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曙太郎さん死去

◉病に倒れて7年、54歳です。力士は短命になりがちですが、それでも早いです。平成初期の角界を盛り上げた一人ですよね。あの若貴ブームは、曙という圧倒的なライバルがいたからこそ。優勝回数こそ二代目貴乃花が大きく上回っていますが、対戦成績は21勝21敗で、全くの互角。曙関が先に横綱になったときは、コレはもう貴乃花は横綱になれないんじゃないかと思わせるほど、圧倒的な強さで。2メートルを超える長身につき押しの強さ。組んでも脚が長い割に粘りあって。

プロレスラーになってからは、あまり評価しない人も多いですが。それはちゃんと試合を見ていないからで。もともとクレバーな人でしたから、プリレスの動きも早くに対応。マイクパフォーマンスも上手く。インリンさんとの絡みも上手くこなしていて。総合格闘家としては、元横綱の北尾選手と同じく、あまり結果は出ませんでしたが、そことゴッチャにしてるのでしょう。ボブサップ戦は、紅白歌合戦に視聴率で勝った初めての裏番組だったのですから。もっと評価されてほしいです。

まだ曙も貴乃花も三役でなかった頃、知り合いが地方巡業を観に行って、稽古も見たら。とにかく若貴と曙が、延々とぶつかり稽古をやってて土俵を占拠、他の力士が割っては入れないぐらいだったそうで。なので、あいつら絶対に大関になると言っていたのですが。大関どころか、全員が横綱に。貴乃花も、曙・武蔵丸・魁皇・武双山など大型力士に対抗するため、身体を大きくして。平成の大横綱と呼ばれる地位に。ただ、三人とも角界を去ったのが、残念です。

相原勇さんとの結婚話のトラブルとかあり、後援会が引退前に解散とかもあり、角界に嫌気が差した部分もあったでしょう。プロレスラー転向は、良かったんじゃないかと。個人的には、曙関が2012年に書いた本『大相撲のぶっちゃけ話』が、とても面白く。もちろん、ライターの手が入ってるんでしょうけれど、オススメです。なぜ外国人力士の日本語の覚えが良いかとか、「平幕優勝に大関なし」とかの格言とか、へぇ〜と思う内容が多くて。御本人も、苦労人ですからね。

史上初の外国人横綱・曙太郎さんの御冥福をお祈りします。合掌

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