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勉強ができると仕事ができるの差

◉勉強ができるタイプと仕事ができるタイプでは、確かに差がありますね。出版業界でも、東大卒なのに全然使えずに、同期がどんどん編集長になっていく中、ずっと副編集長に止め置かれて、40代後半でお情けで編集長になれた某大手出版社の方とか、お会いしたことがありますが。将の器と参謀の器、適性の問題とは別に。

【「勉強できる人」と「仕事ができる人」3つの共通点。大切なのは意外にも “性格” だった】スタディハック

「学生の頃は優秀だと認められたのに、仕事では評価されない……」
「仕事ではそれなりにいい評価をもらえているけど、勉強が苦手でスキルアップできない……」

上記のようなジレンマを抱える人もいるのではないでしょうか。

「勉強と仕事は別物だ」と考えるかもしれませんが、じつは、勉強ができる人と仕事ができる人には、共通点があります。その特徴を意識して身につければ、勉強と仕事どちらの能力を上げるのにも役立つ可能性大。

今回の記事では、勉強ができる人と仕事ができる人の3個の共通点について解説します。1つでも取り入れて、“勉強も仕事もできる人” に近づいてみましょう。

https://studyhacker.net/study-work-3

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ビジネスマンで検索したら、いい感じのイラストが出てきました。

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■独学で独覚する天才たち■

詳しくは、リンク先の全文を読んでいただくとして。頭がいい、といっても例えば宮本武蔵や松本人志さんのようなタイプは、特定の師匠につかず独学で独覚するタイプ。ミュージシャン・コメディアン・俳優として、それぞれ一流の実績を残されたいかりや長介さんなども、そのタイプでしょう。多くの漫画家も、作品だけを見て見様見真似で書き始めて、デビューする人がほとんどですからね。

しつこく書きますが、全国に医師国家免許を持っている人間は約33万人いるそうです。でも漫画家は、CLIP STUDIO PAINT で知られるセルシス社の推定で、3000人から多くても6000人ほど。医者になるような人間は、間違いなく頭がいいとみなされるでしょうけれど、漫画家や作家の頭の良さはそれとはまた種類が違う、非常に希少な才能だと思います。

東京大学文学部哲学科から同大大学院に進み、現在は近畿大学教授の小説家の小森健太朗先生も、東大に合格するよりも作家になる方が難しいと明言されていらっしゃいますね。自分が言っても説得力はないですが、実際に東大を出て、さらに狭き門である大学教授にまでなっている方が言うと説得力が全然違います。ちなみに東大と京大の合格者数は毎年2800〜3000人前後であったりします。

■身の丈を知る■

ただそういうタイプの天才というのは、たぶん上位0.1%の世界なんですよね。自分たちが一般に頭がいいと思っているのは上位1%、MARACHレベルまで幅を広げても、5%ぐらいではないでしょうかね。そういう特殊な層の方法論は、なかなか一般化はできませんから。そして、世間的に必要なのは上位10%から30%ぐらいの層向けの方法論と、上位40%から60%ぐらいの層向けの方法論と、上位70%から90%ぐらいの層向けの方法論。

はっきり言えば、高校野球で甲子園に出場することが目標の野球人と、プロ野球に入ることが目標の野球人と、メジャーリーグまで行くことが目標の野球人とでは、必要な学びと考え方は異なりますからね。そこをごっちゃにして、身の丈に合わない方法論を提示して、詐欺師のような商売をする人間がどの業界にもゴロゴロいますけれど。そもそも自分自身の身の丈を、きちんと把握することが大事です。それができないから、能力があっても結果が出ない。

冒頭の某大手出版社の東大出の編集長様、「原作者はなにか一点、専門的に詳しいことがあればいい」と言い放ちましたが。そういう面は確かにあります。が、それって作家は一発屋でいいという考え方で、作家を使いつぶす編集者の典型的な考え方なので。目端の利く作家ならば、自己防衛のために敬して遠ざけます。結果的に、作家の信頼を得られず、サラリーマンとしての実績も積み上がっていかない。作家と編集者の関係はギブ&テイク。

■瑚璉の人■

孔子の優れた10人の弟子を、孔門十哲と呼びます。その中で筆頭に頭がよいとされたのが、子貢という人物。実際に、論語に残された孔子と子貢の問答は、孔子の思想の深い部分を引き出すような問いかけが多く、その知性を際立たせます。商才にも長けており、孔子教団の財政的な面も、彼の財力で見ていたという説もあるほど。そもそも孔子という人物の評価が高まったのも、子貢の評価が高まったせいという指摘も。

論語の中でも複数の箇所で、子貢は孔子より優秀だという世評が登場します。しかし子貢は、そのたびにその評価を否定します。それほど師である孔子を尊敬した思考ですが、その孔子は弟子の子貢を、「おまえは君子ではない」と否定します。孔子にとって君子とはゼネラリストであって、特定分野に高い能力を発揮するスペシャリストではなかったので。孔子は子貢を器=スペシャリストと評します。

自分の知性に自信があった子貢は、ムッとしてか不安に駆られてか、「ではどんな器ですか」と聞き返しています。孔子は、おまえは瑚璉だと答えています。従来の解釈では、才気煥発すぎる子貢をたしなめた文脈でしたが。しかし瑚璉とは、宗廟の祭器として用いられる最高級の器のことです。つまり、スペシャリストとしては最高峰であるという、肯定的な評価です。

事実、孔子が没した後、他の弟子は服喪三年を終えると各地に散ってゆきますが、子貢は6年間も孔子の廟の近く留まります。その間、論語の元となった、師の言行録をまとめていたのではないか……という指摘もあります。誰よりも孔子を尊敬し、弟子の中で最高の知性であったがゆえの、子貢にしかできない仕事。自分の矩を知ることの大事さを、2500年前の孔子と子貢が教えてくれます。古典を学ぶ意味のひとつです。

■評論家と軍人と■

もう一点だけ、内容についての言及を。つなげて考える癖がある人というのも、難しいですね。コチラのnoteでは、隔たった2つの概念の類似性を指摘するのを好む人は仕事ができないと、元Microsoft社員でStack OverFlowの創業者に指摘されています。評論家みたいな指摘を好む人間というのは、成績優秀ではあってもクリエイティブにはなりえないし、スペシャリストとしても使えないことが多いですね。

スペシャリストの評価という点に関して言えば、ゼークトの軍人論(実際にはドイツ軍人クルト・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルトが副官に述べた内容が元になっているそうです)が有効なんですね。軍人というのは間違いなくスペシャリストの、ひとつの頂点でもあります。何しろ生き死にが関わってきますから、合理性と事実に真摯に向き合うことが、生死に直結します。

・利口で勤勉 - 参謀に適している
・利口で怠慢 - 指揮官に適している
・愚鈍で怠慢 - 命令を忠実に実行するのみの役職に適している
・愚鈍で勤勉 - このような者を軍隊において重用してはならない

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