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左派文化人の「手口」

◉オープンレターズの藤崎剛人埼玉工業大学非常勤講師が、ナチスドイツのヘルマン・ゲーリング元帥の「国民には敵が攻めてくると言い、平和主義者のことは非国民と非難すれば、指導者の思い通りに動かすことができる」という言葉を引いて、麻生太郎自民党副総裁を批判しています。この程度の例え、「国民には隣国が攻めてこないと言い、現実主義者のことは極右と非難すれば、マスコミの思い通りに動かすことができる」と言い換えれば、戦後のマスコミと文化人がやってきたことですよね?

【麻生発言のように「戦争になる」ことから逆算する「手口」】Newsweek

<「国民には敵が攻めてくると言い、平和主義者のことは非国民と非難すれば、指導者の思い通りに動かすことができる」と、ゲーリングは言った>
8月31日、麻生太郎自民党副総裁は、横浜で開かれた「外交・安全保障」をテーマとした麻生派の研修会で講演し、「沖縄、与那国島にしても与論島にしても台湾でドンパチが始まることになれば戦闘区域外とは言い切れないほどの状況になり、戦争が起きる可能性は十分に考えられる」と、日本国内で戦争が起きる可能性について述べた。ウクライナ戦争以後、日本では戦争の可能性を煽ることで軍拡を進めようとする言説が優勢になりつつある。

https://www.newsweekjapan.jp/fujisaki/2022/09/post-45.php

ヘッダーはWikipediaより、ヘルマン・ゲーリング元帥の写真です。

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■苦しい政権批判とドイツ擁護■

タイトルに2つも括弧を入れる時点で、稚拙な文章に見えますね。ここらへんは個人の感想ですけども。朝日新聞とか、括弧だらけの文章をありがたがります。そうやって、文章の特定ワードを強調したいのでしょうけれど。アレも強調これも強調で、どれを強調したいのかわけが解らなくなる文章って、自分が編集者になって最初に上司や校閲部から注意されたものです。東京大学総合文化研究科では教えてくれなかったんでしょうかね? 

ぜひとも全文を読んでいただきたいのですが、けっきょく最後まで読んでも印象批判で、レッテル貼りの粋を出ていない、という感想です。東ドイツの冷戦時代の東方外交を、今さら持ち出すのも疑問です。ベルリンの壁が崩壊したのが1989年、ソビエト連邦が崩壊したのが1991年12月25日です。もう31年も経っています。ちなみに、ソビエト連邦の成立は1922年12月30日ですから、69年と360日存続。東ドイツは1949年から1990年の41年間。戦略転換なんて、なんぼでもできたでしょうに。

■見抜けなかった進歩的文化人■

だいたい、ソビエト連邦・中華人民共和国・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を平和勢力とし、アメリカを米帝と呼んだのは和田春樹東大名誉教授や上野千鶴子東大栄誉教授らだったわけで。70年代とか80年代は、それこそ海岸に出かけた人間の謎の失踪や行方不明事件を、北朝鮮の関与を匂わせただけで抗議が殺到し、命の危険性もあったわけで。まさに「国民には隣国が攻めてこないと言い、現実主義者のことは極右と非難すれば、マスコミの思い通りに動かすことができる」状況があったわけです。

・1948年:朝鮮戦争
・1950年:チベット侵攻
・1959年:チベット蜂起
・1962年:中印国境紛争
・1968年:青瓦台襲撃未遂事件
・1969年:中ソ国境紛争
・1975年:中越戦争
・1983年:ラングーン事件
・1983年:大韓航空機撃墜事件
・1985年:日向灘不審船事件
・1987年:大韓航空機爆破事件
・1989年:天安門事件
・1996年:工作船座礁事件
・1999年:能登半島沖不審船事案
・2001年:九州南西海域工作船事件
・2010年:延坪島砲撃事件

Wikipediaより

でも、共産主義国の胡散臭さは、上記のような数々の事件で、充分に推測できたはずです。でも、それを言う人間は右翼だ軍国主義者だヘイトだと、弾圧してきたわけでしょ? 鹿児島でも拉致被害者が出ましたが、怪しい工作船出没の噂は以前からあり、公然の秘密でした。高校の頃、日向灘不審船事件もありましたし。新潟の方と話したら、やはり向こうでも同じ状況だったわけで。上記のような明確な事件や紛争に至らなくても、中国はフィリピンやブータンとも国境問題を抱え、北朝鮮に至っては拉致・テロ・偽ドル札・覚醒剤密輸・ミサイル開発・核開発のならず者国家です。

■何のために戦争をするのか?■

現実に左派マスコミと文化人がやった言論弾圧にほっかむりして、麻生太郎はナチスだとレッテルを貼るのは、フェアな態度でしょうか? オオカミ少年仕草に思えますが。そうやって政権批判をすれば、共産党と関係が深い大学の名誉教授や教授陣の、覚えがめでたいのかもしれませんが。自民党茂木氏の発言について、共産党関係者が顔を真赤にしていますが、こういう批判↓が出ています。これに関して、他では暴れまわっている共産党シンパが、リプライも引用ツイートも現時点でゼロって……。ずいぶん統制が取れていますね。どっかの全体主義国家みたい。

そもそも、藤崎氏の論には、なぜ日本が戦争をする必要があるかの、考察が欠けていますね。まさか『はだしのゲン』史観を鵜呑みにして、軍需産業を抱える大企業が儲かるために、戦争したがってるとか言い出しませんよね? 現実には国家総動員体制下では企業はボロ儲けとはいかず、会社利益配当及資金融通令や会社経理統制令で、軍需産業の株主や役員の力は剥奪されていました。総動員体制というのは、軍需産業が私腹を肥やすには、向いていない体制なんですよね。

■戦争で実際に儲けたのは誰?■

では戦時中、確実に儲かっていた大企業はといえば? 実は朝日新聞や毎日新聞などのマスコミです。下記の記事にも、その状況が説明されています。朝日新聞の景気の良さは、その発行部数の変化でわかります。最初は反戦を唱えていた朝日新聞ですが、1931年の満州事変で急激に部数を落とし、150万部を割ってしまいます。ところが軍部に迎合して主戦論に転じると、どんどん右肩上がり。陸軍が推す日独伊三国軍事同盟を一緒に推進したのが、朝日新聞。終戦の年になんと、倍増の300万部近くまで伸びています。

出版業界に長らくいる身としては、こりゃウハウハだろうな……と。自分の雑誌の部数が2倍になったら、そりゃあ景気がいいですからね。なったことはないですけども。実際に、朝日新聞OBの細川隆元氏が、戦局押し迫った時期も、銀座でドンチャンやってたと自著『朝日新聞外史:騒動の内幕』に書いています。そうやって戦争を煽ってたくせに、戦後は風見鶏かコウモリか、スルリと身を翻した訳で。台湾有事を望んでるのは、過去の経験から朝日新聞と推論しても、おかしくはない歴史があります。左派も、気がつくと朝日新聞が右旋回して、梯子を外されるでしょうね。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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