映画『妖怪の孫』公開へ
◉日本アカデミー賞6冠のトンデモ映画『新聞記者』に、ほとんど話題にもならなかった『パンケーキを毒見する』の河村光庸プロデューサーが、懲りずに政治映画第3弾をやるようです。内容を見てから批判すべきですし、そもそもこうやって取り上げること自体が、宣伝に加担するという意見もあるでしょうけれど。現時点でこれを批判しておく意味は、充分にあると思うので。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、秋山理央氏の写真です。言論の自由が守られている国、日本。
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■血統差別ど真ん中のタイトル■
岸信介元総理大臣の仇名が〝妖怪〟でしたから、妖怪の孫はやっぱり妖怪と、河村プロデューサーはそういう意味を込めている可能性が、かなり高いですよね。これは血統差別のど真ん中ですよね。日本国憲法の精神に反します。もちろん怪物とか化け物とか、それが並外れた存在であることの褒め言葉になることだってよくありますけどね。このことについて言及しようと思ったのは、こちらのツイートが原因です。
実父が在日韓国人で、日垣隆氏などから「朝鮮ヤクザ」などと出自を揶揄されて、親は早くに離婚して父親の民族的文化の影響はないと怒ってた町山智浩氏は、いったい何処に行ったんでしょうか? 民族文化的な影響はなかったのかもしれませんが、でも町山氏の映画好きは父親の影響であったことは、折に触れて語っていますよね? でもそれと個人の属性をごっちゃにされては、まさに差別ど真ん中でしょう。それは安倍晋三元総理でも同じこと。
外祖父の、マイナスイメージを喚起する仇名を、孫に貼り付けてるのですから。祖父の影響を云々するならば、直系の祖父である安倍寛は、戦争に反対し、東條英機内閣を批判し、大政翼賛選挙に背を向けてと、清廉潔白な人柄で知られており、『大津聖人』や『今松陰』という仇名だったんですが? 映画のタイトルを『大津聖人の孫』としなかった時点で、それはニュートラルな思想の元で決定されたかどうか、自分には疑問です。
■優生思想は関係ないが■
また、優生思想に対する知識が薄い人の、揚げ足取って、意味があるんでしょうかね。ここで優生思想を持ち出す阿比留瑠比氏にも、苦笑ですが。優性思想と書いているので、何か別の考えなのかもしれませんけれど。今は優性遺伝子と劣性遺伝子という使い方ではなくて、顕性・潜性の使い方に改めようという動きもありますし、自分はこれには賛成です。言葉狩りではなく、より本来の意味を明示する方向での良い会ですから。それはともかく。
個人的には、優生学は多様性を認めず、かえって種の存在を危うくする考え方なので、認められません。非常に狭かったり下がったりするレベルで優劣を決めているのですから。例えば、鎌形赤血球と言う遺伝病は、赤血球が三日月形になり山荘文化能力が一般的な人よりも落ちるのですが、マラリアに強いという特性があります。ある条件では不利な遺伝子が、別の遺伝子では有利に働くこともあるわけですから。
もちろんこのようなタイトルをつけて、人目を引いておいて、実際は安倍晋三元総理大臣の業績を、是々非々で評価するという手法なら、何の問題もないと思いますよ。でもたぶん、罵倒一辺倒でしょうね。もちろん罵倒するのも、言論の自由の内です。内閣総理大臣という立場は、よほど悪質な捏造による誹謗中傷でもない限り、受忍限度がかなり高い存在でもありますから。だから演説妨害のような悪質な行為も、訴えたりしなかったわけで。
■岸信介は妖怪か?■
ちなみに岸信介の、内閣総理大臣時代の業績といえば、以下のような感じです。前内閣の方針を踏襲したり、すでに道筋はできていたものもありますが、岸信介の政策だということを隠して、若いリベラル人士に見せたら、素晴らしい政策だと言いそうな内容のオンパレードではありませんか? 岸信介地震は国家社会主義者、つまり本質はリベラルです。本人も戦後、社会党からの出馬を真剣に考えていた時期があるほどに。
退陣に追い込まれた日米安保にしても、現在は国民の大多数が必要なものだと認めるものです。岸信介に対する恨みを、安倍晋三元総理にぶつけている連中はただの逆恨みであって、非常に浅く薄っぺらい考えで日米安保に反対していたのが、歴史によって暴かれてしまっただけ。あの当時、クリミア侵攻をしたロシア連邦の前身であるソビエト連邦があり、チベット侵略した中華人民共和国があり、後に拉致事件を起こす北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)があり。
それが核保有国で、なおかつ領土問題を抱えた国に囲まれて、日米安保改定以外の選択肢があったのか? 高度経済成長を準備した数々の政策にしても、本来は反米なのに現実を見て日米安保を改定した部分も含めて、慧眼の政治家だと言えるのではないのでしょうか? 慧眼ではありますが清廉潔白かと言われれば、大野伴睦への裏切りなど、そんなことはないですけれど。しかし三国志の曹操と同じく、乱世の奸雄であることは間違いないのではないでしょうか?
それを妖怪と評するのも、また自由だとは思います。映画の感想に関しては実際に見てから書くかもしれません。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ