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陸軍記念日で、東京大空襲の日

1905年(明治38年)3月10日、日露戦争の奉天会戦に勝利した大日本帝国陸軍は、1906年(明治39年)3月10日に第1回陸軍記念日を制定。落語家の古今亭志ん朝師匠は、本当は別の日に生まれたのですが、陸軍記念日にちなんで3月10日生まれとして出生届を出され、名前も父の古今亭志ん生の師匠である初代柳家三語楼が、強次と名付けたとか。1938年という時代がわかるお名前ですね。

さて、敵性語追放なんて、民間の浅薄な運動に流された日本と違い、アメリカは文化人類学者などまでをも動員して日本を徹底的に分析、狙ってこの日に首都空襲を仕掛けてきたわけで。「古文・漢文は、センター試験以降全く使わないので勉強する必要なくないですか?w」 なんて御仁もいますが。実は文系の強みが生きるのって、戦争とかの総力戦なんですよね。だって文系は文化を担っているので。

アメリカは日本の文化を徹底的に分析し、陸軍や海軍の記念日に合わせて戦功をあげようと、大規模な作戦を仕掛けてくることに気づいたわけです。これって要するに松任谷由実さんの『アニバーサリー』とか俵万智さんの『サラダ記念日』に流れる考え方と、ほとんど同じなんですよね。であるならば、そういう記念日に逆に攻撃を仕掛ければ、日本人の心理的ダメージはより大きくなる、というのは当然の帰結。米軍が陸軍記念日を狙ったという確たる証拠はないですが、上皇陛下の誕生日にA級戦犯を処刑したのと同じかと。

ドナルド・キーンさんなども海軍情報士官としてハワイの翻訳局に赴任し、日本の古典はもちろんのこと、楷書だけでなく行書などの崩し字まで習得して、兵士の日記などを分析していたとか。16歳でコロンビア大学に奨学金付きで入力するような天才が、そこまで打ち込んでいるのですから、それは丸裸にされますよね。そういう文化の深いところから、現在の行動や思考を類推し、生きるか死ぬかの戦争に役立てる。古文漢文を馬鹿にする者は、そういう歴史に学ぶべきでしょう。

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めでたさも中くらゐなりおらが春

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