。悲しい話、私は日本のブライダル業界が嫌いなので__その理由について述べると追加で三千文字書くことになるので割愛するが__前述した理屈で言えば「ブライダル業界が気に入らないなら、不買を貫けば良い」という結論に至るはずだ。しかし結婚式は任意でありながら半ば義務という不思議な特性を持っており、簡単に不買できるものでもない……。ブライダル業者はその特性に甘えて、特に相談はしていなくてもカルテルのような状態になっている。

・これは由々しいことだと思う。

・おわり

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