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縄文人のルーツとゲノム解析

◉人類がアフリカを起源とし、チンパンジーと共通の祖先から分かれ、森林から草原に出て直立二足歩行を手に入れ、脳を発達させ、ついにはアフリカを出てユーラシア大陸各地に拡散し、アジアからベーリング海峡を越えてアメリカ大陸に渡り、ついには南米最南端のフロワード岬に至ったというグレートジャーニー。でも、日本人はどこから来たのか、あんがいわかっていないことが多いんですよね。そういう意味では、近年の遺伝子のゲノム解析で、わかったことは多いです。

【縄文人のルーツはどのように判明した? 人類学者が語る、古代ゲノム研究のおそるべき技術革新】Real Sound

 我々ホモ・サピエンスの祖先は、ネアンデルタール人(旧人)と交雑していた、縄文人は東アジアに最初に到達した人類の子孫であった……など、近年、古代人の骨に残されたゲノム(遺伝情報)の解読・分析が進み、人類学の「常識」が大きく変わった。
 そんな最新の研究結果から、人類の起源とその歩みを見直したのが人類学者・篠田謙一氏の新書『人類の起源』(中央公論新社)だ。分子人類学を専門とし、東京・上野にある国立科学博物館の館長でもある篠田氏に、古代人の分析が飛躍的に進んだ背景と、どのようなことがわかってきたのか、そして今後期待される研究について聞いた。(土井大輔)

ヘッダーは『人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』 より、表紙画像です。

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■古モンゴロイドと新モンゴロイド■

興味がある方は記事本文と『人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』を読んでいただくとして。どうにも、人類は移動と定住を繰り返す中で、ある小集団が環境に適応したり、遺伝的な特徴が広がったりを繰り返しており、ずっと動きっぱなしだったわけではないんですよね。なんか、フロワード岬を目指して移動し続けたイメージがありますが。食料が充分にあって、良い環境で安定していたら、動く必要なんかないんですから。

自分たちモンゴロイドも、古い形質を持った古モンゴロイドと、寒冷な環境に適応した新モンゴロイドがいますから。新モンゴロイドは、髭が薄く、一重まぶたで、のっぺりした感じの顔。これは、寒い地域ではひげとかに呼吸の水分が付き、これが凍って凍傷になって、死んでしまうんですよね。そういう適応なんですよね。寒冷気候に適応した動物は、温暖気候に適応した動物よりも手足や体の付属器官が短いというアレンの法則もあり、彫りが深くない、ノッペリした平安美人顔になる。

■日本の底流にあるポリネシア文化■

では、アイヌ系の人は寒い地域に住むのに、髭が濃くて彫りが深いのは何故と思うでしょうけれど、これはポリネシア系の特徴。現在の台湾や華南地方にいたポリネシア人は、そこから海に出てニュージーランドやハワイ諸島、イースター島にまで到達した大海洋民族なんですが。普通に考えれば、そんなところまで到達する民族が、台湾から琉球諸島・奄美諸島を北上して九州に至り、更に北海道や樺太、千島列島に至るのは、当然っちゃあ当然ですね。

例えば、秋田のナマハゲ。あれって、鹿児島の悪石島のボゼ、『Dr.コトー診療所』のモデルになった甑島のトシドンなどと同じ、歳神《としがみ》です。年に一度、やって来るマレビト。悪石島のボゼとか見せると、これは本当に日本国内かと驚く人が多いですが。ポリネシア系だというのがわかりますね。棕櫚や椰子の葉が秋田県にはないので、藁の箕になっていますが。てに棒状のものを持ち、仮面をつけているのは同じ。北から南まで、この文化は日本文化の底流に流れています。

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■日本人が日本人になった時■

縄文人は、かなり古い形質を持ち、日本に到達したモンゴロイドのようで。これは、古いウサギの形質を持ったアマミノクロウサギが日本に生き残っているようなもので。そもそも日本は、ユーラシア大陸の東端にある列島。そういう意味では、遺伝的にはいろんな人種や民族が入り乱れて、形成されているのでしょうね。その意味では、アシュケナージと呼ばれる東欧系のユダヤ人が、遺伝的にはバラバラで、生物学的な意味での民族ではないのと同じでしょう。

自分は、岡田英弘先生の影響を強く受けていますので、日本人は原住民と中華系佳境が作った国、という考えに近いです。そうなると、日本人のアイデンティティは、黄巾の乱で中華王朝が傾き、3分の1とも10分の1とも言われる人口の大激減で、周辺地域に民族意識が芽生え、その流れで聖徳太子の対隋対等外交や、白村江の戦いの敗北を経て、日本国号・天皇号・元号という冊封体制からの独立を志向したときから、日本人のアイデンティティが始まったと。そう思っています。

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