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「海の中で足を止め、じっとしてみることの効能」脱・初心者ダイバーを目指すログブック|海心地 LOG No.14

海の楽しさに浮かれ、その場のノリで
大いにスキルが不足していてるにも関わらずモルディブ行きを決め、
今さら焦ってスキルに向き合っている
ひかるです

ようやく、多少安心できる程度の仕上がりが見られた
ほっと一息つきつつ、以前(No.12)に触れた
海中でじっとしてみることの効能をまとめてみたいと思う


足を揃えて動きを止め、じっとして、
落ち着いてゆっくりと呼吸を整える

たったこれだけのことではあるが、
スキルが多少なりとも向上した今となって振り返ると
この行為で得られるものがとてもたくさんあった

そして今も、毎ダイブ、
足を止め、じっとする時間を意識的につくっている

この本当にシンプルな行動から
私が得られたものを今日はまとめてみたいと思う

ひとって、海に入ると、とくに足がつかないところだと
どうにも無意識にジタバタし、足で水を蹴ってしまう
立ち泳ぎに近い状態

これは海面でまだ浮いているときでも
海中に潜ったあとでも変わらない

そしてこの行為は、ダイビングを楽しむ上で
実はいろいろと阻害要因となる

ずっとバタバタしているので落ち着かない
落ち着かないので呼吸が整わない
呼吸が整わないと、耳抜きがしにくいし
ムダな動きと合わさってエア消費が早くなる

潜行するときにもジタバタしちゃっていると
上に行く力が働き、潜りにくくなる

海中でもずっと水を蹴っているので、
中性浮力でその場にとどまっているのではなく
足で深度を保っていることになる

このままでは適正な浮力に調整できないし
ずっと動いているので疲れるし
これまたエア消費が早くなる

つまるところ、逆に言ってしまえば、
足の動きを止めるとすべて逆の効果が得られるのだ
順を追って各シーンごとに効能を整理していく

足を止めると、潜行していく・沈んでいくことができる

潜行の際、BCDから空気を抜き、肺の空気を吐いて、
でも実は足がバタバタしてることってないですか

足がバタバタ動いていると水を蹴っているので
上向きの力が働いていることになる
なのでいくら空気を抜いて沈もうとしても
相殺しあってしまうことになる

足を閉じて、じっとすることで
本当に自然に、静かに、潜っていくことができるようになる
もしこれでダメなら、それはウェイトが合っていないか
BCDの空気が抜けきっていないかが大半だと思う

中圧ホースやインフレータを押さえるテープを
きつく締めすぎて、BCDの空気の動きを阻害しているとか
インフレータの排気ボタンを押しはしたが、
抜けきる前に手を離してしまったとか

そんな要因だったりするかもしれないので
落ち着いて、BCDをチェックしてみよう

潜れない、沈んでいかないと焦って
ジタバタしてしまうと余計に浮くことになる

足を止めると、耳抜きしやすい

足を止めて、じっとする
そうすることで息を整える

ほかに何もしないことで
耳抜きだけに集中できるし
息が整えば、十分な空気を使って
耳抜きすることができる

耳抜きには、ある程度の空気の量が必要で
呼吸が早かったり荒かったりすると
空気の量が足りなかったりする

ジタバタしながらスタートすると
どうしても過呼吸気味になってしまい
そうすると息も整わないので、ゆっくりと耳抜きができない

結果、焦って、さらにジタバタすることになる
沈み始めたら、そっと動きを止めて、
一度、耳抜きに集中

1回目さえクリアすれば、
基本的に後はラク!

足を止めると、浮力の調節ができる

一定の深度を保って
その場にとどまったり、泳いでいったりしたいとき
半ば立ち泳ぎに近い状態や、立ちまでいかないが斜めの状態で
ずっと足を動かしている人がいる

自分では実は、
とどまっているとき足を動かしているつもりがなかったり、
泳いでいるときも前に進んでいるだけのつもりだったりする

でも実は進むためだけに足を使っているのではなく
足で水を蹴って上向きの力も得ることで
その場にとどまったり、深度を維持しながら進んだりと
無意識に調整しているのだ

逆に言えば、足を動かしていないと
沈んでいってしまう、深度が下がっていってしまう状態
ということの裏返し

でも下手っぴなころ、自分ではなかなかこれに気づかない
なんとなく中性浮力がとれている気になっているのだ
しかし真実は一生懸命、足で浮いている状態

当然、疲れるし、エア消費も早くなる

自分が果たして、中性浮力がとれているのかどうか
下手っぴだと、まずそれが分からない
でも簡単にそれを判断する方法を見つけた

それが足を止め、じっとしてみること!

大抵の場合、沈んでいく
つまり浮力が足りていないということなので
BCDに空気を入れた方がいいね!ということになる

BCDに空気を入れてみて、
それが適切な量か確かめる間も、
ずっと足の動きはとめている

初めてダイビングをしたときや
オープンウォーターの講習を受けたときにやった
フィンピポットに近いことを自分でやるのだ

フィンピポットのときのように
フィン先を必ず、海底につける必要はない
もちろん付けた方が安定するのでそれもオススメ

BCDに空気を入れて
ゆっくりと呼吸をする
吸って少ししたら浮いていき
息を吐いたら沈んでいく

何度か呼吸して
深度の中間地点が変わらないようならOK
徐々に沈みがちなら空気が足りてないので
BCDにもう少し追加する

こうして一度、動きを止めてしまうと
浮力の過不足が容易に分かるし
BCDに空気を適量、入れやすくなる

なのでエントリーして他の人が集合するのを待ちながら
最初に必ずやっているし
泳ぎながら大きく深度が変わったときも
たまに足を止めて、確認したりしている

徐々に足を止めなくても分かるようになってくるが
最初のうちは、これに非常に助けられた

足を止めると、呼吸が整う・心が落ち着く

これまでも何度か、落ち着くことがすごく大事
という話をしてきたと思う

焦りは失敗を生むし、
視野を狭くしてしまう

心が落ち着くと、
ひとつひとつの作業をていねいにでき、失敗しにくくなる
先を予測して気配りする余裕もでる
視野が広がり、生き物を見つけやすくなるし
ムダな動きが減って、エア消費も抑えられる

ちょっと焦ってるな、とか
カメラの設定変えたり、ちゃんと浮力調節したり少し作業したいな
というときに、いったん足を止めて
ゆっくりと呼吸をするといい

ずっと足を動かし続けているよりも
心を落ち着かせやすい

落ち着いて、浮力調節をして、
ゲージを探したり、カメラをいじったりしよう

足を止めると、動きのムダが減る

上の方で書いたとおり
足を止めると、浮力調整がしやすくなることを書いた
結果的に、BCDで深度を保ち、
足は進むことだけに使えばよくなる

そういった意味で、ムダな動きが減るが
それ以外にも効能がある

いいフィンキックができていると
ひと蹴りで、意外と長く遠く進んだりする
ずっとキックしていると気づかないかもしれないが
一度、キックしたあと足をしばらく止めると
意外とすーっと進み続けたりする

そうするとキックの回数を減らせるので
いたずらに蹴り続ける必要がなくなってくる

潮の流れがあってキックしなくとも進める場所もある
足を止めてみると、
今どれくらいのキックが必要なのかが分かり、
ラクができたりする

ビーチでエキジットに向けて
岸に近づいていくときなんかもそうだ

一生懸命キックし続けているけれど
波に押し戻されてぜんぜん進んでないときがある
そんなときは疲れるだけなんで波に身を任せ
再び波が岸に向かうタイミングでキックすると
波に乗って一気に進めたりする

また波の引きで少し戻されるが
再び寄せてくれるので、波に寄せてもらいながらキック

うまく足を止めたり、キックしたりして波を使えると
それほど疲れず帰ってくることができる

そして動きのムダが減るということは
エア消費も抑えられる

足を揃えて動きを止め、じっとして、
落ち着いてゆっくりと呼吸を整える
たったそれだけだが意外といろいろ効能がある


本日のポイント

  • 足を止めると、潜行していく・沈んでいくことができる

  • 足を止めると、耳抜きしやすい

  • 足を止めると、浮力の調節ができる

  • 足を止めると、呼吸が整う・心が落ち着く

  • 足を止めると、動きのムダが減る


もともとは三度目の石垣から帰ってきたら
そろそろ今年のダイビングシーズンは終わりかな、なんて考えていたが
ぜんぜんそんな気分にならない!まだまだ潜り続けたい

ということで結局、帰ってきたその週の末に
さっそく次の予定を入れるのでした
向かったのは熱海、そこで経験したしょうもない話を次回
次の話へ

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