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ダイオウグソクムシの秘密が解明

◉ダイオウグソクムシ───ダンゴムシやワラジムシ、海辺にいるフナムシなどと同じ等脚目なんですが、大きさが桁違い。普通に20センチから40センチ、大きな個体は50センチにもなるので、大王というよりも皇帝といっていい大きさです。実物を見ると、リアルに❘草鞋《わらじ》です。顔は、自分には機動戦士ガンダムの傑作機MS-06ザクに似てるなと思います。で、絶食にも強い生物として有名なんです。鳥羽水族館の個体などは、5年1か月間も絶食していたりで、生態がよくわからなかったんですが。その謎の一端が、解明されたようです。

【1度の食事で6年分のエネルギーを獲得!? 深海生物オオグソクムシの代謝応答を解明】長崎大学

【概 要】
長崎大学水産学部 八木光晴 准教授、大学院水産・環境科学総合研究科の修士課程 田中章吾さん、小野友梨夏さん、谷前進一郎さん、信州大学 森山徹 准教授、琉球大学 藤本真悟 博士らのグループは、深海生物のオオグソクムシ(写真1)の摂餌と温度に対するエネルギー代謝量の変化を調べました。その結果、オオグソクムシは体重の45%もの餌(えさ)を1度に食べる大食漢で、食べた後に代謝量が上昇することが分かりました。
この上昇現象は、特異動的作用と呼ばれ、深海生物では初の報告です。また、水温が10℃上昇すると代謝量は、2.4倍増えることも明らかになりました。これらの情報から、クジラの脂身で換算すると1度の食事で約6年分の生存に必要なエネルギーを獲得できると推定されました。深海生物特有のエネルギーの獲得と使い方に関する情報は、気候変動の影響や多様な生存戦略を理解する上で重要な知見です。
本研究成果は、2023年3月3日に国際学術雑誌Deep Sea Research Part I: Oceanographic Research Papersにオンライン掲載されました。

https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science302.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、水族館で撮ったダイオウグソクムシの写真だそうです。

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見た目が気持ち悪いという人もいるでしょう。まぁ、たしかに気持ち悪いでしょう。『放課後ていぼう日誌』の鶴木陽菜ちゃんなら卒倒するレベル。でも、進化を考える上で、とても興味深い生き物なのも、また事実ですからね。深海は、進化の途上で生存競争に破れた古い種が、棲み分け的に生活の場にした面もあり、深海コウモリダコなど古い形質を残した生物が、けっこういます。また、深海の特殊な環境で、これまた独自進化した面もあり、非常にユニークです。ダイオウイカとか、巨大化する種類の生物も多いです。

餌が少ない深海では、一度餌にありついたら、食いだめする種が多いんですよね。フウセンウナギという、鰻によく似た新空き魚は、その名の通り、お腹が風船のように膨らんで、自分よりも太い体幹の魚を飲み込んで、長時間かけて消化します。大型の魚を呑み込めるように、口も大きいですし、顎もガバっと開きますから。深海のチョウチンアンコウなど、やはり深海は大きな口の魚が多いです。そういう意味では、ダイオウグソクムシも溜め食いの方向に進化したんですね。

深海だと、クジラの死骸とかが降りてくることがあり、そういうときにはヌタウナギやダイオウグソクムシが、むさぼり食うのですが。6年間の絶食可能な食いだめは、すごいですね。陸上の生物だと、蛇がやはり何年も絶食することで有名です。哺乳類のナマケモノは、葉っぱ一枚の8グラムで一日生きられるそうですが。こういう生き残り戦略は、深海の生き残り戦略と密接ですから、大型化したのもやはり、それだけ食いだめが聞くからなんでしょうね。こういう研究は、地味ながらも楽しいです。

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