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英国流外交術

◉アメリカの叩き上げの外交官は、故与謝野薫氏が苦手だったとか。親が外交官で、子供の頃から英国流の外交術を肌感覚で身につけ、さらに祖父母は高名な文学者。そういう経験値と血統の良さに、実力でのし上がってきたタイプは、本人の努力では難しい物を持ってる人物には、ある種のコンプレックスを刺激されるようで。で、その英国流外交術、スクナ首相がG7広島サミットで、遺憾なく発揮していますね。

G7を利用して、地元広島のアピールに力を入れる岸田総理大臣の、琴線をよく判っていますね。野球とか、イギリスではほぼ知らないでしょうに。で、カープファンのハートも鷲掴み。

そして、お好み焼きにもチャレンジ。関西風か広島風かで、仁義なき戦い第2ラウンドを起こしかねない中、海外にアピール。これでオタフクソースの派遣は確定か? オリバーソースは怒っていいです(断言)。こういう、お茶目で愛されるパフォーマンスと同時に、英国の知性を感じさせる言葉で、豪速球をど真ん中に投げ込んでくる。やはりこの国は、世界トップクラスの政治の国。

自国の文豪の言葉を引き、広島のメッセージを的確に世界に伝え、でもアメリカを非難する文脈は避ける、この剛腕ぶり。なるほどこれが、英国流外交術なのかと。老獪ですが、そのスマートさに唸るしかないですね。二枚舌三枚舌の老獪な国ですが、勝てば官軍。しかし、常に勝ち馬の側につくその上手さは、やはりすごいです。植民地支配でも、酷いことをやってる割には旧宗主国として、関係は良好ですから。したたかな国です。

今回のG7サミットは、イギリスが政治的な絵図を書いたのではないかと、疑いたくなるほど。こうやって広島にアメリカ大統領を引っ張り出すことで、追い詰められたプーチン大統領が戦術核を使う可能性に釘を差し、西側の団結を見せる。そこに、さらにゼレンスキー大統領まで招待し、世界の耳目を集める。これはもう、安倍首相でないと難しいと思われるレベルのことを、立派にやり遂げました。立憲民主王政権だったら、100年経っても無理。共産党政権なら、プーチン大統領・習近平主席・金正恩三代目将軍様と一緒に、志位和夫氏が献花していたでしょう。

そして、一般社団法人Colabo弁護団のメンバーである堀弁護士は、このG7の意味をちゃんと理解できてるようです。そう、パラダイムが変わったのです。いや、正確には昨年のウクライナ侵攻で、昭和の時代の戦後民主主義は、大きく崩れてしまったのですが。非武装中立論や憲法9条が、お花畑平和論だと、大衆が気づいてしまった。そこを認めていなかったマスコミや文化人、アカデミズムが必死に抵抗しましたが。最もホットな左派の弁護団である堀弁護士まで気づいてしまった。ついに、そこに止めを刺されたのです。

そう、昭和の時代のパラダイムと、変わっている。昭和の時代のテンプレートで、デモに手書きダンボールプラカードにヘルメットという、SEALDsの背後にいた線学連・全共闘の老人たちの手法が、もう通用しなくなっているのと同じで。その主張さえも、自家撞着を起こしているのです。でも、当の左翼自身が、その事に気づいていない。「アメリカや西側諸国の核はきれいな核だと言うつもりか!」と非難しても、「共産主義国の核はきれいな核」の裏返しで、ブーメランになるだけの地獄絵図。

これが、反自民党を至上命題にしてしまい、是々非々の議論ができずカルト化した、左派の終着点。戦後民主主義の恩恵を受けながら、荒れる中学・荒れる高校・荒れる大学と暴れ続け、そのくせバブルの恩恵は一番受け、年金は逃げ切り世代で、でも暴走老人と化した全学連全共闘世代の老人たちは、もう転向はできないでしょう。そして、彼らの多くが死ぬ10年後ぐらいに、戦後が終わるのでしょうね。

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