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南鳥島沖のレアアース採掘へ

◉レアアース、日本語では希土類元素と訳されますが、高温超伝導物質の開発で有名になったランタンやイットリウムなど、17種類の希少な元素の総称です。強力なネオジム磁石や光ディスク等にも使われ、日本の産業には不可欠。日本最東端の島である、南鳥島ですが。かなり前から、海底にマンガン塊やレアアース泥が大量にあると、指摘されていましたね。マンガン塊とか、自分が小学校の頃の学研科学に、既に書いてあったような記憶が……。ようやく、政府も本腰を入れる用ですね。期待したいです。

【レアアースの脱中国依存へ、南鳥島沖の水深6000m海底から採掘…技術開発に着手】読売新聞

 政府は、小笠原諸島・南鳥島沖の水深6000メートルの海底で確認されているレアアース泥の採掘に乗り出す。来年度に採掘法の確立に向けた技術開発に着手し、5年以内の試掘を目指す。電子機器の生産に不可欠なレアアース(希土類)の国内調達を実現し、中国からの輸入への依存脱却を図る。2022年度第2次補正予算案にも、関連経費を盛り込む方向だ。
(中略)
 採掘には内閣府の事業で今年8~9月、茨城県沖で試験が成功した世界初の技術を用いる。試験では海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が深さ2470メートルの海底まで「揚泥管」を伸ばし、ポンプで1日約70トンの泥を吸い上げることができた。来年度以降、深海に対応するためにポンプの強化や揚泥管の延長などを進め、1日350トンの採掘を目指す。

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20221030-OYT1T50259/

ヘッダーはWikipediaのフォトギャラリーより、南鳥島の写真です。

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■レアアースの問題点?■

中国に依存しすぎていたレアアースですが、何事も一国に偏るのは良くないこと。これは、米の自給率100%が、日本国内で記録的な不作に鳴ると、緊急輸入しようにも取引先が殆どない、実は危ういことだったように。国内で自給自足ができても、常に入手先を確保し、なんなら輸出して、自動車のハンドルの遊びと同じで、ある程度の余裕を常に持たせるのが大事ですからね。とはいえ、100%輸入していては、やはり常に不安がつきまとうもの。こういう形で、自国で採集出来ればそれに越したことはないです。

とはいえ、こういう資源って実は鉛とか水銀とか、有害物質が一緒に出てくることが多いんですよね。中国のレアアースが希少なのは、この有害物質が長い時間の中で減ってしまっていて、良質の物が出てくるというのも、大きいようです。海底のレアアースは、それなりに慎重に扱わないと、環境破壊の可能性もありますからね。早い段階から存在は確認されていたのに、日本が開発に慎重だったのは、そういう面もあるのかなと、推測します。技術的な問題も大きいですが。

■海洋開発が日本の希望■

日本は島国で、国土面積は世界で62位と、消して大きくはないです。ただし、小さくもないです。200カ国弱の世界の国と地域では、上位3分の1に入っていますからね。ロシア連邦・カナダ・アメリカ・中国・ブラジル・オーストラリアの上位6カ国が異常に大きく、7位のインドから24位の南アフリカ共和国までが、日本の9倍から3倍の大国で、38位のザンビアぐらいまでが日本の倍以上の面積で、世界地図で見ても大きな国でしょうか。

ところが、領海と排他的経済水域を含む海域の面積は、カナダに次ぐ世界6位に躍り出ますからね。つまり、日本の未来は海洋開発にある、ということですね。マスコミは、大衆の不安を煽る商売ですが。自分は、もうちょっと建設的な話がしたいので。この巨大な海域には、レアアースはもちろん、メタンハイドレートが膨大にあり、海底油田や海底ガス田などもありますから。ここを、環境破壊を避けながら開発する技術は、絶対に必要。フロンティアは宇宙だけではなく海洋、それも深海底にあるんですよね。

■軍事と技術研究は近い■

そのためには、深海開発用改造人間・カイゾーグが必要。というのは昭和のオッサンしか通用しないでしょうから。よくも悪るも、潜水艦の開発とかで培われた技術や研究って、海底開発の技術と密接ですからね。軍事費は軍事だけに使われるのではなく、いろんな基礎研究にも使われます。アメリカは、文化人類学者まで動員して日米開戦に対応し、ナントカ記念日に総攻撃をかけてくる日本人の癖を知り、死傷者を減らしたり裏を書くのに成功。文系の学問が役に立たないとか言うのは、無知と不勉強でしょう。

ドナルド・キーン氏は情報将校として、行書や草書も読める能力から、日本兵の手紙を読んで内情を解析する仕事をやられていたとか。そんなもんです。源氏物語や枕草子を読むことが、戦争に役立つ。戦前の日本は、無茶な軍事費をハコモノに使ってた面がありますが。こういう部分を考えて、上手く予算配分しないと。個人的には、日本学術会議とかの息のかかった学者とかではなく、ウクライナ侵攻で一気に注目を浴びた東欧研究者とか、もっと予算を回してほしいなと思います。

■エネルギーは国の大事■

それまで興味もなかった尖閣諸島に、中国が急に騒ぎ出したのも海底資源、ハッキリ言えば石油が出る可能性が出てからですしね。そもそも、日本が無謀な日米開戦に踏み切ったのも、石油禁輸で追い込まれたからですしね。もし、あの時点で満州の大油田が発見されていたら、戦争にはならなかったでしょう。あくまでも噂ですが、ロッキード事件での田中角栄失脚は、エネルギー政策でアメリカに逆らう動きをしたから、なんて指摘もありますしね。エネルギー問題は国の大事。昔だったら食料ですが、今はエネルギーで気にが動く時代ですし。

メタンハイドレートも、どうも過去の記録を見るとなにかのきっかけで一気に気化し、これが地球温暖化と環境激変を引き起こした可能性が指摘されています。なので、その採集にもイロイロと研究が必要でしょう。「日本が資源大国になる!」なんて安易な煽りには乗らず。技術開発と研究の地道な積み重ねを見守るのが吉でしょう。日本は元々、黒曜石に翡翠(ジェダイト)に金銀に琥珀や真珠など、珍しいものを算出する国なんですよね。島国で火山国ですから。底の可能性には期待しつつ。

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